210Dead『撃墜』
望は
「取り敢えず撃たれた場所見てくる!」
と言って俊敏性犬にまたがりそのまま俊敏性犬を走り出させた。
それを見て
「てめ! こういう時だけ俊敏性犬を活用するんじゃねえ!! ちょ待て!!」
とアレックスは止めるが俊敏性犬はそのまんま望を乗せて走って消えた。
アレックスは
「糞! あの野郎が!!」
と悪態を着く。
アンジェリスは
「まあまあ、取り敢えず車で追いかけましょ! そして望を回収してから研究所に向かった方がいいかもしれないわね」
と言った。
それを聞いてレベッカは
「そうね……取り敢えず車に戻りましょう」
とその意見に同意した。
そして、和子も剣子も同意したのか一緒について行った。
アレックスの後ろに着いていた光子は
「ささ! 行きましょうです! 早くしないととんでもないことが起こるかもです」
と言った。
アレックスは
「たく! しょうがねえ!」
と呆れながら車に戻って行く。
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望は俊敏性犬を走らせてジャングルの出た部分へと一気に出ることが出来た。
望は
「うわあ……垂れてる……そしてまだ発射のが分かるわああ……まあ結構な高度を保って勢いよくお飛びになる事」
と少し感心しながら言った。
すると
「?? 遠くに何か見える……あの形はヘリか?」
と目を凝らして見る。
すると
ズドオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン!!
と結構な爆音とその爆風が望に当たった。
望は転びはしなかったが
「うっくうくううう……ブハハヒャハアハハハハハアアアアア!!」
と腹を抱えて大爆笑した。
先程ドイン・ダンドリーが放ったキャノン砲のキャノンがヘリに直撃してヘリは大破していた。
そして、火で燃えながらそのまま海に落ちてしまったのであった。
「嘘だろ! マジかよ! これ! スゲえぞ!! まさか! こん……うくくくく!!」
と腹を抱えながらずっと大爆笑し続ける。
すると
「望! 何してるの!」
と車で追いかけてきたアンジェリスが望に向かって言った。
望は
「聞いてくれよ! さっきのキャノン砲! どうしたと思う! どうしたと思う!!!」
と少し興奮気味で笑いながら聞いた。
アンジェリスは
「はあ? 海に落ちたんじゃないの?」
と普通に答えて海を見ると何故か海の上に火が少し見えた。
アンジェリスは
「へ? 何があったの?」
と聞いた。
アレックスは
「えっと……まさか……何かに当たったのか?」
と聞いた。
望は
「それがさ! さっきのキャノン砲がヘリかなんかに直撃してそのヘリがそのまま大破したんだよ!! まさかアレがぶふふうふふうう!! ヘリを! ぶふふふふふう!!」
と笑いながら話そうとする。
それを聞いてレベッカは
「もういい……それ以上聞きたくない」
と少し嫌そうに言った。
剣子は
「だが大丈夫か? ベナさんが忘れ物を届けてくれたとかだったらあそこに……」
と少し怖そうに言った。
すると光子は
「魂自体は……違うです……でも念のため仲間かもしれないです……連絡取れますです?」
と聞いた。
レベッカは
「一応は車に連絡出来る機能があるけど」
と言ってその連絡用の電話を使った。
すると
『はい? 何? どうかした?』
とベナの声がした。
和子は
「さっきなんかヘリが墜落したんだけど……ベナさんの仲間じゃない?」
と聞いた。
ベナは
『いえ……貴方達を送ってそこから別に誰も送ってないわよ?』
と答える。
レベッカは
「そうなの? じゃあ何だったのかしら?」
と言うとベナは
『まあ私たち以外にも生き残りがいるんでしょうね……その人達も気の毒に』
と言った。
7人は
(((((((全くだ)))))))
と思った。
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セリスターはなんとか複製を作ったヘリを向かわせて通信をしていた。
「そちらはどうだ! ベルシャ! 問題はなく奴らに追いつきそうか!」
と連絡をする。
すると
『はい! 大丈夫です! あのジャングルはかなり危険みたいですが必ず希咲を倒して見せます!』
と報告する。
セリスターは
「そうか! こちらもこのヘリを再び複製出来たらそちらに向かう! 危険な任務だがしっかり頼むぞ!」
と言った。
ベルシャは
『了解しました!』
と言った。
そして、一時通信を切る。
するとセリーナがセリスターの元へと訪れる。
「セリスター様……どうですか? 奴らは」
と聞いた。
セリスターは
「まだ到着には至っていませんが……必ずや貴方様のお姉さま……ラザーナ姫の仇は取らせていただきます……我々騎士の誇りに賭けて」
と自分の忠義を示す。
セリーナは
「あの男は危険です……この世界の為にも必ず打ち倒さなければいけません」
「は!」
と二人は望を倒すことを心から誓う。
その時
『せっセリスター様!! 何かが! 何かがヘリに! へ……グアアアアアアア!』
『ズゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!』
と轟音と共に通信が届く。
その声はベルシャ声であった。
セリスターは
「どうした!! 何があった!」
と通信をした。
だが
『嫌だ! 嫌だ!! 死にたくない!!!』
『まだ何も!! まだ何も果たせていないのに!! 嫌だあああ!!』
『畜生! 畜生!! なんでこんな!!! いきなりあんな!!!』
と泣き叫ぶ騎士達の声がする。
すると
『セッセッリスター! 様!! 聞こえますか! 我々は!! もうだめで……画像だけでも送ります!! まさかこんな! 兵器……ガガガガガ!! ブチン!』
と通信が切れた。
セリスターは
「ベルシャ! ベルシャ!! 応答しろ! ベルシャ!!」
と通信機に必死に声を掛けるが全く応答が無くなった。
セリスターは
「いったい! 一体何が!!」
と慌てていると
「セッセリスター……いったい何が……」
と震えながら聞いた。
セリスターは
「分からない……だが何かメッセージをベルシャが送ったようだ……まずはそれを見てみましょう」
と言って送られた画像を見た。
そしてそこに写されていたのは
何か砲台の様な物の隣で望が腹を抱えて笑っている様子であった。
それを見てセリスターは怒りに打ち震えた。
「許さん……こいつはどれだけ人の命を奪う……どうして人の命を奪って笑う……殺す……こいつは……こんな下種野郎は絶対に許してはいけない!」
と言った。
セリーナは
「許さない……こんな……こんなのが人間だなんて……私は……私は絶対に認めない!」
と涙を流しながら憎しみの目で望の画像を睨みつける。