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早紀と所長の二年半  作者: 水島素良
2017年7月

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2017.7.6 木曜日 サキの日記

 佐加のケーキ型ソファーとクッションが完成した。みんなで寝っ転がっていたら勇気に動画撮られた。別れた彼女なんか撮って悲しくならない?って聞いたら『学校祭の記録だから』と言って佐加やヨギナミも撮ってた。

 あかねは準備に参加してこない。あと一週間あるけど、当日まで何もしない気なんだろうか。学校祭ってマンガのネタにならない?って聞いても『別に』としか言わない。あかねが妄想を発さないなんて、どれだけ祭りが嫌いなんだろう?いや、去年の秋浜祭でははりきってコスプレしてたから祭りが嫌いなわけじゃないか。なぜ学校祭はだめなんだろう?

 準備期間は一週間あるけど、飲食店の準備はだいたい終わってしまっていて、杉浦の展示もほぼ出来上がってる。『何か他におもしろいことができるんじゃないか』『去年3年が映画作ってなかった?』『劇でもやる?』『今から?』みたいな話になったけど、一週間でそういうエンタメ系の準備するのは無理だろうということになった。

 しかし、


 お化け屋敷ならできね?


 佐加がまた余計なことを思いついた。しかも男子がノッてしまった。私は嫌だった。ただでさえ幽霊に悩まされてんのになんでお化け屋敷しなきゃいけないんだ!?と思ったけど、みんなは『どうやってみんなをおどかすか』を熱心に話し合い始めた。一人まともな藤木が、


 秋倉は年寄りが多いから、

 下手におどかすと心臓発作で死ぬぞ?


 と言ったけど、ホンナラ組が『大丈夫だって!』と軽く流してしまい、結局、こんな直前になって、空き教室にお化け迷路を作ることになってしまった。

 私は飲食の方に回って、そっちには関わらないようにしよう、そう思って、プロのウェイトレスであるヨギナミにくっついて回っていた。ヨギナミはメニュー表を作っていた。今年もカレーが出る。あとはパスタだ。ボロネーゼ。どっちにするか迷う。

 ケーキソファーの写真を撮って、結城さんと所長に送った。

 研究所に行きたい。でもなんとなく気まずい。

 結城さんのことは、望みがなくても追いかけるって決めた。でも所長をどうしていいかわからない。

 私のこと好きらしいけど、私にそういう気はない。

 このまま友達として接するのは残酷だろうか?

 何でも話せると思っていた人が、うかつに話せない人になってしまったようで、私は落ち着かない。

 2人とも、学校祭に来るかな?

 来たら何を話せばいいんだろう?




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