side:イラク
俺の名前はイラク。ウルの街でB級冒険者として活動している。
普段通り、ギルドで依頼を受けようとしたら指名以来が入った。
亡者の洞窟でイレギュラーが発生した可能性があるらしいので亡者の洞窟の調査だ。
亡者の洞窟に出てくる魔物はほとんどがアンデット系なので儲けが少なく聖職者見習いくらいしか潜らないと聞いているが・・・もしも本当にイレギュラーの場合、『スタンピード』が起きた時の被害は想像できない。
アンデット系の攻撃には軒並み毒がある。攻撃を受ければ毒になり、死体を放置すれば疫病の原因になる。さらに亡者の洞窟から1番近いのはウルの街なのでその被害は尋常じゃないだろう。
すぐに依頼を受けると教会から聖職者コフィンが来てくれた。白髪の生えている老体だが『スタンピード』の時に前線で自分を回復しながら戦う狂人なので実力は知っている。さらにパーティメンバーのサラがいる。サラは火属性魔法の使い手だ。ゾンビが大群で来ても広範囲に焼き払える。
今回コフィンに話を聞いたところ、司祭見習いも行方不明になっているらしく恐らく既に命を引き取っているとみて間違いないそうだ。
本来ならしないが今回はアンデット系のダンジョンということもあり剣に祈りを込めてもらっている。
これで準備も終わり亡者の洞窟に入った。
入った瞬間、異変を目にした。
そこら中に落ちているドロップ品の数々。
明らかにナニかが魔物を殺して回っていたのだ。
亡者の洞窟は全5階層の低層ダンジョンだ。
「これは・・・」
コフィンも異様な雰囲気を察したようだ。
イレギュラーだとしてもせいぜいがC級程度だと思っていた。強くても亡者の洞窟のボス程度だと・・・。
「気を引き締めていこう」
「「了解」」
しかし、私たちの考えは浅はかだった。この時点で撤退していれば・・・何度そう思ったことか。
「・・・何事もなくボス部屋についたな」
「何も無さすぎる。明らかに異変よ」
「とりあえずボスが健在なのかだけでも確認するべきだな」
ボス部屋に入るとそこにはジャイアントゾンビ・・・がいなかった。
「っ!?」
「どういうこと??なんでボスがいないの?」
「まずいな・・・すぐに街にもどるぞ!」
コフィンが1人、慌てた様子でいる。
「ねぇ、どういうこと?」
「・・・ボスがいないということは誰かに倒されているということだ。これまでの道中の魔石を見るにイレギュラー個体がいるのは確実・・・そいつは既にジャイアントゾンビを倒せるほどの実力を持っている」
「え?え?」
「今すぐ帰って防衛戦線を作るべきだ。これは俺たちじゃ解決できない」
そう言って撤退しようとしたその時。
「「「っ!!」」」
濃密な死の気配。
ボス部屋の奥・・・宝物殿から現れた。
黒いスケルトン。
カタカタカタカタカタ
主のいないボス部屋に骨のなる音が響いた。




