2015.10.26 サキの日記
きっと毎晩美形の助手と熱烈に愛し合っているのヨ。でも、夜は情熱的なのに、昼間はそっけない態度を取られるから、思い悩んで草原をさまよっているのヨ……青ざめた顔をしてね……ウフフフフ。
翻訳:昨日、草原を散歩している所長を偶然見かけたから妄想してみたワ。
秋倉町の平岸あかねから着信があった。メールはけっこう来てたけど、通話で話すのは初めてだ。
しかも、挨拶より先に妄想を熱く語られた。所長本人が聞いたらショックで倒れそう。
私が秋倉に来るかも、と平岸パパに言われたから、それが本当か確認したかったらしい。
あんたが来たらあの研究所にも入りやすくなるしね。私が行ったらパパに怒られた。久方さんは何も文句言ってなかったのに。
きっと、私たちを近づけたくない理由があるに違いないワ……。
いや、普通の会社とかラボだったら、そもそも関係ない人を建物に入れないし、あかねだって興味持たないと思う。
所長ってあそこで本当に何をしてるんだろう?
たぶんあかねには何も言わなかったんじゃなくて、嫌だと思ってても言えなかったんだと思う。あかねの勢いって怖いし。
ラブラブ話はおいといて、まだ行くかどうかは迷ってて、行くとしても2年次編入だから来年と答えた。
来年ね。こないだ来た変な髪型の少年も編入希望みたいヨ。出会いが楽しみね……同じアパートに二人……ウフフフフ。
やばい、知らない男子と勝手に脳内ラブラブ妄想されてる!!
とりあえず考え中だから!!と言って通話を終えた。
なんか、編入以前にトラブルが始まりそうな気がする。
学校は行きたくないなあ。
でも所長には会いたい。
助手ってどんな人だろう。私が行ってもあかねみたいに追い出されてしまうだろうか。




