第47話:ご指名クエストの理由のうた
「お前達が、国王様の依頼で、ケンタウロスを生け捕りにしだだろ?それで、国王様は、ケンタウロスを城で、飼育させてるわけだ」
「そりゃ、誰かが飼育してるんでしょうね。でなきゃ、死んじゃうわ。で、それが、ドラゴンとどう関係するのか、さっぱりだわ?」
「でな、当然国王様も、自慢なさるわけだ。そりゃ、家臣やら来客やらにな」
「まあ、そりゃケンタウロスの生体を所有するなんて、悪趣味誰も真似しないでしょうしね」
「あ、悪趣味って、お前。まあ、いい。それでな、長年ライバルだった、エラソウ大公がな、またライバル心を全開にしたわけだ」
「……、はあ、ま、どうでもいいわ」
「よくないんだよ、これがな。それが、今回の依頼なんだからな」
「は?どういうこと?」
「つまりだな、大公閣下は、考えたわけだ。国王様より、より目立つペットを手に入れよう。とな」
「え、それでドラゴンなわけ?」
「そういうことだ。ちょうど東にアースドラゴンの森があるだろ?あそこのドラゴンが、卵を産んでる時期なんだ。で、そいつを孵化してやろうって、ことらしい」
「なんで、ドラゴンの生け捕りじゃないのさ」
「お前、ドラゴンをどうやって運ぶんだよ。それに、卵から育てあげれば、より懐くってもんだろうさ」
「ああ、そっか。ケンタウロス運ぶだけでも、めっちゃ苦労したもんね。あれの何十倍もデカイドラゴンなんて、そりゃ運べないわね」
確か、ケンタウロスを捕まえた時は、運搬方法考えてなくて、大変な目にあったものね。
確かに、生きたドラゴンを運ぶと思えば、卵の方がまだ、楽かもしれないわね。
「ところでさ、ドラゴンの卵の大きさって、どれくらいなの?」
「さあな、俺も見たことないからな。行ってみてのお楽しみってやつじゃないのか?」
「えええ、それって無責任過ぎじゃないの?ちゃんと、調べてから、引き受けてよ」
「「「それを、リーダーが言うな!!」」」
「……ごもっともでございます」
(解せないわ。メンバーからツッコまれたわよ。あたし、尊敬されてるリーダーよね?)
「それで、そのご依頼がなぜ指名なのよ」
「お前達が、ケンタウロスを捕まえたからだろ。何当たり前なこときいてんだ」
「今回くらい、勇者カス様に頼ったらいいじゃない。何しろこの国のトップパーティー様なのだし?」
「ん?何言ってんだ?この国のトップパーティーは、もうお前達だと、正式に発表されてるぞ。だから、太鼓閣下も、トップパーティーのお前達を指名してきたんじゃないか」
……!!
(は?なんですって?誰がトップパーティーにしたの、あたし達を。なんてことしてくれちゃってんのよ!!)
「……。何言ってくれちゃってんの?なんで、あたし達が、トップになってんのよ?どうしたらそんなことに、させられちゃうわけ?」
「どうしたらって、お前、自覚ないのか?どこの冒険者パーティーが、ケンタウロスを何体も余裕で倒して、生け捕り出来ると思ってんだ。そんな功績積んどいて、何時までナンバーツーにおさまって居られると思ってんのか、こっちが聞きたいわ、どアホ!!」
(ガーンだわよ。これ、どうすんの?)
「ちょっとフリス。あんたが、変に活躍するから、トップになっちゃったじゃないのさ。どうしてくれんのよ。こんなんじゃ、これからも面倒事が、面倒事がどんどん来ちゃうじゃない!?」
ご指名の理由、分かっちゃいましたね
そして、ついにランキングトップになってしまいました
更なる、面倒事が期待できますね
では、また(っ'~')っ