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創術の世界 〜魔法とものづくりの共存〜

本編のネタバレを含むので、ご注意ください

物語にそって少しずつ加筆・修正していきます。

⚫︎世界の成り立ちと特徴

ツムギが暮らすこの世界は、魔法とものづくりが共存する場所。自然が豊かで、四季がありながらも極端な寒暖差は少なく、人々が穏やかに暮らしている。魔法が発展しているが、それと同じくらい職人の技術や手仕事も大切にされており、ものづくりは人々の生活に深く根付いている。


また、この世界には迷宮ダンジョンが存在し、場所によっては観光地として賑わっていることもある。迷宮では珍しい素材やアイテムが手に入り、それを求めて冒険者たちが挑戦を続けている。迷宮の素材は武具や魔道具の制作に活用され、職人たちにとっても重要な資源のひとつとなっている。


魔物も生息しているが、討伐を専門とする騎士団や冒険者たちの手によって、街や村の安全は保たれている。


⚫︎転生者と転移者

この世界にはツムギのような「転生者」と、「転移者」と呼ばれる異世界の人々がいる。


転生者は、前世の記憶を持ちながら生まれ変わる者たち。しかし、転生者の力や才能は人によって異なり、ツムギのように特別な能力を持たない者もいる。


一方、転移者はある日突然、異世界からこの世界にやってくる者たちを指す。彼らは強力な魔法や特殊な知識を持っていることが多く、その存在は国々にとって非常に重要視されている。転移者は「神様からの贈り物」のように扱われ、国によっては手厚く保護されることもある。


⚫︎エヴェリア王国

ツムギが暮らす国。広大な領土を持ち、王都を中心に交易や職人文化が発展している。貴族制度があるものの、王は国民の暮らしを大切に考え、努力する者が正当に評価される風土が根付いている。特にものづくりに関する職人への理解が深く、優れた技術を持つ者は身分に関係なく王都での仕事を得ることができる。


エヴェリア王国には魔導列車が整備されており、主要都市間の移動が容易になっている。王都は経済や技術の中心地であり、貴族や商人、職人、冒険者などさまざまな人々が行き交う活気ある街。


⚫︎カムニア町

ツムギが生まれ育った町。エヴェリア王国の王都から魔導列車で一時間ほどの距離にある。王都ほどの規模ではないが、手工業が盛んで、多くの職人が暮らしている。市場には商人や職人たちが集まり、王都へ仕事に通う者の姿も多い。街の外れには豊かな自然が広がり、ものづくりに適した静かな環境が整っている。


ツムギの父・ジンが営む工房「継ぎつぎや」もこの町にあり、人々の壊れた道具を修理したり、新しいものを作ったりしている。ツムギはこの町で創術屋そうじゅつやとしての一歩を踏み出そうとしている。


⚫︎魔法と創術

この世界の魔法は、火・水・風・土・光・闇・雷の七つの属性に分類される。人々の多くは何らかの魔法を使えるが、個人によって得意不得意があり、魔法の扱いに長けた者は貴族や冒険者、職人などさまざまな職で活躍している。


ツムギが使う創術魔法は、ものづくりと魔法を組み合わせた特殊な魔法。創術魔法の持ち主は珍しいが、決して希少すぎる存在ではない。創術を扱う職人は「創術屋そうじゅつや」と呼ばれ、ツムギのように道具や素材を魔法で加工することで、人々の生活を支えている。


⚫︎創術そうじゅつとは

創術は、ものづくりと魔法を融合させた特殊な魔法。素材の性質を見極め、それに魔力を込めることで、新たな力を引き出したり、より優れたものへと作り変えることができる。創術を使う職人は「創術屋そうじゅつや」と呼ばれ、人々の暮らしを支える道具や装飾品、衣服などを生み出している。


創術は一般的な魔法とは異なり、「即座に強大な力を発揮するもの」ではなく、「じっくりと手をかけ、ものに込められた想いや素材の力を引き出すもの」。そのため、戦闘向きではなく、職人の技術と組み合わせることで真価を発揮する。


創術を持つ者は少なくないが、高度な技術と魔法のバランスが求められるため、一流の創術屋になるには長い年月の修行が必要となる。ツムギはこの創術の才能を持ち、ものづくりを通して人々の役に立とうとしている。


・創術の特徴

素材の本質を見極める:ただ魔法をかけるだけではなく、素材の特性を理解し、それに適した加工を施すことで最大限の力を引き出せる。

魔力を込めることで性質を変化させる:例えば、布に耐火性を持たせたり、木材をより丈夫にしたりすることができる。

感情や記憶を反映する:使用者の想いや使われる目的に応じて、より強い効果を出すことがある


⚫︎相結そうゆいとは


相結は、この世界において「ものに宿る想い」を表す概念。長い間大切にされたものや、手をかけて使い続けられたものには、持ち主の記憶や感情が染み込み、やがて特別な力を持つことがある。これは科学的に説明できるものではなく、一部の人々が感じ取ることのできる不思議な現象とされている。


相結を持つものは、単なる道具や装飾品ではなく、まるで持ち主に寄り添うかのような変化を見せることがある。例えば、長年使い込まれた筆が不思議と手に馴染み、より書きやすくなることや、祖母が孫のために編んだマフラーが、寒さを和らげるような温もりを持つようになることがある。


人々は「大切にされたものには特別な力が宿る」と信じており、ものを長く使い続ける文化が根付いている。


・相結の力と特徴


持ち主の想いがものに宿る

長年愛用された道具や装飾品に、使い手の感情や記憶が積み重なり、特別な存在へと変化する。


ものが持ち主に寄り添う

相結を持つものは、持ち主の意志に応じて力を発揮することがある。


ものに命が芽生えることもある

極稀に、相結が強くなりすぎた結果、ものが意思を持つことがある。ツムギの相棒である「ぽて」は、その一例。


相結となったアイテムは、対となる生き物としか共鳴しない。そのため、たとえ別の人間の手に渡っても、本来の力を発揮することはなく、価値が下がるため狙われにくい。


一部の人や創術屋は相結を感じ取ることができる

ものづくりに長けた職人や、特別な感覚を持つ者の中には、相結を引き出したり、感じ取ったりすることができる者がいる。ツムギは創術を通じて、この力に関わる可能性がある。


・相結の具体例


祖父の形見の腕時計が、時折優しい温もりを感じさせる


代々受け継がれた鍛冶道具が、持ち主の手にしっくり馴染む


子供のころから抱いていたぬいぐるみが、気づけばそばで見守る存在になっている(ぽてのような存在)


何度も繕われた古い鞄が、新品にはない柔らかさと心地よさを持つ


親が子供のために作ったお守り袋が、ふとした時に安心感を与えてくれる


相結は誰もが意図して生み出せるものではなく、自然と長い時間をかけて生まれるもの。そのため、相結が宿るものはとても貴重であり、特に職人たちはその価値を深く理解している。


創術屋そうじゅつやは、この相結を感じ取り、より強く引き出すことができる存在かもしれない。ツムギの創術が、ものと人との「想いを繋ぐ」力を持つとすれば、それはこの世界において、とても特別な役割を果たすことになるだろう。

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