表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
臆病勇者の憂鬱  作者: さらん
第1部:ケンタウロス生け捕り編
14/60

第13話:生け捕り作戦のうた


姿を現したわね、ケンタウロスっ!!

全員の目の色が変わる。

(コイツを生け捕る!!そして……、報酬がっぽり)

とか、考えていたらなんとお!!


「うぉぉ!!」


て、誰か岩陰から飛び出していかれたわ。

ガンバレ、誰かさん!!

て、フリスじゃない!?

なにしてんのよ、アイツは。


「シビル、カルラ、ルエリ!!フリスの支援お願い。あたしは、フリスのところに行くわ!!」


あたしは、フリスの横に並ぶ。


「フリス、あんた分かってんでしょうね。生け捕りよ。い、け、ど、り!!」

「ああ、マリネ。そんなこと言われなくても分かってるさ」

「あのね、生け捕るのよ。一撃で仕留められないからって、落ち込まれちゃ困るわけ。逆に一撃ですやっちゃダメなの。いいわね?」

「分かってるさ。手加減すればいいんだろ?」


……。

ホントに大丈夫かしら?

そして案の定……。


「うわああ、ダメだ。やっぱりダメなんだ。僕なんて、生きてる価値ないんだ」


やはり、何事か落ち込んだ。

手加減した挙句に、当たり前に倒せなかったことが原因らしい。


(だから、倒しちゃいけないんだから、それでいいんだって)

何度も突っ込むが、どうせ聞こえてないわよね。

もうヤツは放置することが確定しましたとも。


さて、生け捕りとは簡単に言うけれど、大人しくなるまで、死なない程度のダメージを入れるしかないのよね。

当たり前だけどさあ、これがまた難しいのよ。

どの程度まで、持ちこたえてくれるのかしら。

向こうはこちらを殺す気で襲ってくるのだし。


仕方ないから、双剣はさやに納めたまま、ひたすらに殴る、殴る、殴る。

シビルに強化魔法を掛けてもらって、ただひたすらに、殴り続ける。


「ぐっ、なんてやっかいなのかしら。タフさが尋常じゃないわ」


怖くて、カルラの黒魔法なんて、使わせられない。一撃で、倒しかねない。

だから、足止めになる弱魔法のみ使用してもらう。


あたしは、ケンタウロスの攻撃を必死で躱しているが、それでも何発かは食らってしまう。

今度は、脇腹を掠ってしまった。


「マリネっ!!」


カルラが心配してくれるが、こちらには返答する余裕はない。


「今、回復を」


シビルがすかさず、回復魔法をかけてくれる。

万能ではなくても、止血され痛みも軽減されるのは、助かる。

これで、またケンタウロスに立ち向かうことができる。


助かるのは、ルエリで、矢を手足中心に当ててくれている。

それも、麻痺毒を縫った矢なので、少しずつだが、動きが悪くなってきている。


だが、やはりタフなモンスターの一角だけある。

もう、かなり時間が経過しているが、未だにただの一体の動きを止められないでいた。


数分後、息を切らしたあたしと、全く応えてなさそうなケンタウロスが対峙していた。

ほかのメンバーも、かなり消耗している様子が分かる。

まだまだ、時間がかかりそうだ。

あたしは、双剣遣いであって、腕力はそんなに強くないの。

だから、双剣で切れなくて、殴打の攻撃だけなんて、ほとんど効果なんて、あるはずないのよね、最初から。

さて、どうしようかしら。


そんな停滞した時間に、突如その時はやって来た。


「僕だって、ホントはやれるんだっ!!」


なにか、叫びながらそいつは戦線に復帰してきた。


「フリス、峰打ちだよ。いいわねっ!!」


聞こえてるのかどうか、分からないけど、彼は剣の腹で、ケンタウロスの頭を殴打することに成功した。


(えええ、一撃なの。あたしの苦労って……)


どうやら、落ち込み期間を終了して、戦闘に再参戦する気になったらしい。


とにかくも、その一撃で、目標はその場に倒れ込んだ。


「やった……」


こうして、ひたすらに面倒な戦闘から解放されたのだった。



落ち込んだ後でも、やる時はやる

フリスのいい所を見ることが出来たあなたは、幸せ者です

自信持って、生きていきましょう


では、また( ´ ▽ ` )ノ

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