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早紀と所長の二年半  作者: 水島素良
2017年10月

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2017.10.25 水曜日 河合先生への日誌 与儀奈美

 今日は隣町のカラオケに行きました。サキの歌の練習のために行ったんですが、一番歌っていたのは佐加とあかねでした。あかねがふざけておっぱいの歌(平成の初め頃に流行っていた子供向けの歌だそうです)を歌い出したので、男子が全員逃げていきました。どこに行ったのかと思ったらドリンクバーでやたらいろいろ混ぜて飲み比べて、ほとんど『まずい』と言っていました。だったら混ぜないで普通に飲めばいいのに。

 佐加はテイラー・スウィフトや海外のセレブの歌が好きで、あかねはもちろんアニソン。サキは米津なんとかって人の曲しか聴かないと言っていました。保坂が勧めてきた曲は洋楽で、リンキン・パークだったと思います。なんとなく反抗期っぽい曲でした。親といろいろもめていたからこういう曲に共感するのかなと思いました。

 私には、好きな曲や趣味がありません。カラオケで歌える曲を知らないので、みんなが歌うのをずっと聞いていました。今まで母の世話やバイトで、音楽を聴く余裕も、趣味で何かする暇もありませんでした。だから、好きな曲や趣味があるみんながうらやましいです。でも公務員試験にも受かったし、人生に希望が見えてきて、やっと自分にも何かできそうだと思えてきました。

 今日は本当に久しぶりに、心から楽しむことができました。

 まだみんなは受験前だから、私だけ遊んでいたら怒られてしまいそうですけど、これから人生を楽しみたいと思います。

 母の分も、おっさんの分も。

 あの2人、今ごろ天国で何を話しているのでしょうね。

 私の悪口でないことを祈っています。




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