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臆病勇者の憂鬱  作者: さらん
第4部:牛頭族の楽しいイベント編
42/60

第40話:ケンタウロスは踊るのうた

逃げ出しました、ケンタウロス

彼は、無事に逃げ切ることができるでしょうか


では、お楽しみください(っ'~')っ


彼は、必死で逃げていた。


牛頭族の女と、焼肉につられて出ていったが、牛頭族とは違う小さい生き物に邪魔されたのだ。

しかも、仲間たちが全員やられた。

そして、自分もあと少しでやられる所だったのだ。


ヤバい、と悟った。

一瞬、小さい生き物の攻撃が隙を見せたのを見逃さず、なんとか命からがら逃げ出してきたのだった。


あのまま戦っていたら、自分も殺されていただろう。

とにかく、他の仲間たちと合流しなくてはならない。

助けを求めるのだ。


もう随分走って来た。

あと少し、あと少しで仲間たちと合流できる。

彼は走り続けた。


そして、ついに開けた場所に到達した。

仲間のケンタウロスが、多数集まっている。

彼は、やっと一息ついて、そして安心出来た。


もう大丈夫、もう大丈夫だ。

ここなら、あの小さい生き物もやって来ることはない。

やって来ても、手出ししてくることもないはずだ。


そう思っていた。

そのはずだった。

そのはずだった、なのに……


……。


最初に異変に気づいたのは、彼の蹄だった。

大地から、何やら不気味な脈動が伝わってくる。見れば、仲間たちも不安げに蹄を鳴らし、落ち着きなく周囲を見回していた。


なんだ? 何が起きている?


彼が足元に視線を落とした、その瞬間。

地面の土の上に、まるで墨汁を染み込ませたかのように、黒い線が走り始めたのを、見た。

線は幾何学的な模様を描きながら、瞬く間に広場の隅々にまで広がっていく。それは、広場全体を覆い尽くさんばかりの、巨大で、禍々しい魔法陣だった。


仲間たちの間に、動揺が広がる。恐怖に駆られ、数頭が広場から逃げ出そうと駆け出した。

だが、遅かった。


どこからか、凛とした少女の声が響き渡る。

「――やりなさい、カルラ」


その声を合図に、魔法陣が漆黒の光を放った。

次の瞬間、地面から無数の闇の茨が、まるで巨大な槍のように突き出し、ケンタウロスたちの脚を、胴を、容赦なく貫き、絡め取った。


「「「ギィアアアアアッ!!」」」


阿鼻叫喚の地獄絵図。

仲間たちが、次々と身動きを封じられていく。彼自身も、茨に脚を貫かれ、その場に崩れ落ちた。


だが、絶望はそれだけでは終わらない。

魔法陣の外周に沿って、今度は燃え盛る炎の壁が出現し、広場全体を巨大な「檻」のように囲い込んでしまったのだ。もはや、どこにも逃げ場はない。


彼は、震えながら顔を上げた。

炎の壁の向こう側、木々の影から、あの「小さい生き物」たちが、静かに姿を現すのが見えた。

双剣を構えた女。弓を番える男。杖を握る男。そして、この地獄を作り出した、ローブ姿の少女。

彼らの目には、慈悲などひとかけらも浮かんでいなかった。


彼は悟った。

自分は、仲間の元へ助けを求めにきたのではなかった。

狩人たちを、自らの巣へと案内してしまったのだ、と。

ついに、群れ全体に攻撃が始まりました

ですが、このままは流石に


では、また(っ'~')っ

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