第38話:怒れる者のうた
そして、残り二体です
この調子で、どんどんいきます
マリネ姉さんが
では、お楽しみください(っ'~')っ
あと二体。
一体ずつ集中させてくれる、カルラとルエリには、感謝しかない。
そして、次のターゲットに向かうあたし。
カルラが気を利かせて、一体を解放してくれる。
今度のは小柄だが、がっちりしているように見えた。
手にはやはり、ハンドアックスが握られている。
そして、その目は仲間をやられたことに苛立っているのか、緋く血走っている。
双剣を握る両手に汗が滲む。
と、ケンタウロスからの先制攻撃が襲ってくる。
考えるより先に、体が動いていた。
怒りに任せた、恐ろしく速い踏み込み!あたしは咄嗟に双剣を交差させて、振り下ろされたハンドアックスの一撃を正面から受け止める。
キィンッ!
火花が散り、鼓膜を劈くような甲高い音が響き渡った。
(速いだけじゃない、重いっ!)
さっきの奴らとは比べ物にならない、純粋な膂力。押し返そうにも、馬の脚で地面を掴む奴の体幹はびくともしない。じりじりと押し込まれ、あたしの足が地面を削る。
「グゥアアアアッ!」
獣の雄叫びと共に、第二、第三の追撃が嵐のように襲いかかってくる。あたしは防戦一方。左右の剣で、死の軌跡を描く斧の刃を弾き、受け流し、逸らすので精一杯だ。
(まずい、このままじゃ押し切られる…!)
焦りが滲み始めたその時、背後からシビルのものらしき、清涼な魔力が流れ込んできた。汗ばんでいた手のひらが乾き、乱れた呼吸が少しだけ整う。
(助かるわ、シビル!)
あたしは一瞬だけ、奴の猛攻を受け流す力を強め、無理やり半歩分の間合いを作り出す。それだけで十分。
ケンタウロスが、再びアックスを大きく振りかぶる。あたしはそれを待っていた。
今度は受けない。あたしは奴の巨躯の真下、その足元へと、地面を滑るように身を投げ出した。
頭上を、死の風が通り過ぎていく。
無防備に晒された馬の脚。あたしはすれ違いざま、両手の剣を逆手に持ち替え、奴の両前脚の腱を、下から上へと一気に切り裂いた!
「ギイイイイィィィッ!」
今までとは違う、甲高い悲鳴。ケンタウロスは前脚の力を失い、前のめりに崩れ落ちる。
その背中に向かって、あたしは追撃の一閃を浴びせようと剣を振りかぶった。
――だが、その必要はなかった。
あたしの横を、一条の蒼い光が駆け抜ける。ルエリの放った矢が、崩れ落ちるケンタウロスの首筋を、寸分違わず貫いていた。
「……ふぅ。ルエリ、あんた、あたしの獲物取るの好きね」
「うるせえ。隙があったからだ。文句あるか」
軽口を叩きながらも、あたしたちは互いの無事を確認する。
これで三体。残るは、あと一体。
あたしは、最後の一体と対峙しているカルラの方へと、視線を向けた。
さあ、あと一体になりましたよ
戦力ダウンしても、なんとか予定通りです
これは、このまま期待できそうですね
では、また(っ'~')っ