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ああ、人生

作者: 徒し雅

お初にお目にかかります。徒し雅です。

この作品はオリジナルとしては処女作です。

他にも書きだめしてるのはありますが、一応処女作です。この小説の世界はこことは違うちょっとファンタジーの入った未来の地球です。まぁ今は要らない設定ですが……。

のちの作品と関係してきますので一応。

物心ついた時には自分自身にぼんやりと違和感があったと思う。それが明確になったのは小学生の3年生辺りだっただろうか、僕は女の子なんだと強く感じるようになった。


私の父は大企業の取締役で創設者だ。母は私が2歳の頃に病に倒れ亡くなった。私はこの家の一人息子で父は私が生まれたことをたいそう喜んだという。その為か、父は私が立派な跡継ぎとして成長する事を強く望んでいた。私の性の不一致を父に訴えても父は「お前は男だ。断じて女などではない」とばっさり切り捨ててしまうのだ。そう、父はとても古い考えを持っていた。この時代で男女差別的な発言はタブーだ。しかし、「男が跡継ぎである。それ以外は認めん」これが父の考えだった。だから私は小学生の頃は父の言うことに従って自分は男だと言い聞かせていた。


だが中学生になってからはそうもいかなくなってきた。今は2000年も3分の1が過ぎる頃、科学は発展し性転換なんて簡単にできる時代だ。私は我慢出来ずに父に性転換させてくれるように頼み込んだが断られてしまった。しかし、第二次成長を迎えた私は周りとの違いに怯え周りから距離を置き、体と心の不一致を悟られまいと必死だった。自分の秘密が露呈してしまえば気持ち悪がられるてしまうという思いでいっぱいだった。だが今思えば打ち明ければよかったのかもしれないと強く思う。私の周りは底抜けにバカでいい奴ばかりだったと、一歩引いて見ていた私でも分かるようなそんな奴らばかりだったから。


高校生になった時、逃げるだけではダメなのではと気づいた私は己を押し殺し、周りと打ち解けることにした。ちょうどこの時からだったろうか、一人称を僕から私に変えたのは、自分で言うのもなんだが見た目は母譲りの美しい男である私が一人称を私にしたところ、周りからの熱視線が増えた。これは私も気持ちが分かったので苦笑してしまったが。美青年の一人称が私とか最高でしょう?さて、2年生になった頃私の人生最大の転換期が訪れた。私の今の妻との出会いだ。私はこれまでの人生をひたすら父を追い抜くために費やしてきた。私は父を追い抜き、誰も文句が言えなくなった時に女になるつもりだった。それまでの我慢、そう言い聞かせて。そんな私の秘密に彼女は気がついた。いや、何か隠しながら無理しながら生きていると分かったとのちに彼女は聞かせてくれたが当時の私は大いに動揺した。それはそうだろう?突然仲の良かった友人から「ねぇ、何を隠して何に怯えているの?」と二人きりの時に言われたのだ。走って逃げて暫く避けてしまったのは悪いと思ったが彼女も、彼女だ。何かに気づいても面と向かって言ってくるとは思いもしなかった。その後暫くは彼女は何も言ってこなかったが何故か今まで以上に親しくなった。あまりにも親しくしすぎた為か周りからは付き合ってると思われていた。


難関大学に合格してからは父が度々仕事を教えてくれるようになった。ちなみに彼女も同じ大学に合格し、私と共に入学した。そして、彼女は私に結婚を前提に付き合ってほしいと告白してきた。私はまたもや動転した。そして暫く考えさせてくれと断って走って逃げた。数日後、私は彼女に秘密を話すことにした。話してどうなるか少し不安だったが彼女は薄々気がついているのではないかと思ったし、何よりも1番の親友であったのでこれを機に話してしまおうと考えたのだ。もし、彼女が秘密に気づいておらず、告白を撤回しても今の関係は崩れるどころか更に深くなるのではと思ってしまうような人だったから尚更話した方が良いと判断したのだった。そして、やはり彼女は気づいていた。その上であなたと共にありたいと告白し直してきた。予想はしていたもののあまりの嬉しさにポロポロと泣いてしまったのには彼女が1番驚いていた。私達は親友にして最高のパートナーとなった。


