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姉と妹のちょっとした悪戯

確か最初に、キャラの容姿を設定したはずだ。

注意、身長が変わると気分が悪くなる恐れがあります。

と、説明書に書かれていたので、自分の身長に合わせた。

髪は邪魔にならないように短髪にして、顔は…適当に決めたな。

髪と瞳の色は自由に変えられたけど、違和感があったので両方黒色にした。

完成したキャラは、瞳が大きいせいか男にも女にも見える顔になっていた。

「……まあ、いいか。」

呟いてから、OKボタンを押した。

続いて、名前とステータスを振り分ける画面に変わった。

そこで名前を【ツバキ】と入力したはず……なんだけどなぁ。

性別は男にして、ステータスをざっと振り分けた。

あれ?振り分けたのは覚えているが……決定ボタン押したか?

……押した……覚えは………無いな。

ああ!そうだ!確かあの時!


「つばき!お願い!奴が!奴が現れたわ!」

姉さんが、部屋のドアをどんどん叩きながら叫んでいた。

ゲーム機を置いて部屋から出ると、姉さんは凄い勢いで俺の部屋に入ってドアを閉めた。

スリッパを片手に持って、奴が居るであろう台所に向かった。

奴は堂々と台所を歩いていたので、一撃で仕留めることができた。

仕留めた奴を見えない様にゴミ袋に捨て、自分の部屋の前に戻った。

「姉さん。奴は仕留めたから、もう大丈夫だよ。」

俺は自分の部屋のドアをノックしながら言った。

姉さんはドアをそーっと開け、ちらっと台所の方を見てから出て来た。

「つばき、ありがとう。」

姉さんがお礼を言って、台所の方に歩いて行った。

「あっ!お兄ちゃん!もう、キャラメイク終わった?」

部屋に戻ろうとしたら、妹が駆け寄りながら聞いてきた。

「もう少しで終わるよ。かえでは終わったのか?」

「うん!後少しで時間だから、ログインする前にトイレに行ってきた方がいいよ。」

「そうだな。じゃあ、行ってくるか。」

妹の勧めで俺はトイレに向かった。

戻って来ると、俺の部屋から妹が出て来た。

「じゃ、私もトイレ行くね!向こうで会おうね!」

妹は慌てた様子で言って、トイレの方に小走りして行った。

我慢してたのだろうか?先に行かせてあげれば良かったな。

そう思って部屋に戻り、ゲーム機を装着してログインした。


……新作のゲームを前にして、浮かれていたようだ。

名前もステータスも確認せずにログインしたのが、いい証拠だ。

ゲームなのだし、ちょっと悪戯したかったのだろう。

姉と妹だって、デスゲームになるなんて思って無かっただろうし。

確認をしなかった俺が悪いんだ。

LUC一転振りじゃなくて、STRだから殴れば問題は無い。

そう思って頭上を見ると、問題が発生していた。

クマさんが増えていて、組体操でよく見るピラミッドを作り始めていた。

ええ?!そんなに、俺食べたい?一番上のクマさんが俺を食べて終わると思うよ?

一番下のクマさんに、回って行かないと思うよ?

あ、クマさんピラミッド崩れた。

俺も食べられたくないし、逆さ吊りから解放されたい。

顔を上げて足の方を見ると、しっかりと両足がロープで縛られている。

「せーのっ!ふっ!」

腹筋をフル活用し、上半身を持ち上げロープに向かって手を伸ばす。

がしっとロープを掴み、止めていた息を吐いた。

ロープをすいすいと登り、支点にされていた木の枝に腰を下ろした。

木の枝と言っても、俺を支えていたのだし、結構太く折れる心配は無いみたいだ。

幹に背を預けて、両足の拘束を解くと、ロープはすうっと消えてしまった。

「…ま、いっか。」

下の方を見ると、クマさん達が幹の周りに集まっていた。

「うーん……初日から野宿か。」

俺は幹にしがみ付くように腕を回し、木の上で眠りについた。

奴とはゴ〇ブリの事です。

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