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起床はクマと共に

うーん、何だ?体が揺れてる?体が揺れて…!

「地震か!?」

ばちっと目を開けると、木の幹が視界一杯に見える。

知らない天井ではなく、知らない木の幹だ!

いや、落ち着け、訳が分からん。木の幹所か、木の違いも解らない。

ええと……ああ!クマさんが解散してくれなくて、野宿したんだったな。

クマさん達、解散してくれたかな?

俺は下の方を確認しようとして、顔を左に向けた。

すると、赤いクマさんとご対面した。

「………うおわぁあ!?」

数回瞬きしてから、俺は赤いクマさんを殴った。

殴られた赤いクマさんは、叫び声を出しながら落ちて行った。

あー、びっくりした。寝起きにクマさんのどアップは心臓に悪い。

心臓をバクバクさせながら、下の方を確認する。

クマさん達が、順番に並んで登って来ていた。

…そうだよな。クマって木登り出来るよな。

んー?何で俺が寝てる間に喰わなかったんだ?

首を傾げてクマさん達を見ていると、傷を負っている事に気付いた。

獣に襲われた様な引っ掻き傷と、噛付かれた様な傷が付いている。

クマさん達の爪が赤く見えるのは、俺の目の錯覚じゃないのか。

…仲間割れしてたの?!俺が眠ってる間、ずっと?!

クマさんピラミッドを作ってた時の、協調性は何処に消えた?!

ああ、そうか…。気付いたんだな、下のクマさんが自分に餌回って来ないって。

俺は一人で、君達は十頭、どうやってもお腹は一杯にならないんだよ。

……ってええ!?十頭に増えてる!!昨日は六頭だったよね?!

登って来たクマさんを殴り飛ばす、叫びながら落下して行った。

こ、これは、ピンチ?!いや、チャンスだ!

クマさんは両手と両足を木登りの為に使っている。

だから、牙にさえ気を付ければ殴り放題だ。STR馬鹿で良かった!

それに、俺には武器屋さんで買った剣もある。

……あれ?僧侶なのに何で剣を買ったんだっけ?

え?えーっと……あ、そうだ!武器屋の店主さんがお勧めしてくれたんだった。

ありがとう!武器屋の店主さん!帰れたらお礼を言いに行こう!

クマさんの牙に気を付けながら、登って来たクマさんを殴り続けた。

結果、クマさん達の討伐に成功した。

殴ったダメージと、落下したダメージで死んでいった。

木の下が真っ赤に染まって、辺りの木も赤くなってるなんて事は……。

ううう、吐き気が……早く消えてくれ…胃液が戻って…!!

俺は急いで、クマもびっくりな速度で木を降りた。

「おええええ」

近くの茂みで、吐きました。すみません。

落ち着いたので、登っていた木の下に戻って来ると赤い液体は消えていた。

「…ドロップ品は無いのか?」

俺は首を傾げて、メニューを開き道具リストを開いた。

【ベアの肉】【ベアの肉球】【ベアの爪】【ベアの毛皮】等が入っていた。

なるほど、勝手に道具袋に入るのか。納得して道具リストを閉じた。

「…腹減ったな。どうなってるのか解らないが、何か食わないと。」

お腹に手を当てながら呟き、街に帰ろうと振り返った。

白いクマさんとご対面した。

普通のクマさんなら何匹も見たよ?色おかしかったけど。

でも、この白いクマさん。腕が四本あるんだけど?!足が四本で普通だろって?

それなら驚かないし!今日、一杯見たから!朝からご対面したから!

この白いクマさん、さっきのクマさん達より大きいよ?!

腕が、いや前足が四本あって、器用に後ろ足で仁王立ちして俺を見てるから!

もしかして、クマさん達を殺した俺に復讐を?!やばい、逃げないと!

俺は向きを変えて、全力で走りだした。

クマさん達の命と引き換えに、俺のレベルは上がっている。

後ろからは、どすどすと白いクマさんの足音が聞こえている。


あるう日~森の中~クマさんに~出会った~

血走る目をしてる~クマさんに出会った~

クマさんの~言う事にゃ~お前さん~許さない~

仲間の復讐を~その身で受け止めろ~ (森の〇まさんのリズムで!)


俺と白いクマさんの命懸けの追いかけっこが始まった。

次回は別の人視点に変わります。

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