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臆病勇者の憂鬱  作者: さらん
第7部:湖の主と絶望トラウマ編
66/70

第64話:ジオスライムの恐怖のうた

ユレノの見せ場、第2弾です

お楽しみください(っ'~')っ


アイアンイーターの次に召喚された、それら。

何か、茶色いスライム?がたくさん。


(こ、これは……。これからなにが始まるのかしら?)

流石にあたしも、声が出せないでいた。

辺り周辺が、アイアンスパイダーと、スライムで覆われている。


誰でも、この場から逃げ出したくなるんじゃなかろうか?


(いやなる。ならないはずがない)

あたしは、つい倒置法で突っ込んでしまった。


ところが、このジオスライムとか言うやつ、めっちゃ凄いやつだった。

いや、スライムって奴を、スライム全種族を侮ってました。


(ごめんなさい!!スライムさん達)

思わず心の中で、謝っちゃうわよね。


ジオスライム達がまずやったこと。


「ジオスライムさん、アイアンスパイダーを1箇所に。ジオアースッ!!」


ユレノの合図1つで、ジオスライム達が、何やらプルプル震え出した。

すると、アイアンスパイダー達の動きが止まる……。

そして、アイアンスパイダー達は、あたし達の目の前に、集められた。


「ええええ、なんで、こんなとこに呼び寄せるのよ、ユレノっ!!」


なんとか、突っ込んだあたし以外のメンバーの顔は、蒼白だ。


「これは、ジオスライムの能力の1つで、磁力を操作致しますの。アイアンスパイダーは、鉄で出来てますから、磁力の影響を受けやすいんですのよ。次は、まあ、見ててくださいですの」


なのに、ユレノは(ニッコリ)と笑い、また指示を出す。


「ジオスライムさん、ジオグラビティッ!!」


そのユレノの声に反応するかのように、今度はジオスライムの色か点滅し……。

アイアンスパイダー達の動きが、完全に止まる。

そして……。


「……ギシッ」

「……メシッ」

「ギ、ギ、ギ……」


という鉄の軋む音が響き始める。


「え、まさか……」

「はいですの。ジオグラビティは重力を操作することができますの。重力を操作することで、アイアンスパイダーに数倍の重みを与えているのですの。ジオスライムは、このように、大地の磁力、重力を限定的に操作して、相手の動きを封鎖。そして、相手を圧縮した結果、圧死させることまでできますの。もっとも、アースドラゴンなどのように、大きすぎる相手には、無効なのですけど」


ユレノの、穏やかな笑顔が、逆に怖い。

今までのどんな恐怖にも勝る怖さだ。


アイアンスパイダー達は、どんどんその体躯を低くしていく。

そして遂に、アイアンスパイダーは、元の身長の半分位に縮んだところで、目に宿っていた光を消すことになった。


「ここに居るアイアンスパイダーは、倒しましたの」

「「「「「……」」」」」


ユレノの声だけが木霊したように聞こえた。

あたし達はみな、同じことを考えたに違いない。


(コイツを怒らせるのは、絶対にやめよう。この世を破滅させる)


……。


まだ、アイアンイーターは、アイアンスパイダーを吸収している最中だったが、アイアンスパイダーは、もう動くことはなかった。


僅かに残っていたアイアンスパイダー達も、逃走していた。

そして静かに、夥しい数と数の攻防は終わりを告げた。


あたし達、無名の月のメンバーの心に、しっかりとトラウマを植え付けて……。


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