215Dead『パスワード』
アンジェリスは
「ここのパスワード任せて」
と言って研究所に合ったボタン式の扉の前に屈んで数字を入力する。
望は
「アンジェリス……さっきレイビン家の関係でしか役に立たないとか言ったけど……何でパスワードは覚えてんだよ……さすがに凄すぎやしないか? 普通はそういうのって一定期間で変えたりしないのか? もしかして相手の性格とかを考えての入力?」
と質問をする。
アンジェリスは
「ああ……だって研究所のパスワードってここの主任の生年月日だもん」
と言った。
それを聞いて望は
「笊じゃねえか……銀行の4ケタ暗証番号でももう少し捻るぞ」
と呆れながら言った。
アンジェリスは
「あいつら天才だけどそういう部分に関してはすっごくずぼらなんだよねえ……罠で大抵倒せていたのが一番の原因なんだろうね……ちなみに私は違うよ!! その日に設定した時間とカレンダーの日にちだからね!」
と言った。
望は
「そうですか……自分はちゃんと賢いアピール本当にありがとうございます」
と言って適当にあしらう。
そして
「あ! 開いた!」
と言って扉は本当に開いた。
望は
「全く、ネットで情報が載ってそうなパスにするから……それに家族の誕生日を覚えている人間なんて大量にいるぞ……家族に勝手に入られてエロ本の位置バレても知らねえぞ……」
と言った。
アンジェリスは
「ここの研究所のエロ本の場所は地下一階の研究資料の奥にしまってるよ」
と言った。
望は
「親族にエロ本の置き場バレバレじゃねえか! ベタな置き場のベッドの下とかじゃねえのかよ! 寝る前にエロを嗜むとかないの!」
と怒った。
そして
「そうか……地下一階の資料か……」
と少し顔を赤くしながら言った。
和子は
「エロ本ならもうあるでしょ……もういいんじゃないの?」
と言った。
剣子も
「男だし分かるがあまりそういうのを女性の前で言うのはどうなんだ……」
と呆れた。
望は
「はあああ! こんな世界でセクハラだとか言ったりするんですかあああ!! そんなこと今更意味がないと思いますうううう!」
と言って聞こうとしなかった。
レベッカは
「はいはい……とにかく気を付けて行きましょう……あの時みたいにレーザーとかそういうのがあったりしたら……」
と言った瞬間
「行ってきます!」
と言って望は走り出した。
「ちょ! お前!!」
とアレックスは引き留めようとするが望は上手く俊敏性犬にまたがり誰にも追い付けないようにしていた為、望を止めることが出来なかった。
するとアンジェリスは
「大丈夫、ここの主任は馬鹿で……本当に馬鹿で……罠を仕掛けてないから……放って置いてもいいよ……自分の研究結果があの動物達だからドイン・ダンドリーが来ない間に薬を手に入れれば良いよ」
と言った。
それを聞いてアレックスは
「そうか……レーザーは嫌だから良かったよ……」
と少し嬉しそうにしていた。
レベッカは
(アレックスはまだあの時のトラウマが答えてるのね……」
と悲しそうな目で見た。
その時であった。
『てめえらああああああん!! ふざけるなああああん!! すぐにドイン・ダンドリーが復活してお前ら襲うん! 覚悟するん!!』
とアナウンスが流れた。
それを聞いて和子は
「どこから放送してるか分かる? 取り敢えず倒しに行ったらそのドイン・ダンドリーを制御できるかもしれないし」
と言った。
アンジェリスは
「まあ餌付けしているけど……アガスト……本当に制御できるの? まああんたが襲われることは無いだろうけど……それでも言う事を聞かない場合はあるんじゃない……」
と言った。
それを聞いてアガストは
『うるさああああいん!! 俺は凄いん! 凄いんだあああああああん!』
と言ってアナウンスを切った。
剣子は
「薬の場所はどこかと研究員を倒さないとだが、倒せないのか?……もしかしてここに居ないのか? だから倒せないとか?」
と聞いた。
アンジェリスは
「うん……まあ……その……人間だけど……人間じゃないの……」
と言った。
和子は
「え? どういうこと? 電子生物とか?」
と聞くとアンジェリスは
「正確には自分の肉体から切り離してここの制御装置の中にいるの……まあそれを壊しても緊急脱出で別の場所へと転送されるんだけどね……奴がどうしてそんなことをしているのは知っているし何が目的であんな実験をしていたのかも知っているからドイン・ダンドリーが来て奴の思い通りに嵌められたらさすがにヤバいかな……」
と言った。
それを聞いてアレックスは
「嵌める? 仲間を?」
と質問をした。
アンジェリスは
「まあ保険としてあそこの機械を壊すべきか……な」
と少し考えて言った。