第49話:ご挨拶のうた
「それで、ユレノさんは、ドラゴンにお詳しいということで、宜しいのかしら?」
「あらあ、わたくしのことは、呼び捨てになさってください、マリネ様。
「なら、あたしの事も、呼び捨てでいいわよ、ユレノ。それで、もう一度聞くけど、アースドラゴンの専門家様ということでいいのね?期待してるわよ」
「いえ、わたくしはテイマーですの。なので、モンスター全般、全てが対象ですの。もちろん、ドラゴンについても、トップクラスですの。今回のミッションについても、おまかせ下さって問題ありませんの」
(っわー、やっぱり怪しいわあ。なにかしら、話せば話すほど、怪しさが増すこの感じ)
「そ、そう。それは頼もしいわね。それじゃ、なにかもう作戦があったりするのかしら?卵の持ち帰りなんて、あたし達には、想像もつかない難事なのよね、きっと。あなたのような専門家が居てくれると、心強いわあ」
「作戦ですか。もちろんです。皆さんが、アースドラゴンを倒すと、あーら不思議、卵が巣の中に。あらあら、ビックリですわね。でも、これでなんの気兼ねもなく、卵を持ち帰ることができますの。どうですか?完璧ではありませんの?」
……。
この場に居る全員が固まる。
もちろんギルマスも固まる。
全員の気持ちが1つになる。
「「「「「それは、作戦とは呼ばないって!!」」」」」
(ちょっと、本気なのかしら。やっぱり、いつものメンバーで行くべきね)
「あ、あはは。ありがとうね。やっぱり今回は、あたし達だけで行ってくるわ。ご苦労さまだったわね……。じゃ、あたし達は行ってくるわ。それじゃね」
あたしは、メンバー全員とこの場から退散しようとした。
「お、おい、まあ待てよ……」
ギルマスが呼び止めてるけど、聞く必要なんてないわ。
「ぷ。ぷっくく。ふふふ。流石ですの。見事なチームワークでしたの。お噂は、やっぱり本当でしたの。素晴らしいツッコミでしたの」
「……ん?」
(なに、この娘。あたし達を試したということ?失礼過ぎじゃないの?やっぱり、信用ならないわね)
「あら、あたし達をお試しになられたのかしら?有難いおもてなしね。是非とも、お礼をさせて頂きたいわ。いいわよね、ギルマス?」
「おいおい、こいつの非礼は俺が詫びるから、落ち着けって。お前もやり過ぎだぞ。これは、誰でも怒る。こいつらは、一応この国のトップパーティーだ。あんまり、波風立てないでくれや」
「くすくす。失礼致しましたの。少し冗談が過ぎましたの。申し訳ありませんですの」
(なんだか、ホントにいけ好かないわね。イヤな感じしかしないわ。間違いなく、厄介事しか起きないわね、これは)
やっぱり厄介そうな新キャラでした
これ、ドラゴンの所まで行けるんでしょうか
では、また(っ'~')っ