第7話:馬車に揺られるのうた
呼び出されてギルドに到着したのだが、そのギルドの前で、ギルマスと受付嬢リリアが、にこやかに待っていた。
(おや?危険度レベルマックスよね、これは)
明らかに怪しすぎる状況だった。
メンバーを見やると、一応1人を除いてみな同じようだ。
みなの顔に緊張が見え隠れしている。
ただ1人だけ、フリスだけはにこやかに、ギルマスたちに手まで振っている。
幸せな頭を持っているこの阿呆が、時々妙に羨ましい。
ギルマスが口を開く。
「やっと来たか。これから、ちょいと一緒に来てもらうぞ。さっさとこっちへ来い」
「ギルマス、それじゃ怖くて誰もついて行きませんよ」
リリアが一言フォローし、こちらを向く。
「こんにちは、マリネ。また逢えて嬉しいわ。私たち、やっぱり赤い糸で繋がっているのね」
「いや、明らかにあんたらに呼ばれて来てるんだし、来たくて来たんじゃないし?てか、赤い糸はやめてとあれほど言ってんでしょ!!」
一瞬リリアに期待したが、思い切り空振ってしまった。
(どっちもどっちなのよ、あんたたちは)
声に出さずに、叫ぶ。
なのに、ギルマスに、リリアに、『ギロッ』とされた。
なぜバレた(汗)
ともかく、イヤな予感を伴い、あたしたちまでギルドの前に停車していた馬車に搭乗した。
普通なら「どこに向かってるんですか?」とか、ギルマスに聞くんでしょうけど、あたしは聞きません。
どうせこういう時って、よくても何処かの貴族のお屋敷で、でもきっとそんなこともなく、あれでしょ?
どうせ、王城とかに行っちゃうんでしょ?
そこで聞かされる用件なんて、聞きたくもないわ。
と、思ってるのに、空気を読まないギルマスが
「今から、王城に一緒に行ってもらう。内容はそこで、国王から直接的聞くんだな」
とか、ぶっちゃけてくれちゃった。
聞きたくないって、(心の中で)言ってんのに。
「そうですねえ、わーい。みんな、王城に行けるんだって。よかったね、みんな。嬉しいだでしょ?」
と敢えて周りを巻き込むあたし。
3人のジト目が怖い(汗)
なのに、追加の空気読めない阿呆が
「王城も久しぶりだね。王様も元気かなあ」
とか、とことん呑気だ、と思っていたら.........
「あ、でも、僕なんかが王城に行って、迷惑じゃないかな。王様も僕の相手してるほど暇じゃないだろうし.........。ああ、やっぱり降りる。街に帰らせてください!!」
と、ギルマスに懇願し始めた。
(おいおい、こんな狭いとこでやめてくれよ)
の気持ち虚しく、フリスとギルマスのコントが、馬車の中で王城に到着するまで、続くのだった.........(アーメン)
今回は馬車の中、王城へ向かう途中まででした
ギルマスとフリスのコント、聞いてみたいですか?
まあ、ないとは思いますけど、要望があったら、ねえ(笑)