大学を卒業してすぐに私達は結婚した。父は彼女が良いところのお嬢さんであることよりも、あれだけ女になりたがってた私が女性と結婚するということに驚いてそして嬉しがった。私には人の上に立ち人を従える魅力的な能力があったようで、大学を卒業して5年で私は業績を積み上げた。そこから妻と共に企業内に新部門を立ち上げ、各国で争うように行っていたが、うちの国では近年燻っていた火星への移住計画の発案と実行権利をとある方のおかげで国から任命され、中学から高校、大学に至るまでの知り合いで戦力となるものや、資金不足で埋もれていた人材などを見つけたり引っこ抜いては計画に参加させ、気づいたら30も後半に差し掛かり、取締役は私になり父は引退し火星への第一移民の試験を私自身が行うことになっていた。


試験は無事終了し半年の滞在を終えて私は帰ってきた。その直後、父が倒れた。


機械も何もない、白で統一された病室に父は寝ていた。

父の力強かった手は今は衰えて見えた。私はその手を握り父に話しかけた。


「父さん、分かりますか?桜です」


父の手に力がこもる。


「おお、桜か。火星の件、上手くいったそうだな。私は鼻が高いぞ……。蘭さんはいらっしゃるかね?」


父はかすれた小さな声で喋る。

覇気のない父に私は虚しさを覚えた。


「はい、義父様。私はここに」

「おお、そうか、すまんな。目がもうあまり見えんでな。頼みがある。暫く桜と二人きりにしてくれないか?」


ちらりと妻が私を見る。私はコクリとうなづく。


「はい、分かりました。ではしばらくの間誰も入れないようにしておきます。義父様、また後で」


妻はそう言って私を心配そうに見て出て行った。最後まで妻は泣くのを我慢していたようだった。私を甘やかしすぎだよ親友。



「桜」

「はい」

「すまなかったな」

「え……」


私は固まってしまった。


「お前の心を踏みにじってしまって、すまなかった。妻が死んでからお前が性同一性障害だと知った時、私は途方にくれた。私は女の子の扱いなぞできんから、そして、どうしてもお前に、あれと私の子に跡を継いで欲しかった。確かに今の時代女も男もない。だが、やはり女だからとみくびって話を聞いてくれん奴も多々おる。そこで苦労して欲しくなかった。すまないな、私の我儘でお前を傷つけてしまって」

「父さん………」


絶句した。まさか、父からこんな言葉が聞けるとは思っても見なかった。父に初めて私を許してもらえたかのような、やっと本当の親子になれたかのようなそんな感じがした。


「父さん、私は今の私を誇りに思っています。だから、謝らないでください」


少しの静寂が病室に訪れた。

そして父が私の手を強く握り直した。


「大きく、なったな。私なんかよりも立派になった。あれもあの世で喜んでいるだろうよ………。あぁ、お前を、紗栄子に見せて……やりたかった。私も、もっと、もっとお前が大きくなっていくのを………」


ふぅ、と父は弱々しく息を吐いた。

目はもう殆ど開いていない。

手にも力は入っていない。

声も途切れ途切れで小さい。


「桜」

「はい、父さん」

「ダメな父親ですまなかった。愛してるよ。さくら…」



父は静かに息を引き取った。



父が亡くなってからもやることは変わらない。ただ、心が少し軽い気がした。最後に父と和解できたからかもしれない。


父が亡くなってからさらに数年、私と妻の子供達も大きくなり、上は高校生下は小学生になった。ちなみに、子供達には私の事をボスと呼ばせている。私が性同一性障害だとも知っているのでどう呼ばせるか迷った末に子供達に任せたらボスになった。そして、火星移住計画も軌道に乗り後は私が直接やらなくてもいいところまで進んだ。今はまだ研究者や、建設関係、軍などが先行しており、まだ完全に人が移住したわけではないがもう予定も決まっており後は待つだけといった所だろうか。そんな折に私は未知の病に倒れた。徐々に足元や手先などが崩壊していくのだ。これには私は自分の運命を呪った。あぁ女神よどうしてこんなことにとね。後々女神に直接会って聞いたら運が悪いとしか言いようがないねと言われたけどね。


