第97話:道中大騒ぎのうた
ねえ、皆さん。
これって、お忍びって言われてたわよね?
あたしの勘違いってことは、ないわよね?
集合場所が、城門の外で良かったわよ。
何しろ、例の二人にフリスが加わって、まだ平原に着く前なのに、騒ぎ通しなのよ。
お陰で、平原に向かって、道が分岐するまで、目立ちまくりなのよ。
もう、三人で大声で歌ってるし、大声で喋ってるし。
これだと、ほとんどの旅は、全てがお忍びと言えるわね。
途中の街では、派手に買い食いなさるし……。
(この人、お貴族様だったわよね……?いいのかしら、その辺の露天で買い食いなんかしてて……)
目が点である。
宿での食堂でも、騒ぎ放題だったから、ついに……。
「いい加減にしなさいっ!!周りのお客さんとお店に迷惑でしょうがっ!!楽しむのはいいけれど、節度を守りなさいよっ!!」
「「「!!」」」
やってしまったのよ。
仕方ないわよね。
(あたしのせいじゃないわ、あの三人が悪いのよ)
そんなあたしの態度に流石に三人も
「「「……はあい。ごめんなさい」」」
と、反省したわ。
「おい、フリス。マリネを怒らせると怖いって、マジだったんだな。俺も今実感したぜ」
「はい、私も大変驚きました。以後、細心の注意を致します。万が一の際は、エラブル様を盾と致します」
「おいっ、なに人を盾がわりにしようとしてんだ、カゲウスッ」
「そうでしょ?マリネは、このパーティーのルールなんだ。ちゃんと言うこと聞いてないと、どうなっちゃうか知らないからね」
「わ、分かった。俺は絶対に逆らわねえと誓うぜ」
「私も誓います」
(ねえ、なにやら不穏な方向に話が向いてないかしら?)
ここは、釘を刺しておくしかないわね。
「ねえ、なにやら不愉快な会話が聞こえてきたような気がするのだけれども、気のせいよね?空耳よね?」
「も、もちろんですよっ。マリネさん」
「わわたいたいは、ななにも申しておりません」
エラブル様も、カゲウスさんも、ビビってどもっていらっしゃるみたあね。
「マリネ、僕は無罪だよね?」
……。
「ぜんいん、ギルティーじゃあっ!!なに人をバケモノ扱いしてんだ、こらあっ!!」
「「「ヒィッ!!」」」
三人の顔が青ざめているみたい。
なぜなのかしら?
あたしには、よく分からないわね。
きっと、騒ぎすぎて、誰かに怒られたのね。
そして、そいつがあたしのせいにしたのだわ、きっと。
静かになったテーブルで、あたしは食事に戻ろうとしたのだけれど、それは出来なかったわ。
なにしろ……
「うおお、姉ちゃん。よく言ってくれた!!俺たちは感動したぜ。こいつは、俺の奢りだ。美味い酒だから、楽しんでいってくれよな」
みたいな感謝の挨拶がひっきりなしなの。
お陰で、あたし達のテーブルには、頼んでいない料理や、お酒が並べられたのよ。
みんなに迷惑をかけるなんて、ダメな大人よね(くすっ)




