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盤上に咲く幼竜  作者: ぬっく~


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第六話 神童の片鱗

子どもというのは、思っている以上によく見られている。


大人は油断している。

 まだ小さいから分からないだろう。言葉が足りないから気づかないだろう。多少の会話や表情の揺れは、子どもの意識の外へ滑っていくはずだ――そういう前提で接している。


だが実際には、子どもは驚くほど多くのものを拾っている。

 意味のすべては理解できなくても、空気の変化、声の温度、視線の交わり方、沈黙の長さ。そういうものを敏感に吸い込む。


まして中身が私のような人間なら、なおさらだ。


教室に通い始めてしばらく経ったある夜、私は寝たふりをしながらリビングの会話を聞いていた。


「……やっぱり、ちょっと普通じゃないよね」  母の声だった。小さいが、はっきりしている。 「うん」  父も珍しくすぐには笑わなかった。 「良くない意味じゃないの。むしろすごいと思う。でも、あんなに覚えるの早いとは思ってなかった」 「俺も」 「先生も、ちょっと驚いてたでしょ」 「驚いてた。でも、すごく気を遣って言葉選んでくれてた感じもした」


私は布団の中で目を閉じたまま、呼吸を浅く整える。


来たか、と思う。


いつかは来る話だった。

 将棋への食いつき。駒の名前の覚え方。詰みの見え方。教室での落ち着き。

 いずれどこかで、「この子は少し違う」という認識に両親が触れるのは避けられない。


「でもさ」  父が言った。 「無理やり何かさせるのは違うよな」 「それはそう」 「好きなら続ければいいし、途中で嫌になったらやめてもいいし」 「うん」 「……ただ、もし本当に向いてるなら、ちゃんとやらせてあげたいとも思う」


母はしばらく黙っていた。


その沈黙の意味を、私は何となく理解してしまう。

 親というものは、子どもの可能性が見え始めるほど怖くなるのだろう。

 何もないより、何かある方が怖い。

 期待してしまうから。

 支えてやりたいと思うから。

 その分、折れたときの痛みまで想像してしまうから。


「私ね」  やがて母が言った。 「しおりが将棋好きなのは、すごくいいと思ってる」 「うん」 「でも、勝ち負けだけの世界になるのは、まだ怖い」 「……うん」 「今は楽しい、でいてほしいの」


