第63話:アイアンイーターのうた
はい、ユレノの見せ場です
ユレノの戦略をご覧ください(っ'~')っ
はい、なにやら鬱蒼とした森……、、、
のはずなのですが、この功績の樹林とはキラキラとうっすらと光るおかげで、印象ほど暗くない。
むしろ明るい。
「ねえ、これじゃ夜になっても寝られないでしょう!?」
という、あたしの問いかけに
「「「「「いや、全く」」」」」
と、全員から裏切られた。
そう、遂に到着したのだ、アイアンスパイダーの森。
そして、すぐに洗礼を受ける。
数体のスパイダー達。
「早速来たわね。ユレノ、任せていいのよね?」
「いえ、これはモドキですの。普通の蜘蛛なので、お姉様達にお任せ致しますの」
「えええ、なによその、モドキって……」
その答えを聞く前に、戦闘が始まる。
フリスとあたしで、手前の蜘蛛に斬りつける。
呆気なく、倒れていく。
カルラの闇の槍にも、倒されていき、あっという間にモドキ数体の死体が転がることになる。
「なによ、コイツら」
「本来とても弱いヤツらなので、擬態してますの。この擬態で、敵から身を守っていますのよ」
「へー、賢い……?割には、あたし達に攻撃してくるなんて、逆に馬鹿じゃない?」
「ここの魔物は、人間を見慣れていませんの。だから、どれほど危険な相手なのか、理解できませんのよ」
(賢いのか、賢くないのか、よく分からなくなってきたわ)
あたしは、額に手をやった。
ふと、少し開けた場所に出る。
だけど、あたしはなにかの気配を感じ取っていた。
「みんな止まって!!……、なにか、居るわ」
全員の視線が、周囲を探り始める。
暫くすると、周囲の木々の樹上から、なにかが音もなく降りてきた。
「アイアンスパイダーですのっ!!」
ユレノに言われなくても分かった。
モドキは、確かにコイツらによく擬態できていた。
そっくりだった。
(いや、今考える事じゃないわね)
あたし達は、完全に包囲されていた。
アイアンスパイダー、大きさはサッカーボール位かしら。
しかし、モドキには感じなかった、危険ななにかを感じさせる。
ものすごく夥しい数なのよっ!!
(これ、ホントに大丈夫なのかしら?)
不安になり、ユレノに確認しちゃう、あたし。
「それで?……、なにか策があるんでしょ?今度こそ、任せるわよ、ユレノ」
「はいですの。でも、これだけ多いと、後で少し助けて頂くかも知れませんの」
会話の間に、アイアンスパイダー達の攻撃が始まる。
全方位から、糸が飛んできた。
「サンクチュアリ!!」
シビルの魔法のお陰で、糸からは守られていた。
「はいはい、じゃあ、よろしくね」
「はいですの。アイアンイーター!!出番ですの!!」
ユレノが叫ぶと、また違うスライム達が、召喚されてくる。
そして、スライム達は、獲物を見つけたかのように、アイアンスパイダー達に、飛びかかっていく。
そして……。
アイアンスパイダー達は、アイアンイーターに溶かされ、吸収されていくのだ。
それは、あまり見ていたくはない絵面になっていた。
だが、これだけでは、アイアンスパイダーの勢いを、停められはしない。
(不味い。手を打たなくては……)
あたしが考えると同時に、ユレノが叫んでいた。
「ジオスライム!!貴方達も出番ですのっ!!」