第29話:ダンジョン攻略のうた
「でもさー、うちのリーダーって変わってるよなあ。普通、領地くれるって言われたら、めっちゃ喜ぶよな。それなのに、リーダーは極端に逃げようとしてたもんな(笑)」
「そんなに欲しいなら、シビル、いつでもあんたにあの領地をあげるわよ?」
「い、いや、あの領地はさ、ギルマスから直々にリーダーが頼まれたもんだ。俺は遠慮しておくとするよ(汗)」
「……はあ」
(結局、面倒事は増え続けてるわね。どうしてなのかしら?)
あたしたちは、なにも平和に散歩をしているわけではないのよ。例のダンジョンに向かってるわけ。
その道中で、シビルがこの話題を切り出したのよね。
(みんな、そんなに領地とか欲しいものなのかしらね。面倒なことしかないと思うのだけれど)
ギルマスの情報通り、ダンジョンに到着するまでに、三体のゴブリンを討伐することになったわ。
どれも、まだご機嫌な勇者フリスに頼んだら、それぞれ一撃で倒してくれたの。
ホント、調子がいい時は、頼りになるわね、さすが勇者様よ。
そして、お待ちかねのゴブリンダンジョンに到着よ、
「さあて、それじゃあ目的のあの場所を目指しますかねえ」
「おーっ!!」
「「「……、おーっ」」」
メンバーからのやる気の満ち溢れていない、返答をききながら、あたしもなんとか気合いを入れ直しましょうか。
え?なんか時間差で声が聞こえてた?
ああ、それはあれよ。ほら、気のせいってやつよ。うちのメンバーで、そんなやる気の見せるのがいるはずないでしょう?
「マリネ、早く早く行こう。さっさと支度してよ!!」
ほらね、あたしにまで幻聴が聞こえたわよ。
だから、変なこと言わないで欲しいわけよ(笑)。
さあ、みんなの心の準備も出来たところで、ダンジョンに潜ります。
潜り始めてすぐに、ゴブリン四体に遭遇。
早速戦闘態勢に。
まあ、この程度ならいつも通りね。
フリスとあたしで一体ずつ、カルラとルエリが後方から一体ずつ、さらっと倒しておしまい。
忘れちゃいけないのは、ちゃんとシビルが強化で支援してくれてること。
これないと、何かの時の反応が遅れるのよね。
地味にいつも感謝なのよ。
概ね順調に進むあたしたち、時々大量のゴブリンが出てきて、少しだけ面倒だったわね。
確か、約二十体くらい?
カルラに、相手の行動を阻害するデバフ魔法かけてもらって、全体の動きを遅くさせ、あたしたちは、シビルの支援魔法で強化。
準備万端になったところで、カルラの広範囲魔法とルエリの蒼穹による先制攻撃、それで残った獲物たちは、フリスとあたしで片付ける。もちろん、その間もカルラとルエリも攻撃に入ってくれる。シビルは、切れかける支援魔法を重ねがけしてくれている。
全員が、自分の役割をちゃんとこなしてくれる、うちはメンバーに恵まれてるわね。
とりあえず順調に目的地に向かってます
今回は、マリネ姉さんもパーティーメンバーに感謝してます
これを素直に口に出せればもっといいのでしょうね
では、また(っ'~')っ