第37話:勇者回収のうた
予定通りの戦力ダウン
あと三体もいるケンタウロスをなんとかできますか!?
では、お楽しみください(っ'~')っ
一体仕留めたあたしは、とりあえずフリスの様子を確認して……。
期待を裏切らないことに、安心してしまった。
(やっぱり、こうなるのね。予想通り過ぎて、笑いたくなるわ)
さっさと、次の相手に向かって移動を開始する。
「シビルっ。分かってるわね。フォローお願いっ!!」
「おう、任せとけ」
「ルエリ、悪いけどその荷物の回収をお願いっ」
「毎度毎度、面倒なヤツだ。分かった、そいつは回収するから、こっちのことは気にすんな」
ケンタウロスに、ダメージゼロでも攻撃に晒されている勇者フリスの代わりに、二体目の前に立ち塞がるあたし。
その裏で、ルエリがフリスを連れて、一旦後ろに下がる。
二人が下がった気配を確認して、あたしは双剣を構え直す。
残り二体は、相変わらずカエラが抑えてくれているから、気にせずこいつに集中することができる。
(愛してるわ、カルラ。よろしく、抑えててね)
あたしは双剣の切っ先を、目の前のケンタウロスへと向ける。さっきの奴より、一回り体格がいい。筋肉の付き方も、戦い慣れているそれだ。
「グルルル…」
獣のような唸り声を上げ、ケンタウロスがハンドアックスを構えて地を蹴った。速い!
ルエリたちが下がる時間を稼ぐのが、今のあたしの役目。真正面から打ち合うのは得策じゃないわね。
キンッ!カンッ!と連続で響く金属音。奴の猛攻を、あたしは左右の剣を巧みに使って、受け流し、軌道を逸らすことに専念する。腕にビリビリと伝わる衝撃が重い。
(こいつ、さっきの奴より手練れか…!)
一瞬の攻防の隙間、背後から飛んできた光が、あたしの体にスッと染み込んだ。シビルの強化魔法だ。全身に熱が駆け巡り、さっきまでの体の重さが嘘のように軽くなる。
(サンキュ、シビル!)
アックスの薙ぎ払いを、紙一重で身をかがめて避ける。あたしの頭上が、ゴォッ!と音を立てて空気が裂かれた。空振りした奴の体勢が、一瞬だけ崩れる。好機!
あたしは低く沈み込ませた体勢から、奴の足元めがけて突進する。狙うは、馬の脚!
右手の剣で前脚の腱を切り裂き、返す刀で左手の剣を逆の脚に突き立てる。
「ギィンッ!」
悲鳴と共に、ケンタウロスの巨体がバランスを崩して前のめりになった。そこへ、あたしは追撃の手を緩めない。
無防備に晒された脇腹から背中にかけて、双剣による無数の斬撃を叩き込む!肉を裂く生々しい音が、あたしの耳に届いた。
「オオオオォォッ!」
致命傷を負ったケンタウロスが、最後の力を振り絞って暴れ狂う。あたしは即座に距離を取り、それ以上の深追いはしない。
そこへ、あたしの背後から一条の光が迸る。カルラの放った闇の魔法槍が、ケンタウロスの心臓を正確に貫いていた。巨体は声もなく崩れ落ち、二度と動かなくなった。
「ふぅ……。ナイスよ、カルラ」
あたしは短く息を吐き、仲間たちがまだ無事であることを確認する。
これで二体。残り二体。そして、役立たず一体。
戦いは、まだ終わらない。
無事にまた一体の討伐に成功です
残り二体
このままの戦力で、なんとか……
では、また(っ'~')っ