私は胸の奥に、細い針が刺さるような感覚を覚えた。


楽しいでいてほしい。


それは、きっと正しい願いだ。

 将棋は本来、楽しいものでもある。盤の上に無限の可能性があり、一手の工夫で景色が変わり、読みがぴたりと嵌まった時には心が震える。

 前世の私だって、最初はきっとそうだったはずだ。


だが、強くなればなるほど、その楽しさだけでは済まなくなる。

 勝ちたい。負けたくない。結果が欲しい。認められたい。守りたい。奪いたい。

 そういうものが将棋へ混ざり始める。


それを私は知っている。

 知っているからこそ、母の願いが痛いほど分かる。


でも――。


私は布団の中で、そっと拳を握った。


楽しいだけでは終われない。

 私は竜王になる。

 今度こそ、時代に負けずに。


その決意は、家族の優しさとは別の場所にある。

 けれど別だからといって、相反すると決めつけるつもりはなかった。

 両立できるかもしれない。

 少なくとも、その可能性を最初から捨てる気はない。


◇


教室での私は、少しずつ立ち位置を変え始めていた。


最初は「将棋に興味のある幼児」だった。

 次に「駒の動きをよく覚える子」になった。

 そこから「王手や詰みの感覚が早い子」になり、やがて「年上相手でも案外負けない子」へ変わりつつある。


この変化は、思ったより早かった。


私は意図的に加減している。

 全部を見せる気はない。

 全部を見せれば、たしかに教室内で一気に注目されるだろう。だがその先にあるのは、穏やかな日常ではなく“特別な子”として扱われる窮屈さだ。


だから抑える。

 抑えながらも、勝つ。

 抑えながらも、妙な強さだけは隠しきれない。


その綱渡りが、じわじわと難しくなっていた。


「しおりちゃん、今日はこれやってみようか」


女性の先生が見せたのは、一手詰めではなく三手詰めの問題だった。

 王の逃げ道を塞ぎ、受けを一枚剥がして、最後に詰ませる。

 子ども向けとしては少しだけ難しい。


私は問題図を見た瞬間、答えが見えた。

 見えたが、すぐには動かない。

 ここで即答するのは速すぎる。


盤面へ視線を落とし、唇を少し尖らせ、いかにも幼児らしく「うーん」と考えるふりをする。

 数秒。

 あと数秒。

 そして私は、最初の王手を指した。


「お、いいね」  先生が言う。 「その次は?」


私は相手玉の逃げ道と受け駒の位置を見ながら、今度はもう少しだけ長く間を置いた。

 正確には、置いたふりをした。

 それから銀を捨てる手を指す。


先生の目が少しだけ見開かれた。


「……そう来るかあ」


その声に、私は内心でわずかに肩をすくめた。

 捨て駒の感覚は、この年齢ではさすがに早すぎたかもしれない。

 だが詰みというものは、駒得で終わる世界ではない。王を詰ませるためなら、駒を捨てることも厭わない。その感覚は前世の私に深く染みついている。


「それで、最後は?」  先生が穏やかに聞く。


私は金を打った。

 詰み。


しばらく沈黙が落ちた。


教室の空気が凍ったわけではない。

 ただ、近くにいた何人かの子どもと、後ろで見ていた保護者が「今のは何だったんだろう」という顔をしただけだ。

 父に至っては、誇らしさと戸惑いが半々の顔になっている。


「しおりちゃん」  先生が、少しだけ慎重に言った。 「この手、どこで思いついたの?」


これは危うい問いだった。

 “思いついた”ではなく、“知っていた”に近いからだ。


私は一瞬だけ考え、それから駒をひとつひとつ指差した。


「にげる」  玉の逃げ道。 「だめにする」  逃げ道を塞ぐ銀。 「つかまえる」  最後の金。


言葉としては幼い。

 けれど意味は通る。


先生は数秒だけ私を見て、それからふっと笑った。


「そっか。えらいね。ちゃんと最後まで見てたんだ」


その言い方に、私は少し救われた。

 問い詰めるのではなく、分かる形へ翻訳してくれる。

 やはりこの先生は信用できる。


ただし、もう一人の男性講師は少し違った。

 その人は盤を覗き込み、顎に手を当てながら言う。


「これ、誰か家で教えてる?」 「えっ?」  父が間の抜けた声を出した。 「いや、僕はルールくらいしか……」 「そうですか」 「本はちょっとありますけど」 「なるほど」


