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来孫  作者: 赤坂秀一
第一章 未知との遭遇
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2 タイムマシン

お待たせしました第2話を更新しました!


まずは響が帰った後の希美と智代の会話からです。

遅ればせながらこの物語はフィクションです。

 私と(とも)ちゃんの話を訊いて倉橋(くらはし)は、なんだか逃げるように行ってしまった。バイトとは言っていたけど……


「もう、智ちゃんが変なこと言うから倉橋は行っちゃったじゃない」


「やっぱり希美(のぞみ)は彼の事狙ってるんじゃない」


「そんな事無いもん……」


 私は頬を膨らませてそう言った。だって、倉橋は高校生なんだから…… 最初に逢ったときは私と同じ大学生だと思っていた。だって、私より背が高いし、凄く知的そうだったし、凄く格好良かったし、何だか胸がキュンと締め付けられると言うか…… でも、またフラれたら…… しかも今度は高校生にというのは…… もう、私って、こんな事ばかり考えてるのは駄目だと解ってはいるんだけど、やっぱりネガティブにしかなれない。はあ……


「希美、大丈夫?」


「うん……」


「それじゃ、ウミクロに行くから付き合って!」


 私が落ち込んでいるのが解るから智ちゃんは声を掛けてくれる。とても有難い存在なんだけど、私にも都合があるんだけど、夕方からバイトもあるし……


「えっ、私はちょっと……」


「いいから付き合いなさい! どうせ暇なんでしょう」


 いや、勝手に決めないでよ、私だって…… そう思ったけど何も言えず、私は智ちゃんから強引にウミクロに連れて行かれました。私は別に服なんて買わなくても良いんだけど……


智ちゃんが洋服を見てる間、私はミュールを見てました。そう言えば、あいつと初めてデートした時もミュールだったな…… 私は彼とゆっくり手を繋いで歩きたかったのにあいつは一人でさっさと行っちゃうんだから…… それで躓いて倒れちゃったら、何やってんだ! とか言っちゃってさ、マジ最悪だった。だからミュールにはあまり良い思い出がないんだよね…… でもミュールは好きなんだけど……


「希美、何か買った?」


「えっ、ううん、私は智ちゃんに付き合ってるだけだから」


「じゃあ、今度はZU(ズィーユー)に付き合って!」


「えーっ、まだ行くの」


「だって、お気に入りのトップスがなかったんだもん」


「もう、明日でもよくない?」


「いいや、行くの」


 はあ、智ちゃんは一度言い出すと聞かないからな…… あれ、今、道路の向こう側にいたのは倉橋じゃなかったかな?


「ちょっと希美、何処に行くの!」


 私はそのまま歩道橋の方へ駆け出し向かい側の歩道へ急いで走って行きましたけど…… やっぱり人違いかな、この辺に脇道はないし、この先は袋小路だし、倉橋がいるのなら逢うはずだよね…… ってどうしてあいつのことが気になるんだろう……


「ちょっと希美、何してるの? 急に走り出しちゃうんだから」


「あっ、ごめん! ちよっとね……」


「なに、良い男でもいたの?」


 うっ、それは図星だ!


「まさか、智ちゃんじゃないんだから…… あっ、私もう行かなきゃ」


 私は左手首にしている小さくておしゃれな腕時計を見て言いました。


「行くって、何処に?」


「バイト」


「バイト? 辞めたんじゃなかった!」


 まあ、あの時は彼がいたから…… でも、バイトしないと親に頼ってばかりじゃね!


「うん、辞めていたんだけど、講義が終わったら他にやることもないからね……」


「ふーん、また美術館通りの喫茶店?」


「ううん、そこから駅寄りのところのコンビニ、ほら店長が髭と眼鏡で、面白そうな人の」


 ここのコンビニは鷹島(たかしま)先輩のおすすめなんだよね!


「あっ、あそこか! あの店長さんはなんだか優しそうだもんね、時給高いの?」


「うん、喫茶店よりちょっとだけだけど。良かったら来てね!」


「うん、あっ希美! 解ってるとは思うけど、あいつのことは早く忘れなよ! もう次に行かなきゃ」


「うん、ありがとう……」


 はあ…… 折角忘れかけてたのに智ちゃんも心配性だよね……




 希美さんが日常的な生活をしている頃、僕は来夢(らいむ)というショートカットの似合う可愛らしい女の子に連れられて、非現実的な世界の入口である森の中へやって来た。そこには見た目UFOのようなタイムマシンらしきものが森の木々に覆い隠されて置かれていた。


「こ、これって……」


「タイムマシンだよ!」


 彼女は平然とそう言うけど……


「これって、何処からどう見てもUFOですよね!」


 だって、帽子型で典型的なUFOの形だから…… すると彼女は……


「UFOじゃないもん、タイムマシンだもん!」


 なんとも普通の女の子らしい仕草と言葉で反論してくる。そういう可愛らしい仕草も一応出来るんだな、まあ、ちょっとは可愛いと思ってしまったけど。


「だって、形が……」


「君はUFOを見たことあるの?」


 おいおい、可愛い女の子から急に大人の女性のような態度になった。女性というの猫の目ようにコロコロと態度が変わる。本当によく解らない。


「一応ありますよ! TVや写真でですけど……」


「そりゃそうよね、UFOってUnidentified flying objectの頭文字でUFOなんだけど、つまり未確認飛行物体って言うんだから! もちろんここにあるタイムマシンはちゃんと確認された物体なんだからね」


 なんだか、無理矢理納得させられているような…… それに確認されてるって誰に。これって本物なのかな? 本当に動くのか?