さて、未知の病に罹ったとはいえすぐにでも体が崩壊するわけではないようで、私は死ぬまでの時間、動いて崩壊を早めるわけには行かないので自宅のベットで過ごすことにした。ちなみにこの病はただいま研究中で私の友人や部下たちが私を死なせるかと必死に原因と治療法を探しているそうだ。

私がこんなことになってからは私は自分の後釜として私の左腕を指名した。右腕は言わずもがな妻である。その男はとても有能で大学の後輩だ。私が一番信頼している部下で器もあり、他の社員からも尊敬されている。あいつと妻がいる限り私がいなくても会社が傾くことはないだろうと思う。


しかし、本当に暇である。勿論代表はまだ私なのだから私がする仕事もあるが今は殆ど相談役のようなポジションにいる。時間が勿体無い、そう思った私は最近、エレクトニックゴッデスとかいう会社が作ったヴァーチャルゲームをすることにした。いや、だって暇なんだもの。このゲームはVRゲームの最先端を走っていて、もうね、現実との区別がマジでつかない。なんかね他の会社が可哀想になるくらい格差が凄い。さて、このゲーム、名前は「ツヴァイ」、は王道のファタジー世界を舞台としていて何にでもなれるし、何処へでも行けることが売りらしい。更にはかなり現実的でスキルとかそんなものはない。ただ内蔵された見えないレベルみたいなものがあるようで気づいたら足が速くなってたとか力が強くなってたとか、とにかく目に見える数値的なものが一切ない。最初は私を含め多くのプレイヤーが戸惑ったがすぐに私は慣れたし、ワーワー騒いでたプレイヤーもリアルさが段違いの世界から抜けられず渋々慣れていったようだった。そして、このゲーム、MMOはもちろんのこと、オフラインでもゲームが出来る。そしてオフラインは現実世界と時間差が24倍あって1時間が1日になる仕組みだ。しかもちゃんと制限も付いてて現実世界で7時間過ごすと強制的にゲームから目覚める仕組みになっているのだ。さらに身体の状態をモニターしてふさわしくない状態ならゲームできないらしい。らしいというのは私はモニターは付いてるが制限なしの媒体をゲーム会社からなぜかもらった為そのような状況に陥ってないからだ。まぁ私には同級生の専属医がついてるから大丈夫なんだけどね。


ゲームを始めての1ヶ月は、運営側が初のイベントは1ヶ月経ったらと言っていたのでずっとオフラインで修行していた。というか本を漁って体を鍛えての繰り返しをしていた。

この世界はマジでリアルと変わらないので他人の家とかに勝手に入っちゃダメだし、NPCも本当の人としか思えないぐらい精密に出来ていて、それぞれの生活があった。なので読みたい本を探すのだけでも大変だった。取り敢えず冒険者になってお金を稼ぐことから始め、紙は貴重ではないらしく割と安く入れる図書館や、古本屋などから本を読んだり買ったりして知識を集めた。ではなぜ私がここまで苦労して本を漁っているかというと、勿論冒険のための知識も必要だけどそれだけじゃない。魔法を使うためなのだ。先も言った通りこの世界にスキルなんて物は無い。だが魔法はある。しかし教えてくれる人にはまだ会えていないし、魔法使いの人口も少ないようだ。適性があるかどうかではなく実際に使えるようになるまで研究してないというのが正解のようだ。間違ってはいけないのが家庭で使う程度の簡単な物はみんな出来るが実戦で使えるかというと違うといったところだろうか。とにかく、私は魔法を極めることにした。だってめちゃくちゃ面白いんだもん研究が。あ、アバターは女の子にしましたよ、念願の女性になれました。ゲーム内だけだけどなんか嬉しいです。


現実世界で1ヶ月が経った頃私はゲーム内に1年近く入ってました……。糞ゲーマーですね。でもちゃんとお仕事も食事もしてましたよ?まぁ、あってないようなもんですが、家族も私が楽しそうにしてるので文句ないみたいです。子供ともちゃんとお話ししてますし、あれ?私だけ時間差が違う気がしてきました……。気のせい、じゃないですね。エレクトニックゴッデスは何のつもりでしょうか?まぁいっか。贔屓してもらってるのかな?贔屓万歳。まぁそんなこんなでかなり強くなったと思います。まぁ私リアルでもずっと武術やってきたので強いですし、敵を殺すことを覚えてしまえば後はぽんぽん強くなっていきました。他の方たちも同じような感じだと思いますが……。あと、念願の魔法も実戦で使えるレベルにまでなりました。今では冒険者の中でも名のある方です、はい。