なるほど、ではない。

 その人は明らかに何かを測っている。


まあ、当然だろう。

 三手詰めの筋を、まだまともに字も読めない年齢の子どもが、銀捨て込みで見せれば目立つ。

 しかもそれが偶然ではなく、何度か繰り返されればなおさらだ。


私は盤の上の駒を見つめながら、少しだけ呼吸を深くした。

 この先は、隠すより調整だ。

 不自然に鈍くなるのではなく、「この子は終盤感覚が早い」という範囲に納める。


まだいける。

 まだその範囲だ。


◇


その日の帰り道、父は珍しく口数が少なかった。


母もすぐには何も聞かない。

 商店街の雑踏の中を、三人で歩く。私は父の手を握り、母が反対側を歩いている。


父の手は、少し汗ばんでいた。


緊張しているのだろう。

 娘が褒められて嬉しい気持ちと、褒められ方が予想以上だった戸惑いと、その両方。


「しおり」  家に着く手前で、父がふいに言った。 「楽しかった?」 「……うん」 「そっか」


それだけだった。


細かいことを聞かない。

 将棋の内容を無理に解説させようとしない。

 ただ、楽しかったかどうかだけを確認する。


私はその優しさに、また少し胸を刺された。


前世なら、こういう問いを軽く扱っていたかもしれない。

 楽しいかどうかではなく、勝ったかどうか、何が見えたか、次はどうするか。

 そういうことばかりを重要視していた。

 だが、人が長く続けるには「楽しかったか」が本当は要るのだろう。


私は小さく頷き直した。


「たのしい」


それは嘘ではなかった。

 苦しいところもある。怖いところもある。自分の古さが見えるたびに、喉元が冷える。

 それでも、将棋は楽しい。


だから私はまだ、前へ進める。


◇


数日後、教室で小さな出来事があった。


翔太が泣いたのだ。


相手は小学校高学年の少年で、級も一つ二つ上らしい。

 内容は私には見えていなかったが、終わったあと、翔太は盤の前で俯いたまま動かなかった。先生に促されて「ありがとうございました」とは言ったものの、その声は震えていた。


やがて部屋の隅へ行き、ぐしぐしと目を擦る。

 周囲の子どもたちは、ちらちら見るが、誰も不用意には近づかない。

 将棋教室という場所では、涙は珍しくない。

 そして珍しくないからこそ、下手に構われると余計つらいこともある。


私は少し離れた席から、その様子を見ていた。


負けて泣く。

 自然なことだ。

 むしろ、ちゃんと悔しがれるのは強さの素質ですらある。


前世の私は、いつから泣かなくなっただろう。

 たぶん、かなり早い段階で「泣くのは格好悪い」と覚えてしまった。負けても平然としている方が強く見える、と。

 けれどそれは半分だけ正しい。

 本当に強い人間は、泣かないのではない。悔しさを消さずに次へ持っていける。


翔太の涙は、見苦しくなかった。

 ただまっすぐだった。


先生は少し距離を置いて見守っていたが、私の方へ来てこう言った。


「しおりちゃん、今日の詰み、もう一回やる?」 「……うん」


私は頷いたが、意識の端は翔太の方へ残っていた。


次の問題を解きながらも、考える。

 負けないと決めている私には、ああいう涙はしばらく縁がない。

 けれどだからといって、悔しさまで忘れていいわけではない。


むしろ、前世で味わった負けの記憶を忘れない方がいい。

 あの痛みを知っているからこそ、私は一局一局で油断せずにいられる。

 無敗で進むと決めたなら、なおさらだ。

 勝ち続ける者ほど、負けの痛みを知識として抱えていなければならない。


教室の終わり際、翔太はようやく泣き止んでいた。

 だが顔はまだ赤い。先生が軽く肩を叩き、「次はもっと良くなるよ」と言う。

 翔太は唇を噛み、黙って頷いた。


その姿を見て、私はふいに席を立った。


我ながら珍しい行動だった。

 私は基本的に、自分から誰かへ近づくタイプではない。前世でもそれは変わらなかった。

 だがこの時だけは、なぜか足が動いた。


翔太の前まで行き、少し見上げる。

 彼は泣き腫らした目で私を見る。


「……なに」  ぶっきらぼうに言う。


私は少しだけ考えてから、自分のリュックから教室でもらった一手詰めプリントを引っ張り出し、その端を指でとんと叩いた。


「つぎ」 「は?」 「つぎ、かつ」


それだけ言って、私はくるりと背を向けた。


後ろで何秒か沈黙があり、それから小さく「……うん」と聞こえた。


先生が驚いたような顔をしている。

 父も母も目を丸くしていた。


やってしまったか、と一瞬だけ思う。

 だが、後悔はなかった。


次、勝つ。

 それは他人に向けた慰めではなく、本来なら自分に向ける種類の言葉だ。

 私はそれを、泣いた相手へ投げた。


少し偉そうだったかもしれない。

 少し老成しすぎていたかもしれない。

 でも、間違ってはいないと思った。


◇


帰宅後、母は夕食の支度をしながらぽつりと言った。


「今日、翔太くんに声かけたでしょ」 「……うん」 「びっくりした」 「俺も」  父が言う。 「しおり、ああいうこと言うんだな」 「つぎ、かつ」  母が真似する。 「なんか格好よかったけど」


