コンテスト用
仮題:霊鎧抗争
舞台は異世界。
世界統一を目指す大国と抵抗する各国により、魔法と魔法火器を用いた戦争が起きていた。
主人公が住む小国は侵略に抵抗する国々へ、自国の防衛戦略である霊鎧とその搭乗者を傭兵として貸し出している。
霊鎧の色は黒から灰褐色。巨体。内部は機械で出来ており、パイロットは心臓の位置に搭乗する。エネルギー源は死者の霊魂。
協力的であれば周囲の情報を霊魂が搭乗者へ共有する。見ていない情報が入ってくる事に慣れは必要だが、動きだけに集中する分、動作がスムーズ。
霊鎧はかつて主人公の住む小国が危機に襲われた際に生まれた対抗策。死者の魂を現世に縛り付ける邪法であり秘匿・封印されていたが、争いにより貿易が滞り国の財政が芳しくなくなり、渋々戦力として引っ張り出してきた。
邪法とされる所以は二点。
一つ目はエネルギー源となる死者の魂を使い果たせば、死者が生まれ変わる事がない点。
二つ目は搭乗者と死者の霊魂が同調し、死者に引っ張られる事がある点。
通常、この世界で死者になると、魂は魔力と共にこの世界に還り、新しい命に宿る。その為、一部、前世の記憶を引き継いで生まれる子もいる。そうした慰めにより死を乗り越える人々もいるが、その可能性が全て消える。
霊鎧の仕組みについては国内の一部の者のみが知っており監視もつく。主人公も初めは知らない。
遺族にも伝えられていないが、伝えるべきだという派閥と伝えなくてもわからないという派閥で分かれている。
人の肉体に留まる魔力を抽出する技術は確立されておらず研究中。封印されていた事もあり、霊鎧自体、現在は再現ができない。
-導入-
主人公と幼馴染が街を歩いていると突然、主人公達の住む国が狙われる。
「なあ、○○。今日は何する?」
「□□はさ、考えるって言葉を知ってる?世界がどういう状況かわかってるよね?不安にならないの?」
「だってさー、レイガイが戦ってくれてるし、この国は平和じゃん」
「その戦ってるのが、アタシのパパなんだよ。いつも帰ってくるのが当たり前じゃないのが、不安なんだよ」
「あ、ごめん……」
「だから、□□は考えなしだって言って……あれ、なんだろ?」
味方していた国の敵国が相手であり、霊鎧を狙ってのものだった。
「炎の……鳥?」
「っ!?魔法攻撃だ!逃げるよ!」
魔法攻撃が撃ち込まれ防御魔法も砕かれる。人々が逃げ惑い、一部の大人が魔法で応戦する。
「子供達は病院か城へ逃げろ!」
主人公と幼馴染が逃げる中、空から降下してくる魔法攻撃が人々を貫き、魔力に覆われた魂が浮かんでいく。
「ぐああ!」
「見ろ!レイガイだ!」
傭兵として出撃している霊鎧を除き、防衛戦略として2機の霊鎧が出撃。魔法攻撃をバルカンで撃ち落としていく。
「パパ……頑張れっ!」
「○○!早く逃げよう!」
「わかって、え?」
霊鎧が戦闘を始めた途端、防御魔法で作られた結界が1機の霊鎧を覆う。
「レイガイが捕まった!?」
「パパ!」
外からの攻撃には多少弱く、もう1機の霊鎧により一度は結界が破壊されるも張り直されてしまう。
再び結界を壊そうとするが、敵国の攻撃も再開。霊鎧は攻撃の排除を優先する。
「パパを助けなくちゃ!」
「俺たちに何ができるんだよ!逃げよう!」
「逃げない!パパまでいなくなったら……!」
「……わかったよ。どうする気?」
既に母を失った幼馴染の事を思い霊鎧の救助に協力する主人公。
「あの結界は魔法だから術者がいるはずよ。それも、あれだけの規模なら沢山」
「じゃあ、術者をどうにかすれば良いんだね」
「そうよ。もう1機のレイガイが防戦一方で術者にまで手が回ってない。アタシらで妨害しに行こう」
主人公と幼馴染が敵側へ向かう。途中で大人も合流する。
「お前達!どこへ行く気だ!」
