第40話:ケンタウロスは踊るのうた
逃げ出しました、ケンタウロス
彼は、無事に逃げ切ることができるでしょうか
では、お楽しみください(っ'~')っ
彼は、必死で逃げていた。
牛頭族の女と、焼肉につられて出ていったが、牛頭族とは違う小さい生き物に邪魔されたのだ。
しかも、仲間たちが全員やられた。
そして、自分もあと少しでやられる所だったのだ。
ヤバい、と悟った。
一瞬、小さい生き物の攻撃が隙を見せたのを見逃さず、なんとか命からがら逃げ出してきたのだった。
あのまま戦っていたら、自分も殺されていただろう。
とにかく、他の仲間たちと合流しなくてはならない。
助けを求めるのだ。
もう随分走って来た。
あと少し、あと少しで仲間たちと合流できる。
彼は走り続けた。
そして、ついに開けた場所に到達した。
仲間のケンタウロスが、多数集まっている。
彼は、やっと一息ついて、そして安心出来た。
もう大丈夫、もう大丈夫だ。
ここなら、あの小さい生き物もやって来ることはない。
やって来ても、手出ししてくることもないはずだ。
そう思っていた。
そのはずだった。
そのはずだった、なのに……
……。
最初に異変に気づいたのは、彼の蹄だった。
大地から、何やら不気味な脈動が伝わってくる。見れば、仲間たちも不安げに蹄を鳴らし、落ち着きなく周囲を見回していた。
なんだ? 何が起きている?
彼が足元に視線を落とした、その瞬間。
地面の土の上に、まるで墨汁を染み込ませたかのように、黒い線が走り始めたのを、見た。
線は幾何学的な模様を描きながら、瞬く間に広場の隅々にまで広がっていく。それは、広場全体を覆い尽くさんばかりの、巨大で、禍々しい魔法陣だった。
仲間たちの間に、動揺が広がる。恐怖に駆られ、数頭が広場から逃げ出そうと駆け出した。
だが、遅かった。
どこからか、凛とした少女の声が響き渡る。
「――やりなさい、カルラ」
その声を合図に、魔法陣が漆黒の光を放った。
次の瞬間、地面から無数の闇の茨が、まるで巨大な槍のように突き出し、ケンタウロスたちの脚を、胴を、容赦なく貫き、絡め取った。
「「「ギィアアアアアッ!!」」」
阿鼻叫喚の地獄絵図。
仲間たちが、次々と身動きを封じられていく。彼自身も、茨に脚を貫かれ、その場に崩れ落ちた。
だが、絶望はそれだけでは終わらない。
魔法陣の外周に沿って、今度は燃え盛る炎の壁が出現し、広場全体を巨大な「檻」のように囲い込んでしまったのだ。もはや、どこにも逃げ場はない。
彼は、震えながら顔を上げた。
炎の壁の向こう側、木々の影から、あの「小さい生き物」たちが、静かに姿を現すのが見えた。
双剣を構えた女。弓を番える男。杖を握る男。そして、この地獄を作り出した、ローブ姿の少女。
彼らの目には、慈悲などひとかけらも浮かんでいなかった。
彼は悟った。
自分は、仲間の元へ助けを求めにきたのではなかった。
狩人たちを、自らの巣へと案内してしまったのだ、と。
ついに、群れ全体に攻撃が始まりました
ですが、このままは流石に
では、また(っ'~')っ