表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
臆病勇者の憂鬱  作者: さらん
第3部:ダンジョン深奥の謎編
28/65

第26話:前哨戦のうた


通された部屋。

そこは、滅多に使われることのない、とても絢爛な部屋だったわ。

こんな部屋が、このギルドの中にあったなんて、知らなかったわ、驚きよお。


とか言って、その実この建物の中なんて、そんなにあちこち入らないわよ、職員じゃないんだから(笑)

え、ならなにも不思議はないって?

その通りなのよ、なにか文句でも?


そんなお約束を通過しつつ、寛いで待っている(ここ重要よ、テストには出ないけどね)と、やっと、目的の彼、ギルマスが入ってきたわ。


「おう、元気そうだな(笑)」


(イラッ)


「……そ、そんな一言ですむかあっ!!あんたねー、言いたいことが山の量だけあるんだからねっ!!」


あたしは、当然の権利を行使するわよ。


「ガーハッハッハッ。まあ、そう熱くなるな(笑)

。そんなだと、俺に言いたかったことを1つ2つ忘れちまうぞ」

「なに、自分だけ落ち着いちゃってんのよ?あたしは怒ってるのよ!!ちゃんと謝罪して、全部説明しなさいよ!!」


ギルマスは、一瞬キョトンとして


「んー?俺は何か怒らせるようなことしたか?」

「何言ってんの?ケンタウロス討伐させて、生け捕りさせて、貧弱領を押し付けたでしょうが!?忘れたとは言わせないわよ?」


あたしが、こんなに明確な証拠を明らかにしてるのに、ギルマスは少し考えたと思ったら


「最初のケンタウロス討伐は、俺は関係ないなあ(笑)。あれはリリアだろ?多分。その件は、リリアに文句言いな(笑)」


(ちっ、どさくさに押し付けようと思ったのに、聡いわね)


「……。バレたわね(汗)。仕方ないわ。ほかの件よ、さっさと謝罪しなさいよ。生け捕りとか、ギミックとか、貧弱とか」

「おお、説明だったな。今から順に説明してや……」

「待って。説明は要らないわ。どうせ面倒事に巻き込まれるだけだもの。そんなのはもう、ゴメンだわ」


ホントに、これ以上はお腹いっぱいなのよ。冒険者しながら、貧弱も面倒みないといけないって、どれだけ罰ゲームなのよ。

なのに……。


「いいや、聞いてもらう。これはもう、お前たちにしか頼めないんだ。何がなんでも、巻き込まれてもらう」


(こいつ、言い切りやがったよ。さて、どうやって逃げ出そうか?)


「えーと、いや、急に用事を思い出したわ。だから、サクッと謝罪だけ受け取って、今日はお暇を……」

「ははは、まあ待てよ。その用事は悪いがキャンセルだな。なに、問題あるなら、俺が一緒に謝ってやるから安心しとけ」


(いや、あんたと一緒だと、大半の人はビビっちゃうから。てか、それだと、この場から逃げられないじゃん。ダメダメ、そんなの許可できない(汗))


「えーと、ほら、ギルマスと一緒だと、お相手様が余計ビビって逃げちゃうから、ね?今日は中断ってことで、さあ、謝罪だけお願いしますっ」


(これで、諦めてくれるはず?)

そぉーっと、ギルマスの顔を伺うと、とてもいい笑顔で仰った。


「悪かったな、強面でよ。それなら、一緒にリリアも付けてやる。これなら、問題ないな。じゃ、順に始めるぞ」


あたしの意思は、全く考慮されなかったのよ。

マイペースなギルマスに、また押し付けられそうです(笑)

なかなか、平穏になりませんね


では、また(っ'~')っ


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