「結界をどうにかしないと!レイガイが戦えない!」
「そんなのは大人に……言ってる場合じゃないな。せめて俺が前を行く!」
敵の攻撃は街の広範囲に向けられていたが、逃げる民を狙っている為、敵側へ向かう程に攻撃の威力が落ちる。3人は敵を目視できるところまで進む。200人ほどの術者と20人程の護衛。
「事故って術者に当たれば良かったのに」
「アンタほどの考えなしじゃないでしょ」
「よし。護衛の一部を俺が引きつける。無防備な術者なら、お前達の魔力でも怯ませられるだろう。せめて信号を」
大人が信号弾の魔法を上空に打ち上げる。その後、術者に攻撃し、声をあげて護衛を5人ほど引きつけ離れていく。負傷した術者は残った護衛から治癒魔法を掛けられる。その隙を突いて2人は術者を襲撃する。
「接近は難しいわね。アンタ何の魔法が使える?」
「使い慣れてるのは水槍。だけど人に使うのは初めてだ」
「なら治癒魔術を使ってるやつを狙って。そしたらすぐ逃げるよ」
主人公が水の槍を放ち、幼馴染は地面から岩の棘を生やす。敵陣は混乱するが水槍の方向と魔力の流れで2人に気づく。
「気づかれた!早く逃げるよ!」
幼馴染の声で逃げる主人公だが、幼馴染はついてきていない。
「○○!?」
「逃げなよ!早く!」
主人公が引き返し幼馴染に手を伸ばしたところで、火矢の魔法が幼馴染を撃ち抜く。
「あっ…」
「○○!?○○!!」
「……これで……アタシも」
信号魔法に気づいた霊鎧がようやく飛んできて術者達を蹴散らしていく。並行して、幼馴染の魂が浮遊し消える。
「なんで……どうして……○○!!」
霊鎧を覆う結界が薄くなり、内側から破壊。幼馴染の父親が乗るもう1機の霊鎧も動ける様になる。上空からの攻撃を打ち払い、主人公達の元へ。
幼馴染の父親が主人公に抱えられた生気のない娘を見つける。
「○○……嘘だ!嘘だろ!?」
妻の霊魂が死への誘惑を語りかけ始め、搭乗者が動揺。霊鎧が動きを止める。
「あなた……わたしたち、みんな一緒よ」
「……俺は、俺は、お前だけは、守らないといけなかったのに」
街への攻撃が止み、全ての術者が主人公達の元へ。負傷を免れた術者達により、2機の霊鎧どちらにも結界が掛けられる。1機は抵抗するが、もう1機は無抵抗。
「くそっ!くそっ!くそっ!」
「…………」
抵抗する霊鎧に対する結界が強まり、無抵抗の霊鎧は輸送機に載せられ運ばれていく。主人公は幼馴染を抱えたまま呆然とする。
「急げ!犠牲に報いよ!こんな機会は二度とないぞ!」
「○○……僕、どうしたら……」
地面が震える。町の方で破壊音と土煙が上がり、3機目の霊鎧が地下から上空へ飛翔。主人公の元へ来る。
「レイ…ガイ…?」
新たに現れた霊鎧が主人公に合わせた両手を差し伸べる。
「乗れってこと?」
主人公が霊鎧の掌に乗ると、心臓部の搭乗席に連れて行かれ格納。
「なんだ…これ…」
始めて見る機械構造に混乱する主人公。幼馴染の声が響く。
「右側の棒と左側の丸いのを握って魔力を込めて!」
「○○!?」
「早く!」
言われる通りにする主人公。霊鎧に魔力が通り出し、周囲の視覚情報が頭に入ってきて酔う。
「周りはアタシが見て共有する!アンタがレイガイを動かすの!」
「動かすってどうやって」
「思った通りに動く!」
思った通りにがわからず、主人公が足を動かしてみると霊鎧もその通りに動く。
「う…動いた…」
「まずはレイガイを助けるよ!」
外から殴って結界を壊す。
「デタラメに動き回って結界を張らせない様にして!」
主人公は不規則な動きをしながら術者達を踏んだり蹴り払っていく。幼馴染から武装の指示。
「左の丸いのを押し込んでから左腕を挙げて!」
「え?わ、わかった!」
左腕の下部から短い棒状のものが突起する。
「なんか出た!」
「それを抜く!」