イベントはとても楽しいものとなりました。私はプレイヤーの中でもトップランカーに入る強さでした。その中の何人かと友人になってギルド「スターズ」を設立。特にプレイヤーの☆ツカサ☆ちゃんとは仲良くなりました。あ、ちなみに私はオウランと名乗ってます。


現実世界で1年が経つ頃には私達はトップギルドであり、ギルドメンバーのそれぞれがトップランカーとして名を馳せるようになりました。みんな私を含めとても癖のある人ばかりで現実世界でも、何かしらの秘密のありそうな方達ばかり集まっておりとても楽しかったです。そうそう、私は戦姫の二つ名を公式に拝命しました。私、魔法使いなんですけどね、一応……。☆ツカサ☆ちゃんは殲滅姫の二つ名を拝命してましたよ。納得ですはい。


2年が過ぎ3年が過ぎた頃、私は天空城を所有し、種族が精神生命体とか意味が分からないものになり、精霊を従え、エンシェントドラゴンを1匹躾け、なんか色々配下が増えていき、気づいたら天空の戦姫とか、歩く不条理とか、てか最早あの人が裏ボスの1人だろ絶対とか言われるようになりました。ちなみに☆ツカサ☆ちゃんも裏ボスの1人とか言われてます。公式側もそれに乗ったのか裏ボスと陰で言われてるプレイヤー、ほとんどはうちのギルドメンバーなんですが、を集めて裏ボス(笑)VS他プレイヤーとかやってくれまして、非常に楽しいゲーム生活を過ごしていました。あ、イベントは勝ちましたよ?それで私達にはそれぞれが公式が作った専用の武具を報酬でもらいましたよ。負けた側も何かしらのプレゼントを貰ってたみたいですが……。そんなこんなで楽しかったのですが、私の体に限界が近づいて来ていました。しかしまぁよくも3年ももったものだと思います。死期を悟った私は「ツヴァイ」の引退を表明し、ギルドメンバーには迷いましたがリアルが忙しくなりそうでゲームが出来なくなってしまうと話しました。最後にお別れ会と称して多くのプレイヤーが集まってきてくれて飲んで騒いでの大盛り上がりで、私は嬉しくて少し泣いてしまったのでした。




私はここ数日家族とお話ししたり、体が動かなくなってしまったので寝室で部下達にちゃんとした引き継ぎをしていました。

妻はそんな私を見て泣きそうになりながら話をし、部下達は用もないのに来たりしてみんな、私が感じた事に気付いているようでした。まぁ、突然ゲームをしなくなったら誰だって気づくか。そして、タイムリミットは刻々と近づいてくるのでした。