父は少し照れくさそうに笑った。

 私はスプーンを持ったまま俯く。


格好いいつもりで言ったわけではない。

 ただ、本当にそれしかないと思っただけだ。

 負けて泣くこと自体は悪くない。だが将棋は、泣いたところで盤を戻してくれない。

 次に勝つしかない。


それは残酷だ。

 でも、だからこそ真実でもある。


「しおりってさ」  父がぽつりと言う。 「たまに、すごく大人みたいな顔するよな」 「またそういうこと言う」  母は軽くたしなめたが、声色は半分同意していた。


私は内心でぎくりとする。

 気をつけているつもりでも、ふとした瞬間に出るのだろう。

 前世の名残り。

 勝負を知りすぎた目。


けれど、完全には消せない。

 消すつもりもない。

 それが私の核だからだ。


「でも、優しかったと思うよ」  母が言う。 「優しい、かな」 「だって、悔しいの分かるってことでしょ」 「まあ……そうかも」 「しおり、悔しいの分かる?」  父が聞く。


私は顔を上げた。


分かる。

 誰よりも分かる。

 奪われる悔しさ。届かない悔しさ。時代に遅れる悔しさ。もう一手届かなかった悔しさ。

 盤上で生きてきた時間のぶんだけ、私はそれを知っている。


でももちろん、そんなふうには言えない。


「……きらい」  私は短く答えた。 「負けるの?」 「うん」 「そっか」  父が笑う。 「パパも嫌いだよ」


その言い方が、少しおかしくて、私は思わず笑ってしまった。

 母もつられて笑う。


負けるのが嫌い。

 こんな単純な言葉に戻せば、勝負の世界も少しだけやわらかく見える。


◇


それから数週間、私は教室で少しずつ“厄介な子”になっていった。


悪い意味ではない。

 先生たちにとって、扱いが難しいという意味だ。


駒の動きはもう安定している。

 礼もできる。

 集中力も長い。

 詰みの筋は妙に早い。

 年上相手でも、簡単には崩れない。


しかも、変なところで子どもっぽい。

 褒められれば嬉しそうにするし、好きな駒を触らせてもらえば目を輝かせる。父が迎えに来れば走っていくし、母の膝には普通に座る。

 なのに盤の前では時々、年齢不相応なくらい静かで、深い顔をする。


先生たちは、そのちぐはぐさに戸惑っているようだった。


「しおりちゃんって、不思議だよね」  女性の先生が、父に苦笑まじりで言ったことがある。 「すみません」  父はなぜか謝っていた。 「いや、謝ることじゃないです」 「ですよね?」 「もちろんです。ただ……」 「ただ?」 「将棋を怖がらないんですよね。この年齢の子にしては、妙なくらい」


その言葉を聞いて、私は少しだけ目を伏せた。


怖がらない、か。


正確には違う。

 私は将棋を怖がらないのではない。

 怖いことを、もう知っているのだ。


将棋がどれほど人を追い詰めるか。

 どれほど心を削るか。

 どれほど残酷に“次はない”と告げるか。


その怖さを知っているから、表面の駒のぶつかり合いくらいでは怯まない。

 もっと深いところにある恐ろしさを、私はすでに味わってしまっている。


だが同時に、将棋が与えてくれる震えも知っている。

 読みが通る喜び。

 終盤で相手の息を止める一手。

 盤の向こうと心が噛み合う瞬間。

 それを知っているから、私はまたここへ戻ってきた。


だから、怖くてもやめない。


◇


教室の終わり際、男性講師が父母へ声をかけた。


「もしよければなんですが」 「はい?」 「来月、子どもの小さな大会があるんです。初心者向けの部もありますし、教室から何人か出る予定で」 「大会?」  父が目を丸くする。 「まだ早いですかね」  母が慎重に言う。 「無理にとは言いません。ただ、しおりちゃんは教室の場だけだと、ちょっと収まらない感じもあるので」 「収まらない」  父がその言葉を繰り返す。 「もちろん勝ち負けが全てじゃないです。でも、外の空気を見てみるのは悪くないかなと」