右手で抜いて持つと剣になる。
「輸送機を斬れーーー!!」
「うおおおお!!」
残った輸送機を斬っていく。輸送機が破壊された為、敵軍が撤退していく。
「くっ、破壊されたか。1機でも成果は上々!町へ攻撃しつつ撤退だ!」
霊鎧は深追いせず、攻撃に対処して撤退を見送る。
「……終わった」
「まだ終わってないよ。何も、終わってない」
「○○……」
以降の展開
もう1機の霊鎧の搭乗者に従い軍部に帰還する。
霊鎧の真実を知る。
「レイガイとは霊の鎧。魂を縛り付けて動く機械の鎧だ。あの並外れた動力は、多くの魂とその魔力を糧に発揮される」
幼馴染の父親が乗っていた霊鎧には、妻の霊魂も使用されており、幼馴染もそれを知っていた。
「○○は知ってたの?」
「知ってた。もう1機の霊鎧が残ってることも。だから、アタシは自分から霊鎧に向かったの」
「監視の目も家庭内までは届かんか。まさか、話しているとは思わなんだ」
霊鎧の真実を知った主人公にも監視の目がつく。敵陣で信号魔法を上げた大人も、幼馴染の父親に対する監視の目として市井に降っていた軍部の人間。
「お前の監視役は追って紹介する」
「監視役なのに教えてくれるんですか?」
「民に負担を掛けたくはないのだ。常に見張られているのだと意識するのは疲れるだろう。せめて相手がわかっていた方が安心できる」
自国が標的にされた事により、他国と協力して奪取された霊鎧を取り戻す方針に転換。
霊鎧のデメリット一つ公開。
「霊鎧が動きを止めたというのが気になる。……搭乗者が手を引かれたのかもしれぬ」
「手を引かれる?」
「死者は生者を死に招き、生者は死者に惹かれる。故に、搭乗者は死者の縁者かつ、精神の強い者に限られるのだ」
「でも○○はそんな事しませんよ」
「この霊鎧に縛られたアタシ以外の魂は、大国の手を引きたいのよ。それに、アタシが舵を取ってるから考えなしには死なせない」
翌日以降も襲撃に備える必要があるかもしれない。その際は力を貸してもらう事を約束し解散。
「この先、辛く苦しい戦いが待っている。若者に背負わせるのは心苦しいが、今は君を頼りにさせてもらう」
「できる事をします。今は、それしか言えません」
翌日、主人公が軍部に呼ばれる。
「俺が監視の目になった△△だ。軍部に来てもらうぞ」
「よろしくお願いします!」
軍部から他国の情勢について共有。
傭兵として1国に1機ずつ、計3機を貸し出していた。
A国:昔から友好的な小国。多人種。昨今の争いを受け、魔法兵器の技術力が向上している。霊鎧の動力は死罪人。
「A国は協力体制を取ってくれるようだ。霊鎧も継続して貸し出す事にした」
B国:これまで国交は薄かったが巨額の支払いを受けて霊鎧を貸し出した。貿易で栄えている国家。霊鎧の動力は貧困奴隷。
「B国は霊鎧と搭乗者が逃げ出したから賠償金を支払えと来た。大国に売り払おうとしたが気づかれたのだろう。動力の残量を考慮すると、霊鎧は潜伏している可能性が高い。包囲網から救出する必要がある」
C国:先王の娘が王妃の国家。人間>ドワーフ>その他。建築力に優れており、専守防衛の態度を貫く。霊鎧はほとんど使用していない。
「争いの火種になるやもしれぬものは置いておけぬとの返答だ。協力は断られたものの、霊鎧は帰還予定だ」
まずはB国の霊鎧を救出する事になる。動力の残量から主人公機を使用。
「魔力の残量はアタシ達の方が多い。経験は足りてないけど、アタシ達が行った方がいいわ」
「監視役と交渉用の使者、飛行魔法が使える者を数名同行させよう。昨日から早々にすまないが頼む」
「いいのよ。アタシ達は望んで縛られてる。誰かとは違って」
「誰かとは?」
「死者の数、変に増えてない?アタシからはそれだけ」
「確かに、争いに巻き込まれる前から、霊鎧を賄うのに不都合が無くなっていたが……まさか」
