第62話:説明と仕切りは大事のうた
やっと、次に向けて活動を始めます
そんな時の、マリネとユレノの会話をお楽しみください(っ'~')っ
崖の上、崖の下の素材を回収し、あたし達はまた進み始めた。
お守りのお陰で、鉱石樹林のキラキラ対策もバッチリ。落ち着いた気分で、この幻想的な世界を満喫できている。
「石化の心配がないと、本当に綺麗な所ね。こんなに落ち着いて、浸ることが出来るのも、ユレノのお守りのお陰ね。ありがとう、ユレノ」
「い、いえ、皆さんが月光草をたくさん採取してくださったからですの。わたくしの力ではありませんの」
「でもお、実際私たちじゃ、誰もこんなの作れないしい。やっぱり、ユレノちゃんのお陰ですう」
カルラがユレノに、抱きつき……。
ユレノの顔は真っ赤になる。
(可愛いとこあるわね。最初のあれは、舐められまいと、必死の虚勢だったのね。ホントに可愛いじゃん?)
「ところで、この前のロックリザードみたいな、面倒くさいのは、もう居ないわよね。あんなのみたいのと、またやるのイヤよ」
「大丈夫ですの。次はアイアンスパイダーの森ですの。ここは、大したことはないと文献にも書かれていますの」
「え、アイアンスパイダー?なんか、とても硬そうなんだけど、ホントに大丈夫なの?」
「はいですの。わたくしの可愛いスライム達で、十分攻略できますの。お姉様は、安心して見ていて下されば、問題ありませんの」
「そ、そうなのね。それじゃ、あ、ユレノ、に、お任せするわ。無理しないでね」
「はいですの。わたくし、お姉様の期待に応えてみせますの!!」
ユレノの力強く握られる、その手をあたしは見えないフリをしていた。
確かに、途中で遭遇したのは、普通のワーム、マッドマッシュルームなどの、比較的、雑魚と呼んでいい魔物ばかりだ。
一度に出てくる数も、二、三体で特に苦労もなく、倒して進むことが出来た。
しかし、アイアンスパイダーの森、フォレスト・オブ・アイアンスパイダーまでの道のりは……。
「ちょっと、こんなに遠いなんて、聞いてないわよ。もう2日も歩いてるじゃないの」
「ええ、距離は聞かれていませんもの。お答えしていませんの。でも、そう、もうそろですの」
「いやいや、こんなに遠いなら、最初にそう説明して欲しかったわよ。心構えが違うでしょう」
「?。ええ、分かりましたの。次のクリスタルスネイクの時には、気をつけさせて頂きますの」
「え、クリスタル……、なに?」
「それは、次の話ですの。まずは、アイアンスパイダーの事だけを、考える場合ですのよ、お姉様」
(えええ、なによ、その仕切りは?まさか、あたしの真似ではないでしょうね。ていうか、アイアンスパイダーの後?なにが、待ってるのよ。そんなとこで切られると、めっちゃ気になるじゃない……)
あたしは、上がってきていたユレノへ対する評価が、少し下がるのを感じていた。