100Dead『レアズの記憶』
レアズは通信できる場所へと移動してベルゲザズに連絡を入れた。
『おお、レアズか……情報は……』
と冷たく言われた。
レアズは
「すみません……ありません……」
と正直に答えた。
それを聞いてベルゲザズは
『そうか……なら何で連絡をしたんだ? 何かあったのか?』
と淡泊に聞いた。
レアズは
「あなたがおっしゃっていたバカに会いました」
『ほう、でそいつはどんな感じだ?』
と聞いた。
レアズは
「あいつ……何なんですか……私は壊れそうになりました……」
と辛そうに言った。
ベルゲザズは
(まさかあのバカにあっただけで使い物になるのかこいつ……あのバカは何なんだ……正直なところさすがに予想外すぎるぞ……)
と引いていた。
レアズは続けて
「あいつ……のせいで見つかり仕方ないからあいつを人質に取りました……」
『はあ……』
「そして、逃げるようと考えて見ている者にそれを伝えました」
ベルゲザズは黙って聞くつもりになった。
そして
「そしたらあいつ……私の胸を揉みだしました……」
『何言ってんだお前……』
と予想外のことを言われてさすがに困惑していた。
レアズは
「大したことないと思ったんです……でもなぜかすごく怖くなったんです!! 震えが止まらなくなりました……」
と涙ながら言った。
ベルゲザズは
(何……この痴漢にあった女の心情の吐露を聞かされてるみたいな状態……俺は駅員じゃないんだが……)
とうんざりしていた。
レアズは
「私……私! すごく怖かったです……」
と言った。
ベルゲザズは
『まあ私もお前を使い物にならない様にそんな性的な虐待を加えることは無かったからな……慣れてないのも納得はいく……』
と取り敢えず適当に合わせた。
レアズは
「そのあとバカの仲間に助けられて逃げることが出来ました」
『もうそれは……俺はどう答えればいいんだ……』
ともはやベルゲザズは面倒臭くなってきていた。
「そして、隠れているとまたいつに会ったんです……しかし、ここで怖がるとまた変なことされそうだったので普通に話しました」
『おい!!! 俺が聞いたあれはもう済んだ状態か! ふざけんな!! 何だったんだ! その前置きは!!』
と怒った。
レアズは
「!! ごめんなさい! ごめんなさい! ごめんなさい!!」
とひたすらに謝った。
ベルゲザズは
『ああもおおお!! いい!! いつまでたっても話が進まんから会ってどうしたんだ!! 言ってみろ!』
とヤキモキして叫んだ。
レアズはビクッとして
「はっはい……それであいつは私のナイフを見て突然ナイフの使い方が違うと言ったのです」
(へえ……どう使うのか気になるな……そのバカの使い方が……)
とベルゲザズは興味を持った。
そして
「そして私からナイフを奪い奴はナイフをいやらしく舐めはじめたのです!!」
『……は?』
とベルゲザズは素っ頓狂な声で言った。
レアズは続けて
「ナイフは舐める為にあるとか言い出して! 私は違うと否定しました!」
『……』
「そしたら、証拠を見せるとか言い出して通信機器を取り出してナイフを舐めて使っているところを見せて来たのです!」
『? あ?』
とベルゲザズは少し考えて
(ああ! ヤクザ映画やヤンキー映画とかそういう分類でしか見たことは無いが確かにあるな……ナイフ舐めるシーン!)
と思い出した。
そして
「そしたら私は酷い頭痛に襲われました! それを見て私がナイフを舐める記憶を思い出したとかなんとか!」
(多分……そういう映画を見たことを思い出したんじゃ……)
「私分からなくなって! 教えてください! ベルゲザズ様!」
『! ああ……ああ』
といきなり問われてベルゲザズは反応した。
そして
「ナイフは……舐める物なんでしょうか?」
『違う』
とレアズの問いにはっきりと言い切った。
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望は牢屋に入れられてからようやく出ることが出来た。
「うああああ!! 腰いてええ!!」
と腰を擦りながら尻をポリポリと掻いて
「全く……お前は」
と剣子に呆れかえられていた。
アンジェリスは
「何度バカなことをするの?」
と言って鍵をポケットに入れた。
望は
「いや、今回は俺悪くないよ! 本当だよ!」
と言って自分の無実を言ったが
「はいはい、分かりました」
「いいからさっさと風呂入って! 臭い!」
と邪険に扱われた。
望は
「はあ……冷たいなあ」
と言って取り敢えず風呂に入った。
「ふええええええ!! いいいい!!」
と嬉しそうに風呂に使って体を洗い再び十分に温もった。
そして
「あああ……なんかスッキリした……」
と言って服を着て
「ちょっと外出れるかな……涼みたい」
と言ってのぼせていた。
そして、廊下を歩いていると
和子が窓を開けていた。
そして
バンバンバン!!
となぜか銃を撃っていた。
望は
(あいつ何をしてんだ……)
と疑問に思い近づいた。