表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
臆病勇者の憂鬱  作者: さらん
第1部:ケンタウロス生け捕り編
7/13

第6話:マシンガントークのうた


「いやー、さすが王国ナンバーワンの実力を持つと噂の、無名の月さんたちですね。俺たちが、あんなに苦労して、一体も倒せなかったのに、皆さんが来て瞬殺ですもんね」


そう、あたしたちのパーティの名前は、『無名の月』。いつか、無名のパーティから、有名になってやろう、それを目標に掲げた名だ。

その目標は、今やなんとか達成したと言ってもいいんじゃないかな?

あたしは、確信している。


「おい、あたしたちはナンバーワンなんかじゃないよ。勘違いしてるわよ」

「いえ、ギルドにいる冒険者連中の間じゃ、無名の月さんたちが、事実上トップだって噂になってますよ?」

「やめてよ。勇者カスのパーティがトップってことになってるんだから。そんな噂が立っちゃ、面倒なことになる未来しか見えないんだから」


そんな話、まったく知らなかった。

一体、どんな尾ひれがついて、広まってんだ。

とてつもなく大きな不安が襲ってくる。


「いや、そんなのはどうでもいいからさ、何があったかを教えてもらえるかな」

「そうでした。俺たちもあのダンジョンは何回も潜ってて、あんなのが出てきたのは、今回が初めてだったんですよ。潜ってすぐはなんともなかったんですけど、進んでいくうちにゴブリンが少なくなってきて.........。それで、なんか変だなってなって.........。そしたら急にヤツらが、あの超強いモンスター攻撃してきたんですよ。ホント、唐突に」

「攻撃を受けた時、なにか異変は感じなかったの?異常な魔力量を感じたとか」

「俺たちは駆け出しで、まどまだ全員が態度だけ大きい、弱小パーティですよ。そんなの気配だかなんだか知らないっすけど、俺たちの中でそんなの探知できるヤツは居ないですよ」


彼は、一拍おいて続ける。


「あー、でもそういや、あのモンスターが襲ってきたとき、誰だったか、『そこにいるのは誰だっ』とか、叫んでたな」

「そいつは、誰だ!?」

「いやー、声を思い出せないからなあ。みんなが目を覚ませば聞けると思うんだけどなあ.........」

「分かった。その報告はギルドにしてやってくれ。きっと喜ぶ」


あたしたちは、やっとマシンガントークから解放された。

だが、話を聞いていたのは間違いなく、『あたし一人だ』と、断言できる。

他のメンバー全員、5秒で熟睡してたからな。


あたしたちは、ホームに戻ることにした.........、つもりだったのだが、ギルド職員が治療院まであたしたちを呼びに来ていた。


(なんてこった。今度は、なにをやらされるんだろう?)

まったく、イヤな予感しかしない、呼び出しだったわけ。


裏でナンバーワンとウワサされてたんですね、無名の月

すっかり無名ではなくなってました

あなたも、有名になりたいですか?

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