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早紀と所長の二年半  作者: 水島素良
2017年3月

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2017.3.4 土曜日 河合先生への日誌 杉浦涼

 もうすぐ卒業式。3年生の先輩方は卒業し、我々が最高学年になるわけです。この学校最後の生徒でもあるわけだ。気を引き締めていかねばなるまい。大学受験に向けて春休みは毎日塾を開催する予定です。

 しかし、当の受験組がいまいち乗り気でないのはなぜなのでしょう?大学を受けると決めているはずの高谷、新橋は揃ってやる気が見られない。このクラスでは比較的まともな伊藤さんはともかくとして、高条に至っては『そもそも大学行く意味ある?現代』などとぬかす始末。世の中が見た目重視になり、ネットビジネスがもてはやされているせいでしょう。しかし、そうした分野に必要な判断力、思考力を身につけるにはやはり学問だ。先人達が日本を支えてきた原動力は教育にある。学校はいらないなどと屁理屈を言っている者も、自分の話している言語がそもそも学校で学んだもの、すなわち教育の賜物であることがわかっていない。まるで自分だけの力で話す能力を身に着けたかのように傲慢だ。

 今のところ塾に来ると言っているのはヨギナミと保坂だけです。アルバイトで忙しいのにヨギナミは勉強熱心だ。母は、僕が目当てではないかといやらしい想像をしているが、僕にはそんな気は一切ない。

 ヨギナミのいいところは、色恋沙汰の話を一切しないところです。無意味にその手の話ばかりする女子達にはついていけない。最近は新橋・高条ペアの不仲の話題でもちきりで、佐加は『結城さんも絡んでる』などと勝手な想像を付け加えている。久方さん達もさぞ迷惑しているでしょう。

 恋の噂は、罪だ。

 藤木に悪いから恋自体は否定しないが、僕にはどうにもわからない。そんな話の何がおもしろいのでしょうか。





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