すけるとんはしんかした!
司祭見習いを殺したあと、変異したスケルトン・・・すけるとんはダンジョン内を探索し始めた。否、探索とも言えない。ただただ歩み始めた。
カタ
カタ
カタ
何も無いダンジョン。そこにすけるとんの足音だけが響き渡る。
カタカタ
ズッ
カタカタ
ズズッ
何かを引きずる音が聞こえる。
すけるとんは音鳴る方向を警戒し始める。
現れたのはアンデット系ゾンビ種のゾンビ。本来なら同じダンジョン内の魔物で友好的な存在。
しかしそれは普通ならば。
すけるとんは生まれる時に聖魔法を受け、無理やり肉体を構築したことから簡単に言うとバグってしまっている。そしてそれはダンジョンの縛りから解放されているということになる。
「ぐぁ?」
ゾンビがすけるとんに気がつく。しかしもう遅い。距離を詰めていたすけるとんは魔力強化を施した腕を容赦なく振るった。
バァン!
破裂音とともにゾンビが肉片になる。
ここでゾンビの特殊能力をお伝えしよう。ゾンビは基本的に目も耳も弱化しており、2m程しか見聞きできない。そんなゾンビだと味方どうしで殺しあってしまうため『知覚(弱)』というスキルと『呼ぶ』というスキルがある。
『知覚(弱)』は周囲一体の敵と味方を認識できるスキルで『呼ぶ』はその名の通り味方を呼ぶことが出来る。これになんの意味があるのか?ゾンビは殺された瞬間、周囲の味方を『呼ぶ』。味方は『知覚(弱)』で感じ取って集まってくる。一瞬でゾンビパレードの完成だ。
「「ヴァァァァ」」
本来なら『呼ぶ』をさせないように燃やすか聖魔法で浄化するのだが・・・ゾンビは既に大量の味方を呼んでしまっている。本来ならここで多数のゾンビに攻撃されて命を落とす。
しかし、すけるとんは違う。
ゾンビに攻撃されても血が出ない。多少の傷はつくが魔力強化でほぼ無傷となる。
カタカタカタカタカタ!!
骨を鳴らす。よく分かってないが敵が近づいてくることを理解する。
拳だけでなく体全体に魔力を行き渡るようにして魔力強化を行う。
カタカタカタカタカタ!!
再び骨を鳴らすとゾンビの群れが襲いかかってきた。
殴る。ちぎる。貫く。
どんどん近づいてくるゾンビを狩り続ける。
ブワァ!
何体ものゾンビを狩り続けていたその時、不意にすけるとんの魔力が上昇する。
今までにない全能感。
すけるとんはスケルトンからスケルトン・ウォーリアーにしんかした!
魔物の進化は稀である。本来なら魔力を蓄えて進化する。今回、進化したのはゾンビを殺して魔力を奪ったからだ。簡単に言うと人間族のレベルアップに近い。元がイレギュラーとは言えスケルトンだったのですぐに進化したのだ。
魔力強化を行っている時の消費魔力の減少が今回の進化で得られた。よく分からない人に説明すると今まで+1の強化を100秒すると100の魔力を消費していたがこれが今回の進化で消費魔力が50になった。これによって更に脳筋度が増した。さらに、消費について説明したがすけるとんにそんな脳みそはない。
敵がいる限り、魔力を使い強化して殴る。それがいまのすけるとん。
一撃で10以上のゾンビが吹き飛ぶ。
数分もすればゾンビも現れなくなった。
今のすけるとんに知能はない。ただ目の前の敵を殺すだけの殺戮兵器だ。そんなすけるとんは次なる獲物を求めて先に進む。
しかしここはダンジョンと言っても危険度がとても低いダンジョンだ。すぐに『扉』間でたどり着く。
扉を押すと中にいる『モノ』が見えた。
「ばぁぁぁぁぁぁ」
見るからに巨体。しかしその肉は腐り落ちていて、地面に落ちる度にガスのような何かを吹き出している。
巨体の名はジャイアントゾンビ。近接戦闘を得意とするゾンビだがほかのゾンビと違い肉片から毒ガスが出る。即死する訳では無いが麻痺毒のように段々と体の自由が聞かなくなる近接殺しのゾンビだ。
カタカタ
すけるとんが歩き出す。
体格差は3倍以上。普通なら勝てない。普通なら。
「ばぁぁぁぁぁぁ!!」
すけるとんにガスは効かない。呼吸器がないから。
すけるとんの拳は腐肉など拳圧だけで吹き飛ぶ。
そしてそれをすけるとんは理解できない。
すけるとんは自身の魔力の半分以上を込めた拳を振るう。
バァァァン!!!
すけるとんに力加減なんて概念な無い。
結果・・・
ジャイアントゾンビは肉片となり、壁のシミになった。
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パッシブスキル『身体強化』を獲得
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世界の声が響く。ダンジョンはボスを討伐するとスキルを得られる。本来なら外れスキルと言われる『身体強化』だがすけるとんにとっては好都合。さらに脳筋度があがった。
カタカタカタカタカタ
現れた次の階層への階段をすけるとんは降りていった。




