2016.11.22 火曜日 サキの日記
数学難しすぎる。
しかも今回は出題範囲間違ってない。
いやぁ〜、
今回は出題範囲内で最も難しい問題が並んでいたなあ。
と、杉浦がムカつくほどさわやかに言い、
時間足りなくなるかと思った。危なかったぁ。
とヨギナミも言った。数学得意な人が『危なかった』という試験に、私とか佐加とか奈良崎が太刀打ちできるはずがない。
やばい、うち今回は補習かも。
佐加が真面目にかすれ声を出した。私も自信ない。でも補習は嫌だ。土日がつぶれる。
試験は残り一日。でも明日は祝日だし、明後日は得意科目だけなので、研究所に行こうかどうか迷った。でも、やめておいた。所長はまだパニくっているようで、ここ数日何の連絡もしてこない。こちらからも何を言っていいかわからない。
私、何しに秋倉に来たんだっけ?
試験終わったら、また第3で遊びに行かない?
マンボーで釣り対決しましょうよ。
佐加呼んでもいいし。
昼ご飯食べてる時にあかねが言った。釣りとはもちろん、アニメグッズが入っているあれのことだ。私達にまでグッズを取らせる気だ。
修平は嫌な思い出があるせいか、あまり行きたくなさそうだった。でも、あかねがホンナラ組も呼べばと言うと『考えとく』と言った。
高条も来る。
最近、高条とはあいさつをするくらいで、話していない。でも、なんとなく、こちらを見ているような気がする。なんとなく気になる。
部屋でBBCをぼーっと聴いてたら、結城さんからLINEが来てめっちゃドキドキした。でも内容は、
久方の中の人、誰かを殺したらしいんだけど、
心当たりある?
だった。
人を殺した。
私はそれ、奈々子のことじゃないかと思った。
あいつのせいで死んだようなものだし。
そう伝えたら、それっきり何も来ない。
もっとやり取りしたかったのに。
私は雑念を払うべく、真面目に勉強することにした。
明日は休みだし、やっぱり所長の様子を見に行こう。
もしかしたら少し落ち着いたかもしれないし。




