表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
21/53

刀、練習中

【ラビの平原】に移動して、周りに人が居ない事を確認してから素振りをしている。

べしべしっと、寄って来たウサギさん達が、鞘に納めたままの、刀に弾き飛ばされている。


街を歩いていると、NPCの人が挨拶してくれた。

挨拶は返すのが当たり前なので、振り返って会釈をしながら挨拶をした。

頭を上げると、挨拶してくれたNPCの人が口をポカンと開けていた。

俺が首を傾げながら歩いていると、NPCの子供達が俺を追い抜いて立ち止まった。

『おはよう!』

子供達は俺を見上げて、何故か挨拶して来た。

「おはよう。」

挨拶を返すと、子供達はキャッキャと喜んで走って行った。

何だったんだろう?


街で起きた事を思い出して、再び首を傾げる。

集まり過ぎたウサギさん達を見て、刀を抜き一掃した。

少し離れた所に、一匹のウサギさんがプルプル震えているのを見つけた。

………あれを倒すのは、ちょっと、無理だな。

刀を鞘に納めて、震えているウサギさんに近づいた。

ウサギさんの前で屈み頭を撫でて、大人しい事を良い事に抱き着いた。

もふもふな手触りを堪能して手を放すと、ウサギさんは何処かに逃げて行った。

「逃げろ!」

プレイヤーの人達が叫びながら、街の方に向かって走っていた。

服に付いた毛を払いながら、立ち上がって振り返った。

「きゃぁっ!」

赤い髪の女性が躓いて転んだ。

仲間らしいプレイヤーの人は、ちらっと女性を見た。

が、助けに向かわずに、走って逃げて行った。

「くそっ!これだから、プレイヤーは!」

女性が文句を言いながら、立ち上がった。

女性の後ろに、クマさんと同じ位の大きさの、ウサギさんが跳んで来ている。

へえ、あんなに大きいウサギさんも居るんだ。

俺がこんな事を思っている間に、大きなウサギさんは女性に襲い掛かった。

女性は足を怪我したらしく、その場に座り込んでいる。

大きなウサギさんが、再び女性に襲い掛かろうとしている。

足に力を込めて、全力で地面を蹴る、地面が抉れ土煙が舞い上がった。

どがぁっと、大きなウサギさんに跳び蹴りをした。

大きなウサギさんは、吹き飛び二、三回バウンドして地面の上に転がった。

「きゃあっ!」

女性の悲鳴が聞こえたので、慌てて振り返った。

大きなウサギさんが、大量に集まって来ていた。

何で……あ!他の人が居ないからか。

女性を見ると、腹部が赤く染まっている。

胸が上下しているから息はしているはずだが、動かないので気絶している様だ。

「ヒール」

女性に向かって、ヒールを唱えると、腹部を白い光が包んだ。

出血は止まっただろうか?離れているのでよく解らない。

女性と俺の間に、大きなウサギさんが入りこんで来た。

早く助けないと死んでしまう……早く助けないと!

心臓がバクバクと早くなり、自然と無表情になり目を細めた。

「邪魔だ…悪いが、消えてくれ。」

鞘から刀を抜きながら言った。

一番簡単な殺し方をすればいい。そう、頭と胴体を切り放せばいい。

近くにいる大きなウサギさんの首を撥ねる。

散々クマさんで慣れているから、普通に首を狙う事が出来る。

首を跳ね飛ばした大きなウサギさんの体を踏み台にして、女性の側にいる大きなウサギさんに向かって跳び、同じように首を撥ねた。

女性の側に着地して、寄って来た正面のウサギの首を撥ね、左から来たウサギを殴り飛ばし、右から来たウサギを右肩から左わき腹に向けて刀を振り降ろして倒し、振り返りながら刀を横に振り胴体を切断した。

女性の周りを回りながら、寄ってくるウサギを片っ端から斬り捨てた。

少し疲れたが、集まって来ていた大きなウサギさんは片付いた。

辺り一面が、ウサギの血で真っ赤に染まっている。

当然、俺も女性もウサギの血を浴びていて、赤く染まっている。

刀を鞘に納めて、女性の側に膝を着いて、腹部を触って傷の確認をした。

良かった。傷は塞がってる様だ。次の敵が寄って来る前に街に移動するか。

女性をお姫様抱っこして、落とさないように気を付けながら、全力で走った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