第32話:ヒロシの事情のうた
厄介事を嗅ぎ分けるマリネの本領発揮です
お楽しみください(っ'~')っ
(ここは、なにかの建物なのかしら?あたしたちのホームとは、なにか違う構造をしているみたい)
周りを見ると、なにか、金属のような壁に囲まれていたの。
あたしたちのホームは、木造だから基本的な強度が違いそう。
「ここじゃ話もできないから、こっちへ来て」
ヒロシの案内で、応接室みたいな部屋に移動したのよ。
(なに?このふかふかした敷物。凄くお尻に優しいんだけど。ウチのホームにも、いえ、あたしの部屋に欲しいわね)
これは、聞いてみるしかない。
「ねえ、ヒロシ。このふかふかしたものは、なんなの?あたしも欲しいんだけど」
「ああ、それはクッションと言うんだ。中に綿が詰められてるだけだから、簡単に作れるよ、多分(笑)」
暖かい飲み物を用意してくれたヒロシが、優しく答えてくれた。
そして、仕切り直して、真面目な表情になったヒロシが
「ところで、君たちってホントに強いんだね。あのケンタウロスを自力で倒せちゃうなんて。驚いたよ。どうやって大人しくさせようかと思ってたのに」
「あー、でもあのダンジョンであれできるのは、あたしたちくらいかもね、アハハ!」
「だろうね。だから、君たちを呼んだんだ。実は頼みたいことがあるんだよ」
……。
(また、なにか厄介事かしらね。最初にケンタウロスに遭遇してから、ずっとこのパターンよね。そろそろ終わってくれてもいいんじゃないかしらね)
「えーと、あまり積極的には聞きたくないんだけど、どんな頼み事かしら?」
「うん、野良ケンタウロスの群れの討伐を頼みたいんだ」
「あらあ、偶然ね。そんな頼み事な気がしちゃってたわ。当然、理由を聞かせてもらえるのよね?」
ヒロシの説明を要約すると……
・この世界では、定期的に野良ケンタウロスが大量発生する
・この世界では、ケンタウロスを倒すのに、軍の力が必要だが、ここは田舎でそんな部隊は居ない。
・従って、自警団の役目となるが、自警団は軍ではないので、武装も貧弱である
・つまり、まともな戦力ではないから、討伐も困難である
また、ヒロシの職業は、野良ケンタウロスたちの監視。牛頭族の街にケンタウロスが迷い込んで来ないように、監視しているのだそうだ。
で、先日から野良ケンタウロスが数体、あの隙間を勝手にすり抜けて、あたしたちの世界に流れ込んでしまっていたらしい。
・ヒロシは、流れてしまったケンタウロスをなんとかしょうと、最近あたしたちの世界と行ったり来たりしていたとのこと。
・あたしたちの実力を目の当たりにしたヒロシは、あたしたちに討伐を依頼したくて、待っていたのだそうだ。
(あたしたち、こんな世界に来てまで、ケンタウロスの討伐を頼まれるわけ?勘弁して欲しいわね、全く)
ケンタウロスとの腐れ縁が、続きますね
しかも、野良ケンタウロスの群れ
イヤすぎです
では、また(っ'~')っ