主人公は幼馴染を死なせてしまった引け目から、幼馴染の言う通りにする。
一方、幼馴染の言葉を受けて、軍部は死者の調査を始める。
「僕は○○の言う通りにするよ。これからもよろしく」
「辞めてよ。アンタが考えなしのままだと、これからは皆が困るの。ちゃんと考えてよね」
「でも、間違うかも」
「間違ってたら教えるし、アタシが間違いだと思った事が合ってるかもしれない。それを忘れないで。……アタシの死も同じ」
「俺も見守ってやる。それもまた、先ゆく者であり監視役である俺の領分だろう」
B国へ向かう。
途中で使者と護衛は別れ、霊鎧の捜索。霊鎧同士はある程度の距離に近づけば認知できる。
「電信魔法は使わないでよ?敵に盗聴されるかもしれないから」
「使わないっていうか使えないよ。電系魔法は苦手だから」
「時間を見つけて特訓してやろう。俺は全系統が満遍なく使えるからな」
幼馴染が霊鎧を検知。そちらへ向かい合流。
「おーっと新顔だってわっかいな!」
「初めまして。○○です」
「おう。丁寧にどうもな。俺様は××!優秀、有能、優雅の三拍子揃った自信過剰な男だぜ!」
情報共有後、遠くで爆発音。B国の方向。
「交渉に問題が起きたのかもな。潜伏してたお陰で、まだ俺の霊鎧にも魔力が残ってる。使者達も回収して逃げようぜ」
B国付近に到着。巨大なゴーレムに使者達が襲われている。C国から購入したもの。ゴーレムは土や岩を素体としており、魔力相応の丈夫さを得るが、基本は動きが緩慢。
「おいおい、どういう状況だぁ!?」
「賠償金の折り合いがつかなくて持ち帰ろうとしたんだが」
「捕まりそうになったから逃げたってかぁ!?俺と同じだな!」
協力してゴーレムを撃破。使者達を回収し自国へ帰還。結果、B国との関係は悪化。味方に引き込む事は不可能と判断。
A国が大国の攻勢に遭っているとの情報が入る。
A国から戻った霊鎧に魔力を充填する必要がある為、主人公機と待機していた霊鎧が出撃。防衛戦力はC国から帰還予定の霊鎧で間に合わせる見込み。
共に出撃した霊鎧の搭乗者と交流。
「あなたの父親にはお世話になったわ。絶対に取り返しに行きましょう」
「父はもう亡くなったと思います。むしろ、その方が」
「え?」
「なんでもないです」
「…………」
「アタシもあなたのことを知っています。死なせてしまった兄の代わりに戦っているって」
「その通りよ。兄は搭乗者の候補だったけど、私を助ける代わりに死んでしまった。でも、兄は戦う事を望んだわ。あなたと同じね」
「違いますよ。アタシは、そうじゃない」
A国に到着。A国の傭兵として滞在していた搭乗者と合流。各国の霊鎧の魔力補給源を知る。
「死罪になった人を使って大丈夫なんですか?」
「大丈夫とは?」
「僕は幼馴染だから大丈夫ですけど、大変なんじゃ」
「ああ、いや、僕も全然だよ。罪を憎んで人を憎まずにいればね。そもそも、かつて霊鎧の使用目的の一端としてそういう役割もあったようだ」
「そういう役割ってなんですか?」
「霊鎧で消費した魂はこの世界に還らない。犯罪者の魂を減らしていくのは良い事だと考えた人がいたんだよ」
「そんな……」
「私はB国へ行ってた××にどういう気分なのかを問い詰めたいわ。仕方ないとはいえ、罪もない奴隷を使うなんて最低よ」
「それで救える命があるのだから受け止めよう。問題は、死者を利用する霊鎧の機構にある」
「そうですね。……僕は、死んだら幸せになれるんだと思ってました。でも、そうならない事もあるんですね」
主人公は昔、幼馴染から死後の世界について語られた事を思い出す。幼馴染は死んだ先の事を肯定的に考えていた。
A国の防衛戦。
敵は大国ではなく宗教国家。死罪の制度を認めないという思想で侵略している。
