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臆病勇者の憂鬱  作者: さらん
第4部:牛頭族の楽しいイベント編
38/60

第36話:双剣乱舞のうた

ケンタウロスとの戦闘が始まります

王国ナンバーツーパーティーの実力は、彼らケンタウロスに通じるのでしょうか?

あ、通じてましたね、あちらの世界で


ま、まあ、とりあえず、お楽しみください(っ'~')っ


あたしの目の前には、一体のケンタウロスがいる。その巨躯があたしを見下ろし、血走った目はあたしを通り越し、背後の牛頭族の美女様たちを捉えているようだ 。


(あたしなんて、眼中にないってか。それは、少しばかり失礼ってもんじゃないの?)

ケンタウロスに求婚されたい訳ではないが、女として完全に無視されるのも、腹が立つ。なにより、冒険者としてナメられるのは、我慢ならない。


「後悔させてあげるわよ、このエロ馬…!」


あたしは鞘から二本の愛剣を抜き放ち、その切っ先を揺らして挑発する。奴が苛立ちの唸り声をあげ、巨大なハンドアックスを振りかぶるのが見えた。大振りね、好都合よ!


あたしは強く地面を蹴り、奴の懐へと一気に踏み込む。振り下ろされるアックスを、左手の剣でガキンッ!と甲高い音を立てて受け流した。腕に痺れるような衝撃が走る。


(重いっ…! でも、がら空き!)


体勢を崩したケンタウロスの胴体へ、がら空きになった右手の剣を、流れるように突き立てた。分厚い筋肉に阻まれる、鈍い感触。それでも構わず、体重を乗せてさらに深く捻じ込む!


「グオオオォォォォっ!!」


ケンタウロスが絶叫し、あたしを振り払おうと暴れる。その衝撃波をまともに受けてしまい、あたしは後方に吹き飛ばされた。


「ちっ、タフなやつ!」


砂煙の中、体勢を立て直すあたしの耳に、風を切る音が届く。あたしのすぐ横を通り過ぎた一本の矢が、ケンタウロスの首筋に深々と突き刺さった。


「グガッ…!」


断末魔の声を上げ、巨体がその場に崩れ落ちる。すかさずルエリが放った、完璧な追撃だった。

あたしは自分の剣を回収しつつ、ケンタウロスがもう二度と動かないことを確認する。


「ありがと、ルエリ。助かったわ」

「おう、任せとけよ。中距離は俺の縄張りだ」


こうして、まずは一体。残り三体だ。



一方、フリスは相手ケンタウロスの動きなど気にしない。

己の直感を信じ、ただ突き進む。自分は、勇者なのだ。こういう時の勘が外れることはない。そう信じていた。

彼の持つ大剣が、凄まじい風切り音と共にケンタウロスへと振り下ろされる。


(これで終わりだ!)


一刀両断にするはずの一撃。しかし、その輝きはゴッ!という鈍い音と共に、呆気なく止められた。ケンタウロスが、その小さなハンドアックスで、勇者たる自分の必殺の剣戟を、完璧に防御してしまったのだ。


大剣を持つフリスの両腕に、信じられないほどの衝撃が伝わる。そして、彼の心にも。


「だ、ダメだ。俺はやっぱりダメなヤツなんだ。こんなケンタウロス一体も、一撃で倒せないなんて。俺には勇者の資格なんてないんだ…」


再び、我らが勇者様は、戦場の片隅で膝を抱え始めたのだった。

安定のマリネ姉さんと、ルエリ

安定の勇者フリス

予定通りに戦闘は続きます

作戦は無事に達成されるのでしょうかね


では、また(っ'~')っ

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