第50話:みんなで仲良く、なんてできないわのうた
「ふう。それじゃ、後は任せたわ、シビル、ルエリ。あたしは、ホームで休んでるわ。あ、フリスをつけてもいいわよ、頑張ってね」
「お、おい、マリネ。待てよ」
「待たないわ。あたしは、その娘の相手はゴメンよ。あなた達が連れていきたいなら、あなた達が面倒を見てあげたらいいわ」
「あらあら、トップパーティーのリーダー様ともあろうお方が、わたくしなんかから逃げますの?思ったよりも、大したことありませんの(くす)」
……。
(はあ、だから嫌なのよ。こういう手合いの娘と話をするのは)
「違うわね。あたしにとって、あなたには相手をする価値が、見当たらないだけよ。だから、時間の無駄なの。そんな無駄な時間を費やす必要なんてないから、ホームに戻るのよ。逃げたと思いたきゃ、そう思ってても構わないわ。好きにすればいい。そうね。『あたしが、あなたから逃げた』とでも、自慢なさればいいわ。そしたら、目出度くあなた達が、トップになることが出来るわよ。おめでとうございます。トップパーティー様。それじゃね」
「……。く、ま、待ちなさいよ。な、なによ、その態度。私のことを馬鹿にしてるの?自分達がトップパーティーだからって、調子に乗ってんじゃないわっ!!」
「あらあら、それが本当の口調なのかしら。化けの皮が剥がれるのが、早過ぎるわよ。あなたこそ、あたしをバカにしないで欲しいわね。あたしには、あなたをバカにする必要なんてないの。あなたには、あたしが馬鹿にしてあげる価値なんてないのよ。ただ単に、相手にしたくないだけなの。それにね、あたし達はトップパーティーになんて、なりたくないし、あたし達がトップパーティーだなんて、そんなこと言われてるのを知ったのも、たった今なの。調子に乗る意味が分からないわね。もういいかしら。眠くなったから、ホームで寝るわ」
「おい、マリネ。頼むからその辺で勘弁してやってくれないか。こいつも、悪気があった訳じゃないんだしよお。頼むから仲良くやってくれや」
ギルマスのフォローの後ろで、ユレノが悔しそうな表情を浮かべているわ。
「あのね、先に喧嘩を売ってきたのは、この娘の方なのよ。あたしに対して、悪気しか感じなかったわよ。だからあたしは、相手をしたくなくなっただけ。なんで、あたしが、あたしのパーティーメンバーでもない娘に気を使って、迎えてあげなきゃならないのよっ!!ギルマス、あんたのおつむの方が、ボケちゃったんじゃないの?あたしは、一応礼を損なわないように、接してたわよ。ぶち壊したのは、その娘の方よ。説得するなら、その娘にしたら?あたしは、そんな娘いらないわ。こんな所で、どっちが上かを競いたい、小さな冒険者となんか組みたくないの。いつものメンバーだけで、十分よ。あんたもギルマスなら、礼儀くらいちゃんと躾ておくのね。それじゃ、さよなら。卵を手に入れるまで、ここには来ないから、後はその娘と、よろしくね」
あたしは、部屋からさっさと退出して、ホームで休むことにしたわ。
(やれやれ、何を考えてるのかしら。あの娘もギルマスも。馬鹿らしくて、相手にする気にもなれないわね)
あたしは、ベッドで意識を手放したのだった。
ついに、マリネ姉さんもキレました
ドラゴンの卵クエストは、どうなるのでしょうか
では、また(っ'~')っ