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臆病勇者の憂鬱  作者: さらん
第4部:牛頭族の楽しいイベント編
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第42話:一撃必殺のうた

さあ、勇者フリスの見せ場です

今回はいつものやつを発症せずに、無事ケンタウロスを倒せるのでしょうか


では、お楽しみください(っ'~')っ


一陣の風が舞うと、そこにはケンタウロスたちの横たわる姿が、キャンバスに描かれる。

フリスは、次々にケンタウロスたちを、この地のキャンバスの絵柄にしていく。


そして、遠距離メンバーたちのフォローによって、あたしはフリスとは逆向きに疾駆しながら、同じようにケンタウロスたちを、キャンバスの絵柄にしていく。


そして、やっと、フリスがリーダー格のケンタウロスの前に立つことになる。


広場に残るケンタウロスは、あと一体。

他の仲間たちの亡骸の中心で、リーダー格は荒い息を吐きながら、フリスを睨みつけていた。その体格は、あたしたちがこれまで倒してきた個体とは、比較にならないほど屈強だ。


「マリネに、みんなに手を出したこと、後悔させてやる…!」


(いや、だからみんなには手を出していないわね。あたしにだけよ。まあ、聞かないだろうけどね)


フリスが静かに、しかし燃えるような怒りを込めて呟く。もう、そこに先ほどまでの臆病な彼の姿はなかった。


先に動いたのは、ケンタウロスだった。

地を揺るがすほどの突進。その勢いを乗せた巨大な両刃斧バトルアックスが、フリスの頭上めがけて振り下ろされる!


あたしは思わず息をのんだ。だが、フリスは避けなかった。

彼はただ、静かに大剣を振り上げ、その一撃を正面から受け止めた。


ゴオオオオォォン!


まるで巨大な鐘を打ち鳴らしたかのような、重く、鈍い衝撃音が、森全体に響き渡った。

フリスの足元の地面が、その衝撃に耐えきれず、蜘蛛の巣のように砕け散る。しかし、フリス本人は、一歩たりとも下がっていなかった。


「なっ…!?」


ケンタウロスの目に、驚愕の色が浮かぶ。

自分の渾身の一撃が、あの「小さい生き物」に止められた。その事実が、信じられない、というように。


「お前の番は、終わりだ」


フリスは、斧を受け止めたまま、氷のように冷たい声で告げる。

そして、力任せに大剣を押し返した。ケンタウロスは、いとも簡単に体勢を崩し、大きく後方へよろめく。


がら空きになった胴体。

フリスは、その一瞬を見逃さなかった。


彼の姿が、一瞬、掻き消えたかと思うと、次の瞬間には、ケンタウロスの背後に立っていた。

手にした大剣には、一筋の血糊が付着している。


ケンタウロスの巨体が、ゆっくりと、前のめりに傾いでいく。その胸には、心臓から背中までを貫く、一直線の傷が刻まれていた。

声も上げることなく、リーダー格のケンタウロスによって、この地のキャンバスは完成された。


圧倒的な一撃。

あたしたちは、ただ、その光景を呆然と見つめることしかできなかった。


さ、流石勇者でした

本気になったフリスは、違いましたね

こうして、マリネ姉さん達は、無事に任務を遂行することができました


では、また(っ'~')っ

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