退ける事には成功するが、A国内の上層部にも信者がおり、霊鎧の情報が漏れる。
死者の魂を使う霊鎧も存在を認める訳にはいかないという思想により、宗教国家も敵対国となる。
大きな打撃を与えた為、しばらくは大規模な攻勢はないものと判断して、A国の傭兵だった霊鎧のみ残し2機の霊鎧は帰還。
帰還後、霊鎧の魔力充填のため、死者の魂を使う。
多くの犠牲が出た為、霊鎧の魔力充填には困らないが、遺族に情報を明かすか明かさないかで内部対立が起こる。
→隠す派
・明かす事で今まで使ってきた魂の遺族から不満や嘆きの声が上がる可能性から忌避する。
論:情報漏洩のリスク、魂の使用許諾を取る必要が出てくる事で余計な工程が増える。
→明かす派
・明かさないのは不誠実である。被害を受けた今なら、霊鎧の強化には肯定的であり認められるだろう派閥。
論:国全体で一致団結することができる。
主人公も秘密を知る者として意見を求められるが答えられない。無回答、あるいは保留とする。
××から不審死についての相談を受け協力する。監視役も共に。
「そっちの魂主が面白い事を言ったらしいじゃん。死人が増えてるって。俺たちで調べねえ?」
霊鎧の機能で調べた結果、何者かに依頼を受けて事故を起こした請負人を見つける。
上層部に犯人がいた。霊鎧を傭兵として売り出す事を提案した者だった。主人公の監視役とも繋がっていた。
「アイツらは間も無くあなたに辿り着きます。準備をして自ら明かせば罪を軽くできるかもしれません」
「そんな事するものか!ワシはこの国を思ってやってきたのだぞ!」
主犯が霊鎧の盗難を試みる。乗ったのは貧困奴隷の魂が使われた霊鎧。死への招きに抵抗し霊鎧を動かすが、魂主が抵抗し崖から落下する。
主犯が気絶。霊鎧は魂主の操作で帰還する。
「いつものお兄ちゃんじゃない」
「今日からはワシが乗ってやるぞ!存分に使われろ!」
「お兄ちゃんじゃないとダメ!」
「ふん。知った事か。霊鎧さえあれば拾って」
「ダメーー!!」
「ぐおおおおお!?」
××は霊鎧の中にいた魂と会話し、遺族にB国から支給金と報酬の一部を遺族に渡していた。
「死んだら二度と話せないってのに、俺らは死者と話せちまうんだぜ?困ってる奴がいたら救ってやろうって気になるだろ。でも、遺されたやつが救われるかはそいつら次第。そこまで面倒は見れねえよ」
死者と向き合う××を見て主人公も幼馴染の死と向き合う事を決める。
「○○は、悩みとかないの?」
「生きてた頃はあったよ。だから死にたかった」
「え?」
「毎日毎日、不安になって、考え事をして、こんな日々も死んだら無くなって、楽になるんじゃないかって思ってた」
「……全然、そんな風には見えなかったよ」
「見せる訳ないじゃん。周りを不安にさせるだけだし。だから、事故みたいな、許される死に方をしたかった」
「それであの時、僕を逃がそうとしたの?」
「まあね。それで霊鎧に魂を使わせようと思ったの。魂主になったのは予想外だけど」
「……ダメだよ。そんなの」
「ダメって、何が?」
「死んだら、あったかもしれない未来がなくなるんだよ。だから、ダメなんだ」
「お説教?□□ったらまだ若いのに。それに遅いよ。アタシはもう死んでるから」
「うん……。○○には、間に合わなかった。だからその分、これから僕は、たくさんの人を助けるよ」
「良いんじゃない?……アタシも、その為に自分を使えたなら、嬉しいよ」
霊鎧の動力に死者の魂を使っている事は明かす事とした。不審死についても公開。
死者の生まれ変わりを支えにして悲しみを乗り越えた遺族からは絶望の声が上がる。
「ねえ、○○。この霊鎧の中にいる魂を解放する事ってできないのかな。それか、○○みたいに皆と話す事って」
「考えなしにしては考えたじゃん。……やり方はわからないけどやってみよっか」
