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臆病勇者の憂鬱  作者: さらん
第1部:ケンタウロス生け捕り編
1/16

序章:はじまりのうた


「ダメだ。もうダメだ。ダメに決まってる」


我らがパーティの随一の実力者、『勇者フリス』が膝を抱えて座り込んでいる。

勇者様がこんなだから、あたしなんかがパーティのリーダーをやらされている。

ホント、いい迷惑なのよ……。


あたしたちのパーティは、この『なんだかな王国』で二番手の勇者パーティだ。

フリスの野郎の性格が災してトップになれないでいる。


まあ?

トップになったところで?

国王様に、厄介事を押し付けられてるだけみたいだし?

あんなのになれなくて正解みたいな?


そんなわけで、あたしたちのパーティは、こんな構成だ。

・リーダー:マリネ(あたし)、双剣使い

・前衛:フリス、戦士

・中衛:ルエリ、蒼穹

・後衛1:カルラ、黒魔道士

・後衛2:シビル、白魔道士

タンクが居れば、文句ないのだけれど、そればっかりは仕方ない。


とか言ってる場合じゃなくて、今も戦闘真っ只中なわけ!!

そんななのに、かの勇者様ときたら肝心なところで、また持病を発揮なさる(苦笑)。


ちょっとゴブリンを、一太刀でやれなかったからって、いちいち落ち込まれてもねぇ。


今回の相手は、それほど強敵でもないし、もう放っておくことにしましょう、そうしましょう。


・・・


戦闘終了後、あたしたちはホームで今日の成果について語り合っていた。


「ゴブリンども、たくさんいたなぁ、今日も。素材売っても大した金にならねーからめんどーなだけなんだけどなあ.........」

「だよな、ホブゴブリンが一体だけだもんな。くたびれ損だぜ、まったく」


愚痴るルエリにシビルが同意する。


そう、ゴブリンはこの辺りでは、最弱の部類に入るモンスター。

素材にも全く値がつかない。


『みんなひどいよぉ!!』


唐突に割り込んでくるのは、フリスだ。


「なんで、僕をおいていくんだよぉ」


あのゴブリンのダンジョンに、1人置いていかれたのだった。

なにしろ、フリスの防御力の高さなら、座り込んでいても、ゴブリンごときの攻撃は通らない。

置き去りにしようと問題ないのだ。

故に、ダンジョンで落ち込んでる勇者の面倒を見るものなど皆無なのだ。


「あら、おかえりフリス。あの後のダンジョンの報告を頼むわ」

「いや、鬼かよ!!1人だけ置いてくとか」

「1人でも帰ってこられたじゃない。さ、す、が、勇者さまよね(にこり)」

「ぐっ.........」


当然のごとく言葉に詰まる勇者。

毎度のことだ、疲れないのだろうか?


「で?なにかあったの?.........、その顔はなにもなかったわね。ギルドにもそう報告できるから助かるわぁ」


そう、あたしたちは、王都近郊のダンジョンの、定点観測の依頼を受けていたのだった。



新しい物語が始めます

勇者フリスに振り回される、リーダーマリネの苦難の旅


これから、毎日22時に更新していきます

お付き合い、よろしくお願いします

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