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Refream  作者: ria
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1章 偶然の出会い

書き溜めしていたものを出して行きます!

気になれば読んでみてください!


秋の夕暮れ、町の小さな商店街には、柔らかいオレンジ色の光が街路樹の葉を照らしていた。駅から少し離れた通りを歩く僕――松田は、久しぶりに静かな休日を楽しんでいた。大学を卒業してから数年、仕事と家のことに追われ、学生時代の友人たちと会う機会はほとんどなかった。特に最近は、母の病気があり、自由に動ける時間も限られていた。

「あ、そういえば……カフェに寄ろうかな」ふと思い立ち、角を曲がろうとしたその瞬間だった。

「……あれ?」

前方から歩いてくる人影に、なぜか見覚えがあった。少し間を置いて目が合った瞬間、胸が軽く跳ねた。

「……松田?」

振り向いたその人物は、まさしく大学時代の相棒、佐藤だった。背筋は変わらずまっすぐで、少し日焼けした顔には昔と同じ笑みが浮かんでいた。

「……え、俺?」佐藤も驚いた顔で僕を見つめる。お互いに、何度も目をこすったり、二度見したりして、現実を確認するように立ち止まった。

「いや、松田だよね? 本当に久しぶりだな!」「佐藤……久しぶりだな!」

二人は自然と笑い、数歩歩み寄った。まるで時間が一瞬止まったかのような、不思議な感覚だった。大学を卒業してから、それぞれの道を歩んできたけれど、こうして突然再会するとは思ってもいなかった。

「どれくらいぶりだろう……卒業してから……えっと、三年?」「そうだな、三年か。あの頃は毎日のように顔合わせてたのに、今じゃ……」

佐藤の声には懐かしさとともに少しの寂しさが混じっていた。僕も同じ気持ちだった。そして、胸の奥に小さな重みがあった――母のことだ。起業の夢はまだ心にあるけれど、母の病気のせいで踏み切れずにいる自分への焦りと罪悪感。

「元気そうだな。で、今は何してるんだ?」「俺? まあ……普通に会社員って感じだな」「そうか、俺もだよ。でも最近、少し動き始めててさ……」

その一言で、胸の奥に微かな期待が芽生えた。大学時代の佐藤は、いつも未来を恐れず挑戦する人だった。今、彼が「動き始めた」と言ったことが、まるで自分にも踏み出すきっかけを与えてくれるように思えた。

二人は歩きながら、街路沿いの小さなカフェに入った。外はまだ明るく、通りを行き交う人々のざわめきが心地よく耳に届く。カフェの木製の椅子に腰を下ろすと、昔話が自然に始まった。

「覚えてるか? あの大学の夜、夜食を食べながら将来の会社のこと語ってたやつ」「もちろん覚えてる。あの時は夢だけで、現実なんてまだ何もなかったな」

笑いながらも、僕の心は少し揺れていた。夢はある――でも、母のことを考えると踏み出せない。そんな自分を佐藤に見抜かれたくないという思いもあった。

「よし、次会うときはもっと具体的な話をしよう。俺たち、まだやれるかもしれない」「うん、そうだな……」

窓の外で街路樹の葉が風に揺れる。夕暮れの光が二人を包み込み、未来への小さな希望を静かに照らしていた。

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