ふと、目が覚めたら夕方の5時頃でした。

最近は気付くと寝てしまって起きてる時間がまばらになっていました。

あぁ、今日だと、すぐに分かりました。

体の中でサラサラと音が聞こえて、確信しました。

私はすぐに人を呼びました。

古くからいる使用人が来たのでもう時間が無いことと会わなくてはいけない人と話をしたいと告げました。


「旦那様、長い間お世話になりました」


彼女は泣きながら私に礼をしました。


「これからも、この家のことを頼むよ」


彼女はもう一度礼をして部屋を出ました。



しばらくして、私の後釜である彼が来ました。


「……代表。お呼びでしょうか」

「あぁ、吉野、来てくれたか。最後に頼みたいことがあってな」

「……。最後、ですか」

「あぁ、最後だ」


彼はグッと奥歯を噛み締めて眉をひそめ何かをこらえているようでした。


「これからはお前が代表だ。これは前々からの決定だから不安はない。だが、私は子供達に現場での事を何も教えてやれなかった。だから出来ればあの子達に師事して欲しい」

「…………。はい、全てお任せ下さい。代表に、桜先輩にも勝る立派な4代目としてみせます」

「吉野がそこまで言うなら心配ないな、後は任せたぞ3代目」

「はい、奥様達が待たれているようなので失礼します。今までお世話になりました。ありがとうございました」


彼は最後の最後に堪えきれずに涙を流して去っていった。


「泣くなよ、バカが……」




数分して今度は子供達が入ったきた。

そしてもう泣いていた。


「まだ中学生の桃花(とうか)は分かるけど、いい大人が泣くんじゃないよ蓮、ほら2人ともこっちおいで」


子供達が私に寄ってくる。

抱きしめてあげたいけどもう私の腕は崩壊してないに等しい。

とても悔しいが仕方ない。

無いものは無いのだから。


「ボスぅ嫌だよ、死んじゃ嫌だよ」


もうすぐ高校生になる長女の桃花がボロボロ泣きながら嫌だと連呼する。

あぁ、本当にこの体が恨めしい娘の涙も拭えやしない。


「ごめんね桃花、卒業式も高校の入学式も見てあげられそうにないよ。許してね。桃花」


ダメだ、私も泣きそうだ。


「ボスぅぅ」

「愛してるよ桃花、可愛い娘、泣かないで私に笑顔を見せて」

「うん、うん、私もボスのこと大好き。ちょっとだけ待って笑うから、ぅぅ待って、ね」

「うん、待ってるよ。その間蓮と話してるからね。桃花」

「うん」


娘は首を縦に振りながら場所を譲る。


「ボスぅぅ」

「ほら、蓮もう泣かないの、泣き止んで私と約束して」


息子は目をこすって涙を拭き取り、赤い目をしてこちらを見る


「ボス、なに?なにを約束すればいいの?」

「蓮、大学生のうちに吉野のところへ行って勉強しなさい、そして蓮が跡を継ぎたいなら吉野の引退までに頑張りなさい。いいね?」

「ボス、俺は跡を継ぐよ、頑張るよ」

「うん、頑張ってね。愛してるよ蓮、私の可愛い息子」

「うん、うん」


息子はまた泣きそうな顔で一歩下がる。

そこに娘が必死に泣くのを我慢した顔をして来る。


「ボス、私、笑えて、る?」

「うん、よく頑張ったね可愛いよ桃花、さぁ、お話ししよう」

「うん……」

「桃花はこれからどうしたい?大人になってどうしたい?」

「ボスぅ、私ね。兄さんの手伝いをする」

「うん、分かった。頑張りなさいね。自分に出来る最大限の努力をしなさい。そしていい女になりなさい」

「うん、うん、ボスぅぅ」


しばらく娘は泣いて、そして寝てしまい息子が最後に「ボス、大好きだよ」と言って背負って出て行った。


私は次のノックがあるまで静かに泣いた。



「桜、入るよ」

「うん、蘭待ってたよ」


サラサラという音が更に大きく聞こえてきた頃妻が入ってきた。

妻は入ってきて私の側に座った。

しばらく無言の時が流れた。


「ねぇ、桜」


沈黙を破ったのは妻だった。


「うん?」

「色んな事があったね」

「うん、蘭には苦労かけたね」

「ふふっ、バカね私も桜にいっぱい苦労かけたわ」

「そっか」

「そうよ」

「じゃあ、お互い様だね」

「そういうこと」


また無言。

しかし、どこか心地いい、妻といるといつも安心した。


「ねぇ、蘭」

「ん?」

「どうして私と結婚したの?」

「今更それを聞くの?それに言ったでしょ?あなたと共にありたいって、あと顔がすごいタイプなのよね」

「顔か、確かにすごい美青年よね私」

「うん、すっごい美青年だったわ。今じゃあナイスミドルだけど」

「ふふっ、そうだね」


音が近づいてくるもうすぐそこまで。


「ねぇ、蘭」

「なに?桜」

「今までありがとう蘭」

「どういたしまして」


蘭の目が少し見開いてまた戻る。


あぁ、もう、時間が、ない。


「きみはわたしのさいこうの、つまで、さいこうのしんゆう……」


桜がサラサラと崩れていく。


「私もよ桜、あなたは最高の夫で最高の親友よ」


サラサラと崩壊する桜の顔を見ながら蘭は1人大声を出して泣いた。


途中少し書方変えてるのはわざとですが、勢いで書いちゃったんでしょうがない、その時のフィーリングだもの。

ご指摘あったらお願いします。

感想も質問もお待ちしてます。

見てくれる人いるかな……?

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