幼馴染が死者の魂を解放する。
主人公の霊鎧から無数の魂が飛んでいき、霊鎧から放たれた魔力が人の形を作り、言葉を交わす。
「すごい……すごいよ○○!」
「会う人がいない皆が魔力を貸してくれてるの。霊鎧の魔力はかなり減っちゃうね」
「そんなの良いよ!……ねえ○○、僕らでたくさんの人を救おう」
「前も言ってたじゃん。考えなしの次は記憶なし?」
「霊鎧に縛り付けられている人もだよ。……少しでも多くの人を、この世界に残そうよ」
「……それができるならね」
死者と言葉を交わし、霊鎧に戻る魂とそのまま浮遊していく魂に分かれる。
霊鎧に戻る魂の一部は、生者から魔力の供給も受けている。
現在の技術では霊鎧に生者からの魔力を取り込む事ができなかったが、この現象により死者の魂を経由して生者の魔力を取り込む事に成功。
「これを技術として確立したいものですな」
「それは我々の役目でしょう。民の不満を解消してくれた彼らの為にも」
霊鎧に生者からの魔力を取り込む技術を確立する為、××と共に霊媒の力を持つ民族が住む森へ向かう事に。
-中盤-
その後、武装強化や味方を増やしていく。
・魔力が上昇し新武装解除。魔法の強弓。命中安定せず。
・霊媒の途中でエルフの森を通過。機械禁止。襲撃から救う。味方に。弓矢技術も習得。
・霊媒の民族。魔力を宿らせる技術を学び持ち帰る。生者から魔力を取り込める様になる。魔力で動く航空機あり。
・C国から霊鎧が帰還。C国産の霊鎧用盾の補給。
-終盤-
エルフの支援を受けて、A国と共に大国と戦争。
大国からも霊鎧が出撃し戦闘。撃破。幼馴染の父親は死んでいた。霊鎧から魂を解放する。
大国を降伏させる。
大国領地の一部を分割し戦力を削ぐ事に。一件落着と思われたが宗教国家の台頭。各国の信者による暴動が起こり国が乗っ取られかける。
エルフの森に潜伏。情報と戦力を集め襲撃を決行。
霊鎧やゴーレム等と戦闘し勝利。教皇と対面。
「我を殺すか?さすれば混乱はあろう。されど我が犠牲が信者の結束を強める。死してなお我は心の中に生きるのだ」
霊鎧による魂の解放。宗教の犠牲になった者達の声を聞かせる。教えは否定しないが、こちらを否定する事も辞めてほしいと訴える。
「……我も犠牲を出したかったわけではない。ただ、救いたかっただけなのだ」
侵略行為は教皇の意思によるものではなかった。信者を自国に集め、各国は指導者に返す事で同意しエンディング。
「あーあ。生きてる人の魔力を使えちゃったから、アタシの魂、使いきれなかったや。戦いも終わっちゃったし、どうしようかな」
「……僕は、死にたくないって思うのは普通の事だと思ってたんだ。だけど、○○や教皇みたいに、死ぬ事に何かを見ている人もいるんだなって知ったよ」
「……そうだね。でも、□□はたくさんの人を生かしてきた」
「そうしたいと思ったからね。そして、僕1人でやった事じゃない。……○○も、解放されて良いんじゃないかな」
「……良いのかな。消えちゃった人もいるのに」
「その人達もダメだなんて言わないと思う。それに、○○が救われてくれないと、僕は嬉しくないよ」
「アタシはもう、充分に救われたんだけどな」
「死んだからって救われるわけじゃない。だけど、足掻いたから救われたんだよ。なら、その足掻きの分、取り戻そうよ」
霊鎧の元に2つの魂が来る。幼馴染の両親。
主人公の魔力が霊鎧を通して魂に形を与える。両親が手を伸ばす。
「……パパ、ママ……」
「○○……会えたら、また会おうね」
「……うん。またね!」
3つの魂が飛んで消えていく。
主人公はそれを見送ると霊鎧に乗り込み、自身の魔力だけで霊鎧を動かす。軍部に霊鎧を置き、魔力切れでヘロヘロになりながら帰宅。
「ただいま」
主人公の両親にハグで迎えられ終わり。




