第4話:黒魔道士のうた
はい、こちら実況のマリネです。
あたしたちの目の前には、五体のケンタウロスがいます。
こちらに向かって、敵意通り越して殺意を健全に向けてきます。
そっかー、ケンタウロスだったか。
確かに、この近辺ではケンタウロスより、ミノタウロスの方が、出現率高いし有名だもんね。
新米冒険者パーティが、知らなくても仕方ないか(汗)
でも、だから危険度が下がるわけじゃなおのよね。
ミノタウロスと同等なのだもの。
それが五体って、どんだけ無理ゲーすぎんのよ。勘弁して欲しいわ。
て、遊んでる暇はないわね。
さっさと集中して、こいつらを終わらせなきゃね。
「フリス、新米くんたちを隅に移動させるわよ。まずはあの子たちを安全な場所に誘導しなきゃ」
「おうっ」
フリスも失敗する前までなら、ある程度使えるのよね。
お願いだから、失敗して落ち込まないでね。
「シビル、とりま、あたしとフリスに強めの強化魔法。その後、新米くんたちを診てあげて。必要そうならそのまま回復お願い」
「承知っ」
シビルが、オリジナルの短縮詠唱の強化魔法を、あたしたち2人に掛けてくれる。
そして、そのまま新米くんの所へ。
彼らは、新米パーティだけで、このモンスター郡を押さえ込んでいたのだから、当然満身創痍だ。
よく頑張ったものだ。
「ルエリ、カルラを護りながら、いつも通り頼むわね」
「任せとけよ」
こういう時のルエリは、ホントに頼りになる。
ルエリのお陰で、後方を気にすることなく、戦闘に集中できるのだから。
「フリスっ!!あんたが言い出しっぺなんだかは、今回は泣き言を許さないからねっ!!しっかりやんなさいよっ!!」
「分かったぁ!!」
なにを分かってくれたのか、復唱させたい気分になるが、今はそんな場合ではなかったわね。
「カルラ、遠慮は要らない。打ち漏らしは、あたしとフリスに任せて、思い切りやっちゃってっ!!」
「ありがとう。私頑張りますぅ」
カルラは、早速極大暗黒魔法の詠唱を始める。
あたしとフリスは、その間ケンタウロスたちを牽制する。
数秒後、あたしとフリスは雰囲気を察して、ケンタウロスから微妙な距離をとる。
直後、カルラの極大暗黒魔法が、ケンタウロスたちに炸裂した。
この一撃で、2体のケンタウロスが動けなくなっている。
すかさず、ルエリが蒼穹で残りのうちの一体を仕留める。
鮮やかすぎる2人の連携だった。
残りは、あたしとフリスで一体ずつだ。
あたしは、双剣を握りケンタウロスの一体に切り掛り、数合の打ち合いの後、トドメを刺すことに成功する。
最後はフリス.........?
なにしてるのかしら.........?
なぜ、この程度の相手なのに、逃げ惑ってるのかしらね?
ルエリに視線をやると、ヤレヤレとした顔で
「最初の一撃を受け止められたんだ。それで仕留められなかったってよ」
つまり、今回もまた、一撃で倒せなかったから、自己嫌悪?
はあ、なにやってんのよ、あの阿呆は。
あたしは仕方なく、フリスの支援にまわるのだった。
カルラちゃんみたいな、黒魔道士に憧れるんです
なりたいです
もう、『黒』っていう色の持つイメージが最高ですよね?
そう思いますでしょ?