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早紀と所長の二年半  作者: 水島素良
2015年11月

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2015.11.12 サキの日記


 きっと、愛情がないことに気がついて、所長が出ていってしまったのヨ。助手はいなくなって初めて自分の気持ちに気がついて、慌てて探しに行ったのヨ……ウフフフフ。



 翻訳:草原を走ってる助手を見たから妄想してみたワ。


 実際に助手を見たのは学校の友達で、あかねは話を聞いただけらしい。

 この手の妄想パターンにはもう慣れた。でも私は別なことが心配。私と所長のことを、あかねはどう解釈してまわりにしゃべってるんだろう?

 変なラブラブ話に変換されてないかすごく心配。



 アンタと同時に編入する男子の情報を入手したワ。



 別に聞きたくないし、個人情報じゃないのと言ったら、



 あら、向こうはサキに興味ありみたいだけど。



 ……既に情報は漏洩していた。

 あかねの話では、その男子は生まれつき体が弱くて、体育はほとんど見学になるんじゃないかとの事。



 軽いの。延々としゃべってんのヨ。一人でいるときも空中に向かって。



 ……それ、体じゃなくて頭に問題があるんじゃ……。



 そんな危ない奴に私の情報渡したの!?と聞いたら、


 そんなに話してないわヨ。夏休みに研究所に入り浸ってたことくらい。


 文句を言おうとしたら『バーイ』の一言で通話切られた。かけ直してもつながらない。


 どうしよう。

 私もとんでもない妄想を言いふらされてるかもしれない。


 所長にもかけてみたけど出なかったので、メールであかねから聞いたことを送って『気をつけて』と言っておいた。




 あいつはクモから逃げてただけだよ。



 後で、所長から謎の返信が来た。



 大袈裟に怖がりすぎなんだ。田舎に住んでるんだから、部屋に虫くらい入るに決まってる。

 今も部屋中走り回ってモップかけてて、うるさいんだよね。



 部屋に虫が出たから草原を走った?



 意味がわからない。


 やっぱりあの研究所は、不思議だらけだ。




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