第57話:テイマーの実力と共闘のうた
フリスを除いたメンバーでの厳しい戦闘です
お楽しみください(っ'~')っ
崖の上にフリスが駆け上がっていく。その背中を見送りながら、あたしは眼前のロックリザードの群れに相対する。
「さあ皆、残りを片付けるわよっ!!ユレノ、あなたもアテにさせてもらうわっ!!ムリせず、頑張るのよっ!!」
「承知!!」
「分かりましたあ」
「任せろっ」
やや、遅れてユレノも返答する。
「わ、分かりましたの。皆さんの足を引っ張らないように頑張りますの」
あたし達、無名の月のメンバーは散開して、それぞれの役割を全うする。
シビルは、あたしに支援魔法をかけて、カルラとルエリのサポートを開始。
カルラは、ロックリザードの下から、土槍の攻撃で、喉元のコアの破壊を狙う。
でも、確率は……。
ルエリも喉元のコアを狙っているけど、下を向いている分、狙いにくそう。
でも、なんとか当てているところが流石ね。
あたしは、ロックリザードを蹴り上げ、喉元が顕になった瞬間を狙って、斬りつける。
蹴りあげるひと手間が、もどかしいわね
しかも、あたしの場合、近寄りながら、ロックリザードの攻撃をかわさなくてはならない。
(みんな、喉元が下を向いているから、その分苦戦してるわね……)
そんな中、ユレノのスライム達は絶好調。
彼らの自慢の蔦を駆使して拘束、そして、その隙を狙ったコアへの攻撃、少しずつ数を減らしてくれている。
これは、効率的ね。
一番成果を上げているんじゃないかしら。
しかも、スライム達は、ロックリザードの攻撃をまともに受けていない。
受けていないと言うより、攻撃されてもプヨんと受け流して、ダメージを受けていないのだ。
そして、最も嫌らしいのが、たまにまともに踏まれたと思っても、そこから分裂して増殖してしまっていた。
これで、スライム達の勢いは加速していくようだ。
なんと恐ろしい。
(スライムには、こんな活用方法もあったのか……)
改めて、ユレノのテイマーとしての実力を実感する。
それと相まって、トレントもロックリザードに攻撃してるけど、これは一時的に怯ませてるけど、倒すという点では、スライムより劣るわね。
……。
「ユレノッ!!トレントに、ロックリザード達をひっくり返させてっ!!その隙を狙って、あたし達がとどめを刺すわっ!!」
「は、はい。トレントさん、ロックリザード達をひっくり返してください!!」
「カルラ、ルエリ!!ロックリザードがひっくり返された所を狙って攻撃っ!!トドメよろしくっ!!」
「なるほど、承知!!」
「分かりましたあ、それなら狙いやすいですう」
(ここからが、あたし達の本領発揮よ。見てなさい!!)
それからは、一方的に戦闘を続けることになった。
トレント数体が、次々ロックリザードをひっくり返し、その露わになったコアをあたし達3人が攻撃。
とどめを刺す連携は、完璧なものになっていった。
その間、スプラッシュバードは空からロックリザード達を攻撃。
注意を空に向けて、あたし達、トレント達、スライム達のフォローをしてくれる
そしてしかも、スライム達とトレント達は、スプラッシュバードの水槍の恩恵で、損耗も少ない。
……、しかし、あたし達はそうはいかない。
特にあたし。
(このマスクしたままじゃ、やっぱり反応がイマイチね。段々息苦しくなってきたし、そろそろ厳しくなってきたわね。それに、激しく動いていない後衛陣も、あたしほどじゃなくても、影響出てきてるし……)
「さあ、あと残り十数体よっ!!気を抜かずに、最後まで押し切るわよっ!!」
「「「「はいっ!!」」」」
(正直、シビルの支援がなければ、とっくにみんな限界だった。けどあと少し。これなら、なんとか最後までなんとかなる。……。いや、してみせるっ)
あたしは、全員に喝を入れるのと同時に、自分をも奮い立たせた。
崖の下の戦闘は、終わりが見えてきました
そして、たった1人主に向かったフリスは!?
では、また(っ'~')っ