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早紀と所長の二年半  作者: 水島素良
2017年5月

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2017.5.16 火曜日 河合先生への日誌 高谷修平

 検査の数値はあまりよくありませんでした。医者からは家に帰ることも考えろと言われてしまいました。でも僕はまだ帰りたくありません。日によって調子はだいぶ違います。全然平気なこともあるし、歩くのもつらい時もある。だけど、悪い日だけを見ていたら何もできません。

 もうクラスで噂になっているそうなので、正直に言います。

 僕は伊藤が好きです。

 ただし、向こうは神と本にしか興味がなさそうです。前にヨギナミが「伊藤ちゃんは好きなことよりも正しいことを選ぶ人」と言っていました。僕に親切なのも、「体の弱い人には優しくしなければいけない」という道徳的なところからだと思います。でも僕はそれが嫌なんです。義務的な優しさ。そうではなくて、伊藤にも僕を好きになってほしい。1人の人間として見てほしい。

 こんなこと言ってる場合じゃないのはわかっています。受験生なので。今日は杉浦の家で塾が開催されました。ヨギナミと佐加、藤木が来ていて、勇気とサキは来ませんでした。別れたばかりで気まずいんでしょう。

 そういえば、先生は神はいると思いますか。

 僕はいると思います。ただ、自分がどうしてこんなに弱く生まれたのか、その意味が知りたいと思います。伊藤に聞いても「神は全てを超えた存在」と言われる。「何か意味があるのだろう」と。僕はその意味が何なのかはっきり知りたいです。




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