表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

神の計画シリーズ

血の契り

作者: 尚文産商堂

ある組織に伝えられている本には、こう書かれている。

「我が力を望む者は、我が望みを叶えよ」

別名、血の契りとして知られているその方法は、その文章に続いて、どうすべきなのかを書かれていた。


必要な物は、唐辛子、新鮮な卵二つ、清酒1.8リットル、そして自らの血。

あとは魔方陣と、依り代となる人が必要となるそうだ。

特に細かく書かれているのは、血と卵と依り代で、卵は産んでから24時間いないの有精卵、血は力を望む者が、最後に注ぎ入れること。

依り代は死体でもいいが、できれば死亡直後、悪くても24時間以内に死んだ者の限る。

さらに20から25の処女でなければならないとも書かれていた。

血についても、死者と同じ血液型であることがいいとある。

私は、それらの材料を集めることにした。


卵と唐辛子については、すぐに手に入った。

また魔方陣を書くスペースも、自室に確保することができた。

清酒はチョットずつ、父親が持っている酒瓶からもらうことで、どうにかなった。

一番の問題は死体だ。


墓場に行き、組織の者に手伝ってもらい、当然力の者を呼び出すことは黙っておいて、掘り出すことに成功した。


準備は整った。


魔方陣を書き上げて、月と太陽が交わる瞬間を待つ。

つまり、日食だ。

死んでから13時間後に日食が来ることになっているため、その間にすべてに準備を整える。

清酒で死体を清め、残ったものを私がすべてかぶる。

次に唐辛子の実を、へその上に置く。

卵は溶いて、コシもしっかりと切り、死体へとかける。

その体を魔方陣の中央に安置し、私はそのすぐ外で呪文を唱える。


徐々に窓の外が薄暗くなってきた。

日食が始まった。

私は呪文のスピードを早め、自分でも何を言っているかわからなくなってきた。


外から歓声が聞こえて来る。

皆既食が始まったのだ。

いよいよ、クライマックスを迎える。


急に明るくなったと思うと、電球がきれる瞬間のように、一瞬だけ光が弾けた。

死体がゆっくりと動き出していた。

「我が力を欲しているのは、お前か」

私はその声に聞き覚えがあった。

「私です」

「ならば血を与えよ。さすれば、我が力を与えよう」

最後の段階だ。

私は、右手人差し指に針をさし、死体に私の血をふりかける。

「おお、久しぶりや。ここまできた者は」

死体は立ち上がり、私を見た。

「契約は済んだ。お主に我が全ての力を与えよう。お主の体では耐えきれぬだろうから、こやつの体を使いて与えよう」

そう言って、その者は、私に跪いて告げた。

「我が主よ、主にすべてを委ねよう」

この時、ようやく私たちは契約を結んだ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