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202Dead『トカゲの尻尾』

ブブブブブブウウブウウウウウウウウウウウウウウウ!!


と虫の羽の音が鳴り再び近づいてくる。

光子は


「右と左から同時です! 降下するです!」


と言ってアレックスはハンドルを押す。


「うおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」


と命が掛かっていることが分かっている為冷汗を掻きながら必死に押し続ける。

皆は反射的に近くの物に掴っていたが


「いやん!」


と望はそのままアレックスにぶつかりそうになっていた。

だが寸前で


「望!! ちゃんと掴って!」


と言ってアンジェリスは望を引っ張っていた。

そのまま望を他の皆が無理矢理押さえ込んで


「光子ちゃん! 何とか希咲は押さえるから!」


と言って和子が光子に言った。

光子は


「大丈夫です、なんとか……です」


と言って集中する。

そして


「次は左へ!」


と言って再びハンドルを操作して何とか逃げる。


ブブブブブブウウブウウウウウウウウウウウウウウウ!!


と横切る音を聞いて避けれたと安心する。

すると


ガシイン!!


と右から大きな音が鳴る。


「!!」

「一体!!」


とアレックスとレベッカがその方向に目をやった。

すると


『ガシャアザアアアアアアアア!!!』


と大きな鳴き声と共に右翼に大量の虫が取りついていた。


「うああああ!!」

「ドっどうする!」


と二人は慌てふためく。

光子は


「このまま降下してです! 先程の降下だいぶ地面に近づいたです!」

「このまま島の方に飛行機の尻を向けて車で逃げましょう! さっき荷物を車にも積んだし後ろの出口を開けて車を走らせれば何とか着地出来るかもしれない!」


とアンジェリスは付け加えて言った。

剣子は


「確かに……この高さなら車のタイヤで何とか着地出来るか……そのまま走って逃げれば何とかなるかもしれない」


と言った。

そして、


「じゃあそうしよう! すぐにでも!!」


とアレックスは言ってそのまま皆は車に移動する。


グシャグシャグシャ!!


アンジェリスは


「望! 行くよ!」


と言って腕を引っ張った。


ブチチ!!


「うん」


と望は返事をした。

そして、車に乗って


「発進する!! 窓を開けて後ろの扉を開けてくれ!!」


と言ってレベッカはすぐにその通りにした。

そして


ブロロロロロロ!! ブウウウウウウウウウウウウウウウウン!!


と車のアクセルを踏んでそのまま走り外へと一気に走り出した。


ブオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!


と風を切る音を出しながらそのまま走っていく。

そして


ゴシャアア!!


と地面を抉る音と共に地面に何とか着地出来た。

そして、そのまま島の中へと走っていく。

アンジェリスは


「フー! 一安心!」


と言って汗を拭いながら言った。

アレックスも


「俺のテクニックのお陰だな!」


と笑いながら言った。

レベッカは


「私だって出口開けたじゃない! その後もすぐに車の窓を閉めたお陰で虫にも入られなかったんだから!」


と言った。

剣子は


「大人二人さん……子供は褒めなくてもよさそうな表情している上に呆れてるぞ」


と言った。

アレックスとレベッカは振り返ると本当に残念そうに見ていた。


「ちょっと……止めてくれ……せっかくの活躍なんだから」

「そうよ……お願いだからもっと褒めて……大人も褒めて欲しい時はあるんだから」


と言った。

それを聞いてアンジェリスは


「そっそうね! 本当にありがとう! 私一人じゃ絶対出来なかったし!」


と気を使って言った。

和子も剣子も


「まっまそうだよ! いつもありがとう!」

「そうだな……ちゃんとありがとうは大切だ、ありがとうございます」


と言った。

光子も


「ありがとうです」


とお礼を言った。

二人は


「お……おう……」

「どう致しまして」


と言った。

するとレベッカはあることに気付いた。


「?? あれ? 希咲は?」


と聞くとアンジェリスは


「?? へ? 望なら私が掴んで……」


ブシュウウウウウウウウウウ!!!


アンジェリスの手には望の片腕だけであった。

アンジェリスは


「うわああああああ!! 嘘でしょ!! 何で腕だけ!!」


剣子は望の斬れた腕を見て


「この斬れた後……千切った感じだぞ……腕を外しただけで……まさか! アイツ!! 外れた腕の部分を刃物なんかで斬って!! 何トカゲの尻尾切りのようなことをして尻尾だけ残してるんだ!!」


と真っ青になって言った。

和子も


「それって……まさか希咲は……」


と言った瞬間


ズゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン!!


と少し遠くで爆音がする。


「あああ……」

「マジですか……」


先程乗っていたであろう飛行機の爆音を聞いて二人は呆れる。

アンジェリスは


「よし……諦めよう」


と言った。

和子と剣子も


「そうね、特に問題はないだろうし」

「仕方ない……そうしよう」


と言った。

アレックスとレベッカも


「嫌な奴だった……それだけだ」

「寧ろ清々する」


と言ってスンナリ諦めた。

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