翌週への続走 同志からの書簡
『同志センチュリア女王 アレクセーリナ・セシーリエ・タウリーズ陛下
お久しぶりだ、元気になさっておいでかな? 私はお察しのとおり大変元気である。
さて、このような書状をお送りした訳だが、現在私はファレーラ王国にいる。
ここから明日にでも貴国へ向けて出立する予定なのだ。
ついては、二月の第一週中に貴国へ到着できると思うのだが、数日間滞在させてもらいたい。
突然このような申し出をすることは非礼であるのは百も承知だが、これには事情があるのだ。
私がファレーラ王国にいるのは、『世界機構』の協賛機関『国際建築委員会』の副委員長として、かの国の歴史的建造物ケケアラクワナ寺院を調査するためなのだが、寺院の設計図を保管している宝物庫の鍵を持った女王が、あろうことか貴国へ向かったというではないか!
なんたる非礼、無礼のきわみであることか!
私が訪れることを知っていながら、出迎えもしないばかりか、肝心の設計図も見せまいとするとは!
あなたもそう思うであろう?
というわけで、まもなくファレーラ女王も貴国に到着するであろうが、ぜひともその身柄をおさえておいてもらいたい。
いや、身柄はどうでもよい。宝物庫の鍵さえ手に入ればファレーラ女王など、路傍で朽ち果てたところでいっこうに支障はない。
あのけたたましい笑いの、品の欠片もない男狂いの女に用はないのだ。
長居はしないつもりであるから、部屋などは空いているところで結構。無論世話になる礼は十分にさせてもらう。
それでは宜しくお願いする。
同志タンザ国王 ハーラル・ロベリオ・ラバンジン
追伸:同志におかれては、私の宿敵に被害を受けていないか非常に心配である。
同じく奴に虐げられる身、もし困りごとなどあれば遠慮なく相談してくれたまえ』




