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臆病勇者の憂鬱  作者: さらん
第2部:貧弱領の領主様編
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第21話:内緒の領地事情のうた


「だから、なんでそうなるのよっ!!」


執務室に響く誰かの怒号(もちろん、アタシ)。

当然でしょ。なんの説明もなく、いつの間にか領主様に据えられてるなんて冗談じゃない。


「いえ、そう仰られましても、わたくしどもとしましても、そう伺っているとだけしか……」

「じゃ誰よ、そんなデマ広めてるのは!?」

「ええ、王都のギルドマスター様が、そう仰られまして……」

「……、ギルマス?」

「はい、王城からは、無名の月の皆さんのことは、ギルマスに聞けと。また、領主様の件も、ギルドマスター様が、王様に進言されたと伺っております」

「……、ギルマスゥ。ゆ、る、す、ま、じ」


(あのオヤジ、どうしてくれよう。よりによって、領主押し付けやがって。なにが報酬だ、クッソ腹立つ!!)

あたしの心の叫びから漏れ出る殺気に、流石のセバスチャンとメアリーも、若干青ざめているみたいだけど、今回ばかりはそんなこと、気にとめていられない。


「……、なるほどぉ、あんのクソオヤジかあ。あの野郎、今に見てろ。絶対復讐してやるぅ!!」


さすがに、パーティメンバー全員も戦いているみたいだ。ここまで怒りを顕にしたのも、久しぶりだから、仕方ないわ。


「大体、このパーティのリーダーだけでも、大変な思いしてやってんのよっ!!これ以上人数増やされてたまるかってんですかっ!!」

「え、あの、マリネ様は、まだ冒険者を続けられるおつもりですか?そういえば、先程の挨拶でも、仰られてましたけど」

「ああ?当たり前でしょ?でなきいと、何処からお金を頂いて、あたしたち、生きていくのさ?」

「はい、もちろん、この領地を治めて頂ければ、それなりに生活されることは、出来ますかと」

「ん?」


(なんだろう?あたしは冒険者を辞める前提だったの?そんな、話も聞いてないんだけど?)

(それにここは、貧乏で名高い『貧弱』領のはずよね。それなら、領主の収入だけでは……。いや、それにしてもおかしいわね。なにかしら、この違和感は?)


「ねえ、ちょっと聞くけど、ここ『貧弱』領よね?」

「はい、もちろんでございます」

「なら、何でこの館はこんなに立派なの?もっと、領民に負担かけないようにしないと!!」

「大丈夫でございます。領主様のこのお舘を維持するなど、造作もない益が毎年出ております。特に領民に負担をかけなくとも、領内も栄えておりますよ」

「「「……」」」


あたしたち、全員がポカーンとなってしまったわ。


(なにかしら?なにか噂と違わない?ここって、超貧乏領地ではなかったの?実はデマで、そんなに貧乏ではないってこと?王国全土に王都が嘘を?でもそれなら、王様もこんなに簡単にあたしらなんかに褒美にするわけはないわね。だとすると、王都もここがそこそこ豊かなことを知らない?ということは、また違ったヤバい雰囲気が漂ってきたわよ、これは……)


段々事情が飲み込めてきましたね

やはり、ただなのには、なにか理由がありそうです

こちらの方も、楽しみになってきましたね


では、また(っ'~')っ

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