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臆病勇者の憂鬱  作者: さらん
第4部:牛頭族の楽しいイベント編
40/60

第38話:怒れる者のうた

そして、残り二体です

この調子で、どんどんいきます

マリネ姉さんが


では、お楽しみください(っ'~')っ


あと二体。

一体ずつ集中させてくれる、カルラとルエリには、感謝しかない。

そして、次のターゲットに向かうあたし。


カルラが気を利かせて、一体を解放してくれる。

今度のは小柄だが、がっちりしているように見えた。

手にはやはり、ハンドアックスが握られている。

そして、その目は仲間をやられたことに苛立っているのか、緋く血走っている。


双剣を握る両手に汗が滲む。

と、ケンタウロスからの先制攻撃が襲ってくる。


考えるより先に、体が動いていた。

怒りに任せた、恐ろしく速い踏み込み!あたしは咄嗟に双剣を交差させて、振り下ろされたハンドアックスの一撃を正面から受け止める。


キィンッ!


火花が散り、鼓膜を劈くような甲高い音が響き渡った。


(速いだけじゃない、重いっ!)


さっきの奴らとは比べ物にならない、純粋な膂力。押し返そうにも、馬の脚で地面を掴む奴の体幹はびくともしない。じりじりと押し込まれ、あたしの足が地面を削る。


「グゥアアアアッ!」


獣の雄叫びと共に、第二、第三の追撃が嵐のように襲いかかってくる。あたしは防戦一方。左右の剣で、死の軌跡を描く斧の刃を弾き、受け流し、逸らすので精一杯だ。


(まずい、このままじゃ押し切られる…!)


焦りが滲み始めたその時、背後からシビルのものらしき、清涼な魔力が流れ込んできた。汗ばんでいた手のひらが乾き、乱れた呼吸が少しだけ整う。


(助かるわ、シビル!)


あたしは一瞬だけ、奴の猛攻を受け流す力を強め、無理やり半歩分の間合いを作り出す。それだけで十分。


ケンタウロスが、再びアックスを大きく振りかぶる。あたしはそれを待っていた。

今度は受けない。あたしは奴の巨躯の真下、その足元へと、地面を滑るように身を投げ出した。


頭上を、死の風が通り過ぎていく。

無防備に晒された馬の脚。あたしはすれ違いざま、両手の剣を逆手に持ち替え、奴の両前脚の腱を、下から上へと一気に切り裂いた!


「ギイイイイィィィッ!」


今までとは違う、甲高い悲鳴。ケンタウロスは前脚の力を失い、前のめりに崩れ落ちる。

その背中に向かって、あたしは追撃の一閃を浴びせようと剣を振りかぶった。


――だが、その必要はなかった。

あたしの横を、一条の蒼い光が駆け抜ける。ルエリの放った矢が、崩れ落ちるケンタウロスの首筋を、寸分違わず貫いていた。


「……ふぅ。ルエリ、あんた、あたしの獲物取るの好きね」

「うるせえ。隙があったからだ。文句あるか」


軽口を叩きながらも、あたしたちは互いの無事を確認する。

これで三体。残るは、あと一体。


あたしは、最後の一体と対峙しているカルラの方へと、視線を向けた。

さあ、あと一体になりましたよ

戦力ダウンしても、なんとか予定通りです

これは、このまま期待できそうですね


では、また(っ'~')っ

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