私はその会話を、静かに聞いていた。


来た。


初めての大会。

 まだ本格的なものではないにせよ、教室の外へ出る。知らない相手と盤を挟む。家族と先生以外の視線の中で指す。


胸の奥で、熱と冷たさが同時に広がった。


ついに始まる。

 家の中の将棋でも、教室の中の将棋でもない場所が。


「どうする?」  帰り道、母が聞いた。 「出てみる?」  父が私を見る。


私は少しだけ黙った。


出たい。

 当然、出たい。

 勝つつもりだ。

 いや、勝つ。


けれど、その答えを勢いよく返すのは危うい。

 幼い子どもが大会の意味をどれほど理解しているかは曖昧であるべきだ。


「……しょうぎ、いっぱい?」  私は逆に尋ねた。 「いっぱいだね」  父が笑う。 「いろんな子がいるよ」  母が補う。


私は小さく頷く。


「いく」


その一言で、父の顔が輝いた。

 母はまだ少しだけ不安そうだったが、最後には頷く。


「じゃあ、見てみようか」 「うん」 「でも、無理はしないこと」 「うん」 「疲れたらすぐ言うんだよ」 「うん」


私は素直に返事をしながら、胸の内では別の誓いを立てていた。


無理はする。

 疲れても指す。

 そして勝つ。


もちろん、家族へそんなことは言わない。

 今の私はまだ、守られる側の子どもでいればいい。


だが盤の前に座れば話は別だ。

 そこでは年齢も、見た目も、事情も関係ない。

 指した手だけが残る。


◇


その夜、私はいつもより長く目を閉じていた。


頭の中に、いくつもの盤が並ぶ。

 教室の問題図。

 翔太の涙。

 男性講師の視線。

 父と母の戸惑い。

 そして「大会」という言葉。


まだ名前も知らない誰かと、私は近いうちに初めて当たる。

 おそらく年上。

 おそらく私を見て油断する。

 あるいは、妙に警戒する。

 どちらでもいい。


問題はそこではない。

 問題は、私がどこまで“今の自分”で勝てるかだ。


前世の感覚に頼りすぎれば古さが出る。

 子どもらしさを演じすぎれば手が鈍る。

 その間で、最善を選び続ける。


難しい。

 だが、それこそが私の二度目の将棋だ。


ただ前世をなぞるのではない。

 ただ天才幼女として持ち上げられるのでもない。

 家族の温かさを知り、時代の速さを知り、負けの痛みを知っている者として、新しい将棋を作る。


私は布団の中で、小さく手を握る。


神童。

 もし誰かがそう呼ぶなら、好きに呼べばいい。


だが本当は違う。

 私は何も知らない子どもではない。

 盤の残酷さも、栄光の軽さも、時代に遅れる怖さも知っている。

 その全部を抱えたまま、もう一度最初から歩いているだけだ。


ただ、その歩みが少し速い。

 少し深い。

 少しだけ、他の子と違って見える。


それだけだ。


天井の向こうに見えない九×九を思い描きながら、私は静かに目を閉じた。


次は大会。

 次はもっと外。

 次は、きっと本当に「勝負」だ。


そして私は、その最初の一局から負けない。


誰にも聞こえない誓いが、夜の中で細く、しかし確かな熱を帯びていた。

### あとがき


ここまでお読みいただき、本当にありがとうございます。


少しでも「面白かった」「続きが気になる」と思っていただけましたら、**お気に入り登録**や**評価**をしていただけると、とても励みになります。


また、作品への**感想やコメント**も大歓迎です。

「ここが好きだった」「このキャラが気になる」など、どんな一言でもいただけると嬉しいです。


いただいた反応を励みに、これからも楽しんでいただける物語を書いていきたいと思います。


それでは、次のお話でもお会いできれば嬉しいです。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!


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