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魔王VSドラゴン

「リドウ!よかった、目を覚ましていたのですね!」



 ホッとした顔から一転、焦り顔に戻る姫。



「王都の残存兵が守りを固めているところですが―」

「俺に手を貸してほしいってことだな」


「違います!目覚めたばかりのリドウにそんな真似させられません!」


「ではどうするつもりだ?」


「シャゼル様のお力を借りれないかと」



 申し訳なさそうにする姫。今や姫も俺と配下契約をしているんだ。遠慮はいらない。



「シャゼル」


「はっ!」


「やれるか?」


「私のこちらでの能力値は測定したところ2500でした。ギリギリ一度でしたら時空魔法を使えるかと」


「それなら大丈夫そうだな」


「狭い範囲に限定されるので1vs1はしんどいのですが…」


「うん、俺も手伝うさ」


「でしたら大丈夫かと」


「そんな!リドウはまだ!」


「大丈夫!7日も休んでたらしいからな。それに配下が二人そばにいるんだ。前回みたいにギリギリの戦いにはならないと思う」


 姫と契約した時で能力値1000ぐらい、つまり今は2000ぐらいにはなってるか?


「姫、ドラゴンの場所まで案内してくれ」


「わかりました、でも…今回こそ無理はしなでくださいね!」



 今回は装備を用意してもらう時間なさそうだ。適当に現場にいる兵から借りるとしよう。






「ゴアアァァァ!!!」



 王都の中心部の広場にてドラゴンと兵士たちが戦っている。



「おい!道を開けてくれ!」



広場から逃げ惑う市民たちの流れに逆らいながら広場へ向かう。あと少し…。




 広場が完全に見えるとそこには



「そんな…!」



 全滅した兵たちの姿があった。


 かなりの大きさの赤いドラゴンが一人の兵を踏み潰し、その後こちらを振り向く。



「ゴアアァァァ!!!」



 完全に次の獲物認定されたみたいだ。


 シャゼルと目を合わせ頷く。



「シャゼル!お前のタイミングで撃て!俺は接近戦だ!」


「はっ!」



 シャゼルは吸血鬼の一族なので背中に蝙蝠のような羽を出し飛ぶことができる。


 空からシャゼルが撹乱し地上では俺が接近戦で、あとはうまいことシャゼルが時空魔法を決めるのを願うしかないな。



「うおっと」


 ドラゴンのしっぽ振り回しを避ける。


 体の方も特に問題ない。右腕もしっかり動く。何より、大蛇戦が嘘みたいに体が軽い。



「さて、どこかに武器はないかな」



 辺りを見回す。無事なのは最後にやられたやつが握っている槍くらいか。


 ドラゴンの足元か。よしこっちに誘導しよう。



「姫!しっかり隠れてるんだぞ!」


「はい!」



 姫が安全圏に移動するのを見守りドラゴンの誘導を行う。



「ゴアアァァァ!!!」



 誘導したドラゴンの足元でバキッ!と音がなる。


「そうなるか…」



 どうしたものか。


 「はあああ!」



 空中では時空魔法と肉弾戦の得意なシャゼルがヒット&アウェイを繰り返している。



「…そうか!」



 魔剣エイラスを手中に収めてから随分長いこと肉弾戦など行っていなかった。そのエイラスもあっちの世界にあるので手元にはないし。


 いや、そもそもだ。俺が勇者の時は碌な装備ももらえず、ずっと素手での戦闘だったじゃないか。



「ふう…。あのころと同じく、この拳で相手を貫くことだけ考える…!」


「ふん!」



 俺と同じくらいのサイズをしたドラゴンの頭を殴りつける。



「くっ!」



 拳から嫌な感触を感じる。少しだけ痛みが走る。


 うん、拳ダメだ。全然だめ。拳を見るとまあまあの出血をしている。


 これは相当痛いんだろうなぁ、痛みに強くてよかった。


 やはり魔法だな!



「シャゼル!目くらましに魔法を放つ!その隙に時空魔法だ!」


「承知しました!」



 血だらけの拳でドラゴンと応戦する。



「ゴアアァァァ!!!」



 ドラゴンが口を大きく開き、炎のブレスを放つ。



「デス・ファイア!!!」



 慌てて闇魔法を放つ。



「今なら…!」



 上空で両手を構えるシャゼルを尻目にデスファイアへ込める魔力を増やし出力を上げる。


「はああああ!!!」



 ドラゴンのブレスを押し返し漆黒の炎に包まれるドラゴン。


 待ってましたとばかりにシャゼル。



「ル・ジエン!」



 ドラゴンの頭部あたりの時空が歪み、首から上が消え去る。


 ズドオオン!と大きな音を立てて頭部のなくなったドラゴンの体が崩れる。


 シューっと灰になり消えていくドラゴン。



「今回はもう大丈

夫…ですよね?」


 ひょこっと瓦礫から顔を出し同じミスはしまいときょろきょろ顔を出す姫。



「姫!終わったぞー!」


「リドウ!」



 スタスタ近寄ってくる姫。スーっと上空から降りてくるシャゼル。



「よかったです…お二人が無事で!」


「ああ、今回はなんとかな」



 思わず血だらけの拳を背中に回し隠す。



「レイム姫、兵士の方たちですが、間に合わず申し訳ございません」



 シャゼルが姫へ謝罪を入れる。


「いえ、シャゼル様のせいでは…」


「しかしこのドラゴンは魔王軍の手先かなにかか?」


「わかりません…。今までドラゴンが王都を襲ったことなどなかったものですから…」



 姫がうつむく。



「大丈夫、次からは被害なんて出させない。それにあのドラゴンは魔石持ちだったみたいだ」



 ドラゴンが倒れたあたりに以前より少しおおぶりな魔石が落ちているのが見える。



「あれを使ってもう一人配下を呼べば俺はさらに強くなれる!こっちから打って出ることもできるだろう!」


「そう…ですね!ありがとうリドウ」


 儚げながらも笑みを向けてくれる姫。胸がきゅーんとなる。


「魔王様ったら…」


「よし、じゃあ誰かに魔石が見つかる前に召喚するとしよう!」



 俺が照れまじりに大きな声で声をかけたその時。



「ゴガアアアアアアア!!!!」



 上空から青いドラゴンが迫る。



「もう一体!?」


「先ほどのドラゴンより大きいです!」



 今から連戦でドラゴンはきついぞ!?



「レイム姫は隠れてください!」


「はい!」



 シャゼルの方も動揺しているな。



「シャゼル、時空魔法もう一発いけたりしないよな?」


「申し訳ありません。先ほどの魔法で魔力は使い果たしてしまいました!」



 青いドラゴンは一直線に魔石に向け滑空し大口を開け地面ごと魔石をえぐり、咥える。



「おい!魔石とられたぞ!?」


「大変です!魔石を吸収されると魔物がレベルアップしてしまいます!」



 くそっ、姫に格好つけてる場合じゃなかった!



「魔王様…すごく嫌な予感がします」


「あぁ、俺もだ」




 ドラゴンが光に包まれる。

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