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説明書を読みました?

治安部隊の人達に、今まであった事を話した。

初日に罠に掛かって、モンスターに追われ、森の中で迷子になっていた事だ。

マルスさんに、武器屋の位置を聞かれたので答えた。

「…ああ、その武器屋ですか。」

マルスさんは、納得したように頷きながら言った。

俺が首を傾げていると、マルスさんはくすっと笑った。

「その武器屋なんですがね。店主が凄い人で、店が潰れてしまったんです。」

「そ、そうなんですか…。お礼を言いたかったんですが…。」

俺はがっくりと俯いて言った。

きっと、武器を安く売りすぎて店が回らなくなってしまったんだろう。悪い事をしてしまった。

「大丈夫ですよ。今は、冒険者として頑張ってますよ。」

「あ、そうなんですか。良かった。」

マルスさんの言葉を聞いて、ほっとして言った。

すると、一緒の部屋にいる四人のまなざしが、生暖かい物に変わった。

「よければ、私の知り合いのお店を紹介しますよ?どうです?」

俺が首を傾げていると、マルスさんが笑顔で言ってきた。

「有難うございます。お願いします。」

「いえ、いいんですよ。お客が来ないと嘆いてましたから。」

お礼を言うと、マルスさんは手を横に振りながら言った。

「……何で、俺のステータスって、力と体力ばっかりあがるんですかね。」

今朝パンをくれた剣士さんが、ため息交じりに呟いた。

「剣士だからですよ?剣士は、力と体力にボーナス付いてますから。」

俺が答えると、四人が一斉に俺の顔を見てきた。

「ステータスの上がり方を、知っているのか?」

パンをくれた剣士さんが、立ち上がりながら聞いてきた。

「え?説明書に書いてありましたよ?」

俺は少し驚きながら言った。

「教えてくれるか!?」

「は、はい。覚えている所までなら…。」

俺は説明書に書かれていた内容を話し始める。


まずキャラ作成時に、60ポイントを好きにステータスに振り分けられる。

レベルアップの度に、ランダムで各種ステータスが1~3アップする。

ステータスのアップは完全に運任せだ。

剣士、魔法使い、僧侶、それぞれにボーナスがあり、これは確実に上がる。

剣士だと力と体力に+1、魔法使いだと賢さに+2、僧侶だと防御と賢さに+1。

魔法使いと僧侶は魔法を使えるが、剣士は魔法が使えない。

魔法は使えないが、剣士は特技があり、二次職もある。

二次職は、パワー型の重戦士、ディフェンス型の聖騎士、スピード型の暗殺者だ。

重戦士は力が+2、聖騎士は体力と防御が+1、暗殺者は体力と速さに+1。

二次職に上がるには、レベル20になっていて【プラディエル】の教会に行く必要がある。

武器の装備は自由だが、武器に付いているボーナスが変わるので注意が必要だ。


「……と説明書に書かれてましたよ。」

「二次職があるのか。レベル20……か。」

剣士さんがぶつぶつと独り言を言いだした。

「成程な。攻撃型、防御型、速度型が選べるようになってるのか。」

ガイアスさんが頷きながら言った。

「レベルが20に成り次第、【プラディエル】に行けるようにしておきましょう。」

マルスさんの言葉に、三人が頷いた。


「では、そろそろ行きましょうか。」

マルスさんが立ち上がりながら言ってきた。

「あ、はい。お世話になりました。」

座っている三人に頭を下げて言った。

「寄り道の必要が無いから、行かなくていいだろ?」

「ええ、そうですね。」

ガイアスさんが聞き、マルスさんが答えた。

「といれっとぺーぱー、ちょっと待て。」

そう言って、ガイアスさんがフレンド申請を送ってくれた。

「え?」

「何か困ったら連絡しろ。いいな?」

「ありがとうございます。」

俺はお礼を言いながら、フレンド登録をした。

フレンド登録は、受け取った相手が登録すると送った相手にも登録される。

片方が一方的に貰う事は出来ないようになっている。

困ったら連絡しろって、ガイアスさんは良い人だな。


この後、マルスさんに案内されて、裏路地にある店を紹介してもらった。

店長さんは、緑色の長い髪と瞳を持つ女性で【リリア】と自己紹介してくれた。

マルスさんは、リリアさんに俺を紹介すると宜しくと言って帰って行った。

帰る前にマルスさんが、フレンド登録をしてくれた。

違う店で買い物する時は呼んで下さいって言っていたが、何でだろう?

説明を書くのに時間が掛かりました。書いてる途中で剣士の特技要らなくね?って思ってしまいました。でも、MPあるからやっぱり要るか。と思って落ち込みました。

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