第33話:未曾有の大被害真相のうた
ギルマスから聞いていた、あの言葉の意味、真相が明かに?
お楽しみください(っ'~')っ
「お願いします。ケンタウロスの討伐を手伝ってください!!」
「もちろん、僕たちが力になるよ!!ヒロシくん、一緒に頑張ろう!!」
(ああ、やっぱりこうなるのね(汗)。どうせそうなると思ってたわよ)
もうすっかり諦めの境地よね。
あたしたちは、全員が一斉に頭を振ったわ。
「「「「ヤレヤレ」」」」
もちろん、ヒロシは嬉しそうよね。
「ありがとうございます!!これで、君たちの世界に迷惑をかけずに済むよ!!」
「……え?」
(いま、なにか、不穏なこと聞かなかった?)
「ちょっと、今の詳しく聞かせてもらってもいいかな。あたしたちの世界に迷惑って、どういう事かしら?」
「あれ?聞いたことない?僕たちには、伝承されてるんだけどな。こちらで、ケンタウロスが大量発生すると、世界の隙間をすり抜けて、君たちの世界に流れ出てしまうらしいんだよ。僕たちの先祖様たちも、慌てて君たちの世界に行って、協力して対応してもらったらしいよ。なんか、その時に少しだけ、そちらの世界に被害も出たとかなんとか……」
「おいおい、それってギルマスの言ってたヤツたろ?」
「ですよねえ、間違いないと思いますう」
「だな、そういうことだろうな」
シビル、カルラ、ルエリの意見が一致してる。
みんなさすがね(拍手)。
なのに、
「え、ギルマスって、なんのこと?僕は全然分からないよ」
と気持ちよく、雰囲気をぶち壊してくださるお方が1人(笑)
「つまり、ヒロシたち牛頭族が現れると未曾有の大被害が発生するんじゃないってこと。ここでケンタウロスが大量発生することで、あたしたちの世界にまで流れ込んだ結果の、未曾有の大被害だったわけ。
ケンタウロスと一緒に、牛頭族が現れる、というか、ケンタウロスを追いかけてきて、協力してくれてたのに、いつの間にか、『牛頭族が現れると大被害が発生する』に変わっちゃったのよ」
「あ、そういうことか。僕も分かっちゃった!!」
お分かり頂けたようですね、助かりました。
「てことはさ、これやっぱり放っておいちや不味いやつってことに、ならないか?」
「そういう事みたいね。なんでこうも面倒事ばかり起こるのかしらね。泣きたくなってきたわ」
「おいで、マリネ。僕がいい子いい子してあげるよ」
「あ、ありがと。気持ちだけ貰っておくわ(汗)」
そうなのよ。
ここで放っておくことは、あたしたちの世界にも、被害が大きいってことなのよね。
「とは言ってもね、人知れず人助けしても、なんの評価にもならないのよね。あたしたちが、どれだけ活躍したって主張したところで、王国にはなにも証拠を提示できない。つまり、仮にホントだと信じて貰えたとしても、とても報奨金なんて、望めないわね」
「え、マリネって、報奨金目当てで仕事選択するの?」
「当たり前じゃない。あたしたち冒険者だって、慈善事業じゃないのよ?
「そりゃ、そうだけど。でも、それじゃ沢山の困ってる人たちを見捨てるっていうの、マリネは?」
さすが勇者様ね、こういう噛みつきは真剣だわ。
正直面倒くさい。
「仕方ないでしょ?そんなのは、神様にでも言ってよ。彼らの方が余程チカラあるじゃない。あたしが責められる謂れはないわね」
「そ、そんな!!」
「もうやめろよ、フリス。マリネがホントにそれだけで仕事選んでるなら、お前も俺たちも、このパーティーに居ないだろ。なんだかんだで、マリネはこういうのを見捨てられないんだよ。ただ、照れくさくて、素直じゃないだけだ。分かってるだろ?」
「そ、そうだな。ゴメン。そうだったよ。ゴメンね、マリネ」
「え、別に気にしてないけど?」
ルエリが、割って入ってくれたけど、なんか変なことを言われてる気がするわね。
こうして、マリネの分かっていた一面に、証言を得られました
また、『牛頭族が現れると未曾有の大丈夫』の真相も明らかになりました
え、分かってました?
ふ、ふふふ、それは言いっこなしですよ、旦那
というわけで、協力しなければならない流れです
マリネ姉さんには、頑張って頂かないと、ですね
では、また(っ'~')っ