第35話:ケンタウロスのうた
美人局作戦、とんでもないことです
しかも、こんなので本当にケンタウロス達は現れるでしょうか?
今一つ、不安になりますね
我らがマリネ姉さんも同じようですよ?
では、お楽しみください(っ'~')っ
あっという間に、数人の牛頭族の女性数名が集められた。
顔はともかく(だってみんな牛の顔だし)、スタイルは素晴らしいの一言。
(え、羨ましいんだけど……)
な、美貌でした。
ケンタウロスさんたちも、好みは同じってことなのね。
つまりは、そういう事なのよ。
悪かったわねっ!!
そんな訳で、作戦は決行されるのよ。
もちろん準備は、考えうるもの全部対策してね。
牛頭族美女様たちに、万が一も起きないように、隠れた護衛が見守るし、念のために牛頭族の皆さんが結界を張ったのよ。
これが破られた時のために、簡易転移装置も設置済み。
あたし達?
もちろん、現れてくれるはずのケンタウロスとの戦闘要員な訳よ、当然よね。
そして、誘き寄せるポイントに到着。
美女様たちの見えるところで隠れて獲物を待つあたし達。
さて、どれだけ待てばいいのでしょうね……。
あたしはそっとヒロシの所に近づく。
「ね、なんか誘き寄せる為の仕掛けとかないの?例えばケンタウロスが、好きな匂いとかそんなの。それも使えばもっと早くに気づいて来てくれるんじゃないの?」
「そっか、そうだね。それなら、焼肉をやろう。アイツらは焼肉と美女がとても好きなんだ」
(知ってるなら最初からやってよ……)
力なく項垂れてしまうのよ、あたしだってね。
こうして、美女たちによる焼肉パーティーが始まったのよ。
みんなで、楽しそうにパーティーしてるのを、恨めしそうに監視するあたし達。
(なにこれ、拷問なの?)
と疑いたくなる構図なのよ。
そんなこんなで、2時間ほどもした頃、なにか近づいてくる気配がしたの。
みんなと視線を交わし、じっと様子を伺っていると現れたのは
「キャーキャー、ケンタウロスよっ!!」
「助けてえーっ!!」
と叫び出す美女たち。
そう、ケンタウロスが四体も現れたのよ。
作戦はとりあえず成功ね。
即座に動き出すあたしたちパーティー。
それぞれの役割に従って、戦闘行為を開始するの。
流石のしびるは、さくっと強化魔法による支援を。
カルラが、ケンタウロスにデバフを掛け、相手の行動を阻害して、あたしたちに有利な状況を作り出すのよ、お決まりのパターンね。
そして、あたしがフリスとルエリに命じる。
「一体だけ生かして逃がすのよ。巣へ戻らせて、後を追うわ!!」
「おっけー」
「わかったあっー!!」
こうして、まず一人一体ずつを相手取るあたしとフリス。
それをフォローしながら、確実にダメージを与えてくれるルエリ。
残り二体を、白魔法の結界と黒魔法で牽制して、近づけさせない二人。
ケンタウロスとの交戦は、始まったばかり……。
ひと工夫する事で、とりあえず美人局作戦は成功の兆しです
これであとは、ケンタウロスを討伐するのみ
だと思うのですが、マリネ姉さんにはなにやら目論見が
では、また(っ'~')っ