「これって本物なんですか?」


「失礼ね、本物に決まってるでしょう、疑うんなら中に入っても良いよ!」


 えっ、中にってどうやって…… そう思っている時、僕はオレンジ色の光に包まれた。何だか凄く心地良く、フワリと宙に浮いているような気がした。気がつくと僕は十畳くらいのリビングのようなところに居た。


「えっ、ここは……」


 さっきまで森の中にいたはずなのに……


「タイムマシンの中だよ!」


 えっ、タイムマシンの中? 僕はちょっと怖くなっていた。いつの間にかUFOの中に入れられて一体なにをされるのか…… よく聞く話だと身体検査をされて、手術をしてなにかを埋め込まれるとか、大丈夫なのか……


「僕に身体検査をして手術でもするつもりなんですか!」


「あら、ご希望なら簡易キットがあるからやってあげても良いわよ」


 いや、マジか! 冗談のつもりだったのに…… でも、それはやめて欲しい。というかこの女、可愛い顔して何をするかちょっと怖い気がする。


「いいえ、遠慮しときます」


 僕が顔を引き攣らせそう言うと、彼女は吹き出したように……


「ぷっ! 何か勘違いしてるでしょう! 何もしないよ」


 僕はマジで身の危険を感じたが、どうやら本当に問題ないらしい。


「え、えっと、ちょっと訊きたいんですけど……」


「なによ!」


 いや、そんなにツンケンしなくても……


「僕達の世界では、たまにUFOを目撃したってスマホとかで動画を撮っている人がいるんですけど……」


「知ってる! なかには映像を細工しているものもあるみたいだけど、本物もあるわね」


「沢山の光の点がいっぱい出て来たと思ったら、一気に無くなったりとか、急に不思議な動き方をする事も……」


「あれは全部タイムマシンだよ! 沢山のタイムマシンが現れて、観光した後帰っているの、あなた達もバスで観光する事とかあるでしょう!」


「あっ、はい」


「それと同じよ!」


 マジか! 未来では過去に観光出来るのか……


「あれは、未来人がこの世界に観光に来ているって事ですか」


「そうよ! ただタイムマシンを降りて見学したり、買い物したりは出来ないから、この世界に現れて遊覧飛行をしたら、また他の世界に行くの、その時にタイムスリップをするんだけど、高速移動して時空を超えなきゃいけないからそのときの動きが変な動きに見えるんだろうね」


「そうか、それじゃ宇宙人が来てる訳じゃないんですね」


「そう言うこと! だって二十三世紀でも宇宙人はまだ観測されてないから」


「そうなんですか! でも、もっと先の未来では観測されてたりしないんですか?」


「そんなの訊いた事ないかな…… だってさ、地球の隣の火星でも行って帰ってくるのに二年から三年かかるんだよ! 遥か宇宙の果てから別の生命体が来るって、ちょっと考えられないでしょう」


 何だかとんでもない話になってきた。


「でもさ、何百年もの未来から来てるんですよね」


「それは同じ地球上で時空を超えて来てるの! でも惑星間となるとちょっと無理ね!」


「二十三世紀の科学力でもそこは無理なんですね」


「まあ、そういうことだね」


 宇宙人がUFOに乗って地球へやって来るというのはそれ相当の科学力がいるということか……


「もし、UFOに乗って宇宙人が地球に来たなら、地球上の生物は一瞬で抹殺されるかもね!」


「えっ、なにそれ!」


「だってそれだけの科学力があるでしょうから原住民は邪魔なだけでしょう」


 来夢は真面目な顔でとんでもない事を言った。


「嫌な事言いますね…… 夢もロマンもないじゃないですか」


「現実はそんなもんでしょう」


「まあ、そうですね……」


 その後僕達はUFO、じゃなかったタイムマシンから降りて森へ戻って来た。


「それじゃ、また街に戻っても良い?」


「どこへでも行けるんですか」


「うん、行けるよ!」


「それじゃ、もし出来るのなら僕のアパートへ戻りたいんですけど」


「うん、良いよ! 私もそっちの方が便利かな」


「便利って何がですか?」


「だって、君のアパートから出入りした方が怪しまれないでしょう! 壁や塀に穴を開けて出て来るよりそっちの方がスマートでしょう」


「いや、それは……」


「どうせ、彼女もいないんでしょう! 良いじゃない」


 確かに今はいないけど、もし彼女が出来たらどうするよ! まあ、無いかな……

タイムマシンでやって来た来夢は何者でしょうか? 何のためにこの時代に来たのでしょう……


この物語、面白いと思った方は星五つのポイントをお願いします。また感想をお寄せください。今後の参考にしたいと思